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6種類のビタミンCと用法

著者:エリック・マドリッド医学博士

この記事の内容:


ビタミンC、別名アスコルビン酸は、過去50年で最も研究対象となったビタミンの一つです。科学文献によると、過去1世紀にわたって、6万5千件を超えるビタミンCの研究が実施されたことがわかっています。

かつて人体にはビタミンCを生成する能力があったものの、(L-グロノラクトンオキシダーゼ遺伝子における)遺伝子変異により、徐々にこの能力が失われていったと考える科学者は少なくありません。基本的に、ほとんどの哺乳類を含むあらゆる動物種にビタミンC生成能力があり、例外はヒト、サル、モルモット、一部のコウモリ、鳥、魚です。つまり、人間は食事でビタミンCを摂らざるを得ないというわけです。

現在、ビタミンCの1日の推奨栄養所要量(RDA)は、男性が90mg、女性が75mgです。なお、喫煙者は、ビタミンC欠乏症リスクが非喫煙者より400%も高くなっています。これは、タバコが引き起こす過剰酸化により、健康なビタミン濃度を維持するためにビタミンCの必要量が増えるためです。脳と副腎にはビタミンCが最も集中しており、血液中の濃度よりも15~50倍高くなっています。抗酸化作用が特徴のビタミンCは、少なくとも8種類以上の重要な生化学反応における酵素「補因子」でもあります。

標準の推奨栄養所要量(RDA)は、重度のビタミンC欠乏症を原因とする壊血病(かいけつびょう)などの疾患予防には十分ながら、他にも考えられる免疫力強化や心血管、脳、皮膚の健康促進などに効果をもたらすには不十分です。ビタミンCの効果を最大限に活かすなら最小摂取量は1日200mg以上であるべきと提唱する専門家もいます。

ビタミンC欠乏症はよくある疾患なのでしょうか?

2004年にアメリカ人を対象に行われた研究では、男性の14%および女性の10%がビタミンC欠乏症でした。さらに、12〜17歳の少年期では最大6%にビタミンC不足が見られました。また、25〜64歳の成人においては、男性の17%にビタミンC欠乏症、女性の12%に低血中濃度が見られました。1999年に英国で行われた研究では、65歳の被験者の33%にビタミンC摂取量が不足していることがわかりました。

American Journal of Clinical Nutrition誌の2009年の研究では、血液検査の結果、6歳以上の被験者の7%以上がビタミンC欠乏症であることがわかっています。これらの研究被験者の半数以上は、ビタミンCが豊富な食物の摂取量が少なすぎるということになります。

それは、私自身の診療現場でも目の当たりにしてきたことです。私は、過去5年間に少なくとも4人の患者を壊血病と診断しています。壊血病は、かつて新鮮な果物を摂る機会が少なかった英国の船乗りに多い疾患でした。私が診断した最初の壊血病患者は40歳の女性で、栄養バランスの悪い食生活を送る喫煙者でした。その患者は、歯茎の出血と皮膚にあざができやすいことが悩みでしたが、歯科健診の結果、歯肉疾患はないことがわかりました。そこで、血液検査を行ったところ、ビタミンC欠乏症とわかり、壊血病と診断するに至った経緯があります。同患者の歯茎の出血とあざの症状は、数週間のビタミンC補給で改善しました。他3人の壊血病患者も、初期症状として歯茎の出血とあざが顕著でした。

体内のビタミンC濃度測定方法

体内のビタミンC濃度測定法は主に2つあります。1つは血清濃度測定です。女性の正常濃度は0.3〜2.7mg/dL、男性は0.2〜2.1mg/dLです。もう1つは、白血球のビタミンC濃度測定です。基準範囲は検査機関によって異なります。

ビタミンC欠乏症のリスク因子

  • 果物や野菜の摂取量が少ないなど、栄養バランスの悪い食事
  • 喫煙(タバコ1本あたり約40〜60mgのビタミンCが酸化)
  • 大気汚染への曝露
  • 重金属(鉛、水銀)への曝露

ビタミンC欠乏症の症状

  • あざ
  • 疲労感・倦怠感
  • うつ症状
  • 歯茎の出血
  • 関節痛
  • 骨痛
  • 筋肉痛
  • 腫れ

ビタミンCの果実供給源

  • アセロラ
  • アボカド
  • グアバ
  • パパイア
  • マンゴー
  • オレンジ
  • パイナップル
  • カンタロープ(メロン)
  • キウイ
  • イチゴ

ビタミンCの野菜供給源

  • ピーマン
  • チンゲンサイ
  • ブロッコリー
  • キャベツ
  • ケール
  • 芽キャベツ
  • ジャガイモ

ビタミンCの効能

  • 鉄吸収を向上して貧血治療を補助
  • コラーゲンと皮膚の健康
  • 心臓の健康
  • 免疫サポート
  • 記憶力の健康
  • 歯周病予防をサポート
  • 上気道感染症・風邪予防をサポート
  • 発作性疾患予防をサポート
  • 敗血症(血液感染症)予防をサポート

後述する効能の他にも、ビタミンCは入院患者(特にICUで集中治療を受ける患者)に効果があるようです。Nutrients誌が発表した2019年のメタアナリシス研究では、2千人超の患者を対象とする18件以上の研究を分析した結果、ビタミンCを補給した入院患者は、補給していない患者よりICUの治療期間が8〜18%短かったと報告されています。

ビタミンCはさまざまな処方で販売されています。

1. アスコルビン酸

アスコルビン酸は、最も広く摂取され、安価でもあるビタミンCの形態です。ただし、酸性成分が微量に含まれるため、胃酸に問題がある場合など、人によっては消化器系に負担がかかる可能性があります。多くの研究で用いられるビタミンC処方であるアスコルビン酸は、合成物質ながら、自然界に存在する処方と同一のものです。とはいえ、実際には投与量の30%しか吸収されないことが研究で示されているため、消化管でさらに吸収されやすい処方が求められてきました。アスコルビン酸は、錠剤、カプセル、粉末などで販売されています。以下に挙げるのはミネラルアスコルビン酸塩です。

  • アスコルビン酸カルシウム – カルシウム(100mg)とアスコルビン酸(900mg)が含まれるこの処方は、骨減少症や骨粗鬆症の予防を兼ねて骨の健康改善を図る方に最適です。2018年の研究では、アスコルビン酸カルシウムの利点の一つとして、アスコルビン酸型よりも胃への刺激が少ないにもかかわらず、抗酸化能力は同等であることが挙げられています
  • アスコルビン酸マグネシウム – この処方には、マグネシウム(50〜100mg)とアスコルビン酸(900mg)が含まれています。アスコルビン酸マグネシウムは、マグネシウムを低下させる薬剤(制酸薬や利尿薬など)を服用中の方をはじめ、慢性頭痛患者や下肢痙攣(こむら返り)が頻発する方に最適な選択肢と言えるでしょう。マグネシウム欠乏症は、心臓の動悸や不整脈のリスクを高める可能性もあるため、リスクの高い患者へのアスコルビン酸マグネシウム投与を考慮に入れると良いでしょう。
  • アスコルビン酸ナトリウム – これは、ナトリウム(最大100mg)とアスコルビン酸(900mg)を含む処方です。なお、この処方は低塩食を実践中の方にはお勧めできません。食事の摂取塩分を控えている人の大半は、1日の総摂取量を2000mg未満に抑える必要がありますが、アスコルビン酸ナトリウムを摂取すると、たとえ少量でも次第に塩分が増える可能性があるためです。

2. アスコルビン酸塩およびビタミンC代謝物(エステルC®

アスコルビン酸塩およびビタミンC代謝物(エステルC®)は、1980年代に発見されたアスコルビン酸カルシウムの特許取得処方です。この処方には、トレオン酸カルシウム、キシロン酸、リキソン酸など少量のビタミンC代謝物とデヒドロアスコルビン酸が含まれています。エステルCの製造元によると、同製品は吸収改善に役立つことから、通常のアスコルビン酸より高い血中ビタミンC濃度が期待できます。

2008年の研究では、アスコルビン酸カルシウム摂取群と通常のアスコルビン酸摂取群の血清および白血球の濃度が評価されました。血清アスコルビン酸濃度は両群で同等でした。一方、ビタミンC白血球濃度は、アスコルビン酸カルシウム摂取群の方が高いという結果が出ました。

3. バイオフラボノイド配合ビタミンC

ビタミンCには、バイオフラボノイドと呼ばれる抗酸化物質が配合されたものもあります。バイオフラボノイド配合ビタミンCの人気の秘密は、高い吸収力が期待できる点でしょう。1988年の研究でその可能性が示されました。バイオフラボノイド配合ビタミンCの吸収率は、通常のアスコルビン酸処方より35%高いことが同研究で示されています。バイオフラボノイド配合ビタミンCは、アスコルビン酸で胃が荒れやすい方にもお勧めの処方です。

4. リポソームビタミンC

リポソームビタミンCは、バイオアベイラビリティ(生物学的利用能)すなわち吸収性が改善された処方と考えられます。ビタミンCの吸収促進に役立てるため、アスコルビン酸分子の消化管通過を円滑にする脂溶性被膜であるリポソームビタミンCが開発されました。リポソームのカプセルに包まれたビタミンCを経口投与することで、アスコルビン酸などの非カプセル化経口処方よりもビタミンC濃度が高まるものの、静脈内投与には及ばないことがデータで示されています。

さらに、2020年の研究で、リポソームビタミンCは、通常のビタミンCより低用量で実験用ラットの血圧を下げたと示されています。

5. パルミチン酸アスコルビル

通常は水溶性のビタミンCが、この処方では脂溶性になります。パルミチン酸アスコルビルは、皮膚への吸収を目的として、局所ビタミンC製剤に配合されることの多い処方です。他にも、座薬に使用されたり、食品保存剤としての用途もあります。なお、ビタミンCエステルの名称で販売されることもあるため、エステルCと混同しないよう注意が必要です。

6. ローズヒップ配合ビタミンC

ローズヒップ配合のビタミンC処方には、一般に、通常のアスコルビン酸が含まれています。ローズヒップはバラの果実で、吸収力の高いビタミンCを豊富に含んでいます。ローズヒップには、リコピンフェノール、フラボノイド、エラグ酸、ビタミンEなどの抗酸化物質も多数含まれています。

ビタミンCは安全なのでしょうか?

ビタミンCは、どの処方にも優れた安全性プロファイルが確立されています。一般的な1日の最大摂取量は2000mgで、忍容性が良好です。1日3000mgを超えない限り、下痢や軟便が発生する可能性は低いものです。ただし、高用量で1日最大3回摂取すると、消化器系の問題が発生する可能性が高くなります。

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