ベジタリアンの食事では、その種類によってはどのような肉類も食べることはできません。ただしベジタリアンの中でもいくつかの種類があります。
綿密に計画されたベジタリアンの食事によって、総合的な健康に役立つ植物化合物や栄養素をしっかりと摂ることができます。そこで、以下よりベジタリアンに関する健康上のメリットを見てみましょう。
体重管理:ベジタリアンの食事による一番のメリットは、体重管理に役立つということでしょう。多くの研究では、ベジタリアンの方は、そうでない方に比べ、ボディマス指数や体重が低い傾向にあります。1、2ベジタリアンの食事はカロリーが低いものが多いので、積極的にカロリーを減らそうとしなくても、自然に体重管理をサポートすることにつながります。
栄養:植物ベースの食事が増えることで、特定のビタミン、ミネラル、栄養素の摂取量を日常的に増やすことができます。研究によると、ベジタリアンの食事は、伝統的な西洋料理よりも多くの食物繊維と抗酸化物質を摂ることができると報告されています。3植物ベースの食事は、葉酸、カリウム、マグネシウム、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミンを豊富に含んでいます。
糖尿病:ベジタリアンの方は、血糖値が低く、インスリンに対する感受性が高い傾向があるという研究報告があります。これは、2型糖尿病を発症するリスクを下げるのに役立つことになります。4,5
心臓の健康:植物ベースの食事はもちろん、果物、野菜、豆類を多く摂ることで、心臓病のリスクが下がります。6,7 またベジタリアンやヴィーガンの食事はその他の食事と比べ、血糖値、LDLコレステロール(血管壁に集まり、閉塞を引き起こす可能性のある「悪玉」コレステロール)、血圧の調節に役立つことを示す研究もあります。5,6,7
食べ物への感謝: 多くのベジタリアンが、食事によって変化が生じることに気づき、味覚が高まったと話しています。これは単なるベジタリアンの想像ではないことは科学的にも示されています。ほんの数週間でも、脂肪、塩分、糖分が多いジャンクフードや動物性食品を摂取しないことで、味蕾(みらい。舌や軟口蓋にある食べ物の味を感じる小さな器官)や脂肪に対する感受性が実際に変化するのです。
制限されているように見えるかもしれませんが、ベジタリアンの食事でも色々なものが選べます。食品が新しく改良されているおかげで、ベジタリアンに優しい代替食品を従来よりも簡単に見つけることができるようになりました。ベジタリアン食の鍵は、動物性食品や副産物を避けることです(ラクト、オボ、またはラクトオボの菜食を除く)。それ以外の点では、ベジタリアンであることは他の方と変わりなく、むしろ健康にとって非常にメリットがあると言えるでしょう。ベジタリアンフードには以下のような食品が含まれます。
ベジタリアンの食事を続けるときに、最も気を付けることは適切な計画を立てることです。無理をしてただひたすらにベジタリアンになろうとすると、食事のたびに満足感が得られないだけでなく、健康上の問題につながる可能性があります。植物ベースの食品には栄養素が豊富に含まれていますが、特定の必須ビタミンやミネラルが不足する可能性も生じます。また、計画をきちんと立てなければ、多くの場合、数少ない同じ食品類を食べ続けてしまうことで、栄養不足につながる可能性もあります。食事プランを立てることで、順調にベジタリアンの食事を続けることができ、世界中の多種多様な食品と共に様々な味を楽しむことができます。これにより、必然的に自分で料理をする頻度が高くなり、料理やベジタリアンの食事自体がとても楽しいものとなるでしょう。
また、幅広い食品群を摂取することも重要です。これは食事で満足感を得られるだけでなく、必須ビタミンやミネラルなどの栄養を一日を通して得られるからです。食事を引き算形式で考えてしまうと、どんな食事も難しくなります。確かにステーキやビーフハンバーグは食べられませんが、冷蔵庫や食品棚を開ければ豆腐やホウレンソウ、ジャガイモ、リンゴ、ベリー、トマト、豆などが並び、様々な食品を選ぶことができると実感できるでしょう。
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ベジタリアンが食べられない主な食品:
ラード、バター、フィッシュオイルなどの動物性油脂は、食品に使用されているかを見つけることが難しく、ベジタリアンフードと思われる食品、特に焼き菓子にも混入していることがあります。動物性食品を含まないように見える飲料でさえ、残念ながら動物性食品が含まれている場合が多々あります。ワインを例にとってみましょう。もちろんブドウは主要成分ですが、一部のワインメーカーは、ワインにゼラチン、卵白、乳タンパク質を使用してタンニンを分解し、より滑らかな食感と味わいを作り出しています。また、魚のうきぶくろの一種であるアイシングラスを使用して粒子をろ過し、ギネスビールを製造するワインメーカーもあります。
その他、気を付けるべき食品:
食品に動物性食品が含まれていないことを確認するための最良の方法は、ラベルをチェックすることです。ほとんどのブランドは、卵や牛乳をはじめ、その他のアレルゲンの使用について表記しています。ホエイ、ラクトース、カゼイン、海狸香、レンネットなど、動物由来の増粘剤、タンパク質、防腐剤、その他の添加物を指す特定の成分用語に注意してください。外食するときは、レストランにベジタリアン用の選択肢があるかどうか、またはベジタリアン用に変更や代替ができるかどうか、ぜひ事前に尋ねてみましょう。
必須ビタミンとは、体内で作ることができないビタミンを指します。つまり、食事から摂取する必要があります。ベジタリアンの食事は、果物と野菜の摂取量が多いため、幅広い栄養素を摂ることができますが、特定のビタミンやミネラルが不足する可能性もあります。ベジタリアンに不足しがちな栄養素は主に次のとおりです。
タンパク質: タンパク質は、組織、筋肉、細胞の構築など、多くの身体機能に関与する重要な栄養素ですが、ベジタリアンの食事では、十分なタンパク質を摂取することが難しい場合があります。Mehmet Oz(メフメト・オズ)博士の記事によると、タンパク質が少な過ぎると、代謝が遅くなるだけでなく、倦怠感、脱力感、筋力低下を引き起こす可能性があります。 「免疫システムも弱まることになるので、毎食少なくとも25グラムのタンパク質、または1日あたり約75グラムのタンパク質を摂取すべきです」と博士は言います。適切な摂取量を確保するための優れた選択肢として、スムージーにプロテインパウダーを加えてタンパク質を補給することがあげられます。ホエイプロテインパウダーは、乳製品を摂取している方に適した選択肢ですが、ヴィーガン用に、エンドウ豆、カボチャ、大豆、米タンパク質を利用したプロテインパウダーもあります。
ビタミンB12:動物性食品(肉、乳製品、卵)に自然に含まれるビタミンB12は、タンパク質代謝、赤血球合成、神経系の健康に不可欠な役割を果たします。多くの専門家は、ベジタリアンの食事が一般的にビタミンB12の摂取量が低いこと、そして体の健康にとってビタミンB12が非常に重要であることを示し、ベジタリアン、特にヴィーガンの方にビタミンB12を補給するよう常に推奨しています。8-10メチルコバラミンは、ビタミンB12の最も活性の高い形態です。
長鎖オメガ3脂肪酸:アルファリノレン酸は、クルミ、亜麻仁、大豆から簡単に摂取できるオメガ3脂肪酸です。ただし、総合的な健康を維持し、炎症を軽減するには、長鎖オメガ3脂肪酸として知られるDHAとEPAも必要です。このDHAとEPAは主に脂肪の多い魚などの海産物に含まれていますが、幸いなことに現在では藻類からも、この必須脂肪酸を補うことができます。
ヨウ素: ヨウ素は、新陳代謝を調節する甲状腺の健康をサポートします。ヨウ素は、主に乳製品や海洋周辺で育つものに含まれています。海藻を定期的に食べていない場合は、ヨウ素を摂取する機会を逃してしまっている可能性があるかもしれません。
鉄: 鉄は赤血球が酸素を運ぶのに重要であり、エネルギー生産にも必要です。また、妊娠適齢期の女性は、月経中の失血によって高いリスクにさらされています。若くて健康な女性の35〜58%が鉄欠乏症を発生し、ベジタリアンの女性ではさらにその確率が多くなります。
亜鉛: 免疫機能、代謝、細胞修復に必要な亜鉛は、ナッツや種子を除いて、一般的に植物性食品に多く含まれるものではありません。ベジタリアン、特にヴィーガンの方に多く見られるのが、低度の亜鉛摂取量です。9,10
参考文献: