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ビタミンDと免疫力について研究でわかったこと

著者:スコット・ビュージング、自然療法医

この記事の内容:


健康改善とは、免疫力の強化を意味することが多いようです。免疫反応が弱いと病気にかかりやすい傾向にあるためです。とはいえ、強ければ良いというものではありません。免疫が過剰に反応すると、自らの細胞や組織を異物と勘違いして攻撃してしまい、それが炎症やアレルギー、さらには自己免疫疾患につながる場合もあります。

炎症そのものは正常な免疫反応の一部ですが、過剰になると慢性疾患の原因となることがあります。また、過剰な炎症は老化プロセスの一環であるという研究結果もあります。

幸い、免疫機能を適切なバランスで維持するのに有効であると研究で示唆されている成分がいくつかあります。その例として、炎症反応のバランス調整を助けるオメガ3脂肪、抗酸化物質であるビタミンC、そして、今回取り上げるビタミンDなどが挙げられます。

‌‌ビタミンDとは?

ビタミンDは、その発見以来、カルシウム代謝や骨の健康に欠かせない要素であると認識されてきました。ただし、研究者らがビタミンDの免疫系への効果を明らかにし始めたのは、ようやく1990年代後半になってからのことでした。

太陽のビタミンとも呼ばれるビタミンDですが、これは正しい呼び名とは言えません。ビタミンDは、体内ではプロホルモンなのです。ある程度は食物から摂取できるビタミンDですが、ほとんどのビタミンDは日光と皮膚のコレステロールから生成されます。こうして、プロホルモン化合物であるコレカルシフェロールが生成されます。この化合物はビタミンDのカプセルに使用されているものと同じです。生成されたコレカルシフェロールは、活性型ビタミンDと呼ばれるホルモンに肝臓と腎臓で変換されます。

‌‌‌‌日光、ビタミンD、疾患

1990年代になると、多様な疾患と患者の居住地の緯度との間に大きな相関関係があることがわかってきました。赤道に比較的近く、日光の量が多い地域に住んでいる人は、さまざまな慢性疾患のリスクが低めです。赤道付近に住む人は日照量が多いため、ビタミンDとの相関関係が浮上しました。

さらに、自己免疫疾患についても同様の結果が得られたことからビタミンDへの関心が高まりました。例えば、日照量の少ない北部の気候で多く見られる疾患に多発性硬化症があります。また、ビタミンD濃度が低いと、全身性エリテマトーデス(SLE、別名ループス)や関節リウマチを引き起こしやすいことも示されています。

もちろん、居住地にかかわりなく、夏の間は日光を浴びる量が増える傾向にあります。このような夏と冬の違いは感染症においても指摘されていますが、確かに、日照量およびビタミンDとの相関関係があると思われる感染症がいくつかあります。そのうち、明らかに関連性があるのは季節性インフルエンザですが、意外にも結核やコレラといった感染症も例外ではありません。

このような疾患とビタミンDの間には相関関係があります。これは興味深いデータではありますが、実際ビタミンDにはどの程度の効果があるのでしょうか。そこで、その可能性が示唆されているビタミンDと免疫機能についての最新の研究をまとめてみました。

‌‌‌‌ビタミンDと免疫機能

進行中のビタミンD研究では、当初認識されていた骨の健康に関連する作用以上の効果が明らかになっています。ビタミンDは、カテリシジンと呼ばれる抗菌性化合物の白血球生成に重要な役割を果たします。白血球内に存在するこれらの化合物は、細菌、ウイルス、真菌を直接死滅させて感染症除去を促します。

一方、ビタミンDには直接的な抗炎症作用があるため、過剰な免疫反応を抑えるのに役立つ可能性があります。ビタミンDは、体内で「Toll様(トルよう)受容体」(TLR)を減少させるように作用します。細菌やウイルスなどの構造を見分けるセンサーであるこの受容体は、炎症プロセスにおいて重要な位置を占めます。このTLRを減少させることにより、ビタミンDは多数の炎症細胞のシグナル伝達分子を減少させます。

実際に、この減少は有効と見られます。というのも、抗生物質による結核治療にビタミンDを併用した臨床試験では、対照群(ビタミンD非摂取群)と比較して炎症が急速に減少したことが示されているためです。結核の炎症は死亡率と相関しており、同研究ではビタミンDが転帰(治療結果)を改善する可能性が示唆されています。過剰な炎症反応は組織損傷の原因となりやすく、極端な場合は死に至るケースもあることから、このメカニズムは他の感染症においても重要な意味を持つと考えられるでしょう。

‌‌‌‌ビタミンDと呼吸器感染症

ビタミンDと呼吸器感染症に関する最新のデータより、免疫機能への潜在的な効果を示す最も有力なエビデンスが得られました。ビタミンD濃度と急性上気道感染症(風邪やインフルエンザ)に関するこれまでの研究を評価した最近のメタアナリシスでは、ビタミンD欠乏の患者の方が予後(病気にかかった者について、その病気がたどる経過と結末に関する、医学上の見通し。)が悪いことがわかっています。一方、ビタミンD濃度が高い人は、風邪やインフルエンザのリスクがほぼ半分に減少しました。また、この研究では、最もビタミンD濃度が低い人の死亡リスクが3倍も高いことが報告されています。

同じく最近行われた別のメタアナリシスでは、風邪やインフルエンザの症状を抑えるビタミンD摂取の影響が評価されました。その結果、ビタミンDは、最もビタミンが欠乏している被験者の上気道感染症を70%抑えられると結論づけられました。また、それほど欠乏していない人でも25%抑えられました。さらに、研究者らは、これが質の高いエビデンスだったことを指摘しています。なお、このような効果は、一定量のビタミンDを毎日あるいは毎週摂取した場合に見られるものであり、不定期に高用量を摂取しても効果がなかったことは特筆すべきでしょう。

‌‌‌‌ビタミンDに関する臨床試験とその他の免疫疾患

初期のエビデンスでは、ビタミンDのサプリメント摂取が他の疾患にも有効であることが示唆されています。また、自己免疫疾患にも効果があることが臨床試験で示されています。今後さらなる研究が必要であり、効果は中程度ながら、関節リウマチ、多発性硬化症、全身性エリテマトーデスの試験では、いずれも何らかのメリットが示唆されています。

‌‌‌‌ビタミンDの過剰摂取

ビタミンDのサプリメントを摂取する際に気をつけたいのは、このビタミンが脂溶性であり、組織に蓄積される可能性があることです。そのため、過剰摂取になりかねません。体にビタミンDが必要かどうかを知るには、通常、検査が必要となります。

成人の一般的なビタミンDの摂取量は2000 IU(国際単位)までが安全とされていますが、私の経験では、その量では十分なビタミンD濃度に達しない患者も少なくありません。そこで、ビタミンDのサプリメント摂取をお考えの方は、摂取開始前の血中濃度検査はもちろん、その後の経時的変化を確認する検査も受けるように強くお勧めします。血中濃度は、サプリメント摂取によりゆっくりと上昇していき、安定値になるまでに約4~6ヶ月かかります。研究結果を踏まえて、早く濃度を上げようと高用量で摂取し始めることはお勧めできません。

結論

最新の研究では、ビタミンDが免疫機能に関連する一部の成分のバランス調整に役立つ可能性があることが示唆されています。さらなる研究が必要ではあるものの、データによると免疫疾患の患者は、ビタミンD濃度を検査し、ビタミンD欠乏を適切に治療することが有益であると考えられます。また、ビタミンD欠乏を治療することで、風邪やインフルエンザなどの呼吸器感染症を抑えるのにも役立ちそうです。

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