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キッチンパントリー(食品庫)にお酢を常備しておく8つの理由

著者:リー・シェルギェヴィッチ、自然療法医

この記事の内容:


酢の製造工程

の起源は古く、何千年にもわたって世界中で食用や薬用の他、洗浄や防腐にも使用されてきました。酢の原料には、ワインや米を筆頭に、リンゴをはじめとする果実の他、穀物、ココナッツ、ジャガイモ、砂糖などさまざまな物質が挙げられます。酢の発酵は、種酢(たねず)さえあれば家庭で手作りできる自然な過程です。

酢酸菌(さくさんきん、すなわちアセトバクター菌)が、酸素のある場所でエタノールを酢酸に変えることで酢が作られます。酢酸は、酢の酸味の元となる成分です。

どこの家庭にも常備されている酢ですが、今回はそんな酢の新しい活用方法を探ってみましょう。

‌‌‌‌主な酢の種類

最近注目を集めている酢といえばリンゴ酢(アップルサイダービネガー)でしょう。標準的なシードル(リンゴ酒)に二度の発酵が行われて酢酸に変わるとリンゴ酢となります。

他には、ブドウのマスト(果醪、かもろみ)が発酵されてバルサミコ酢に、ビールはモルトビネガーに、赤・白ワインはワインビネガーになります。これらの酢は主として料理に用いられ、サラダドレッシングなど調味料としても使用されます。

ホワイトビネガーは、食用として酢漬けに用いられる他、掃除にも利用されます。食用ホワイトビネガーの酢酸含有率は4~7%で、工業用ホワイトビネガーの酢酸は20%です。日本酒などのライスワインを発酵させて作る米酢も、酢漬けや調味料として使用されるタイプの酢です。

‌‌‌‌酢の用途と効能

自然な健康管理への関心が高まるにつれ、酢を用いた伝統療法が科学研究で検証されるようになりました。

1. 酢は栄養価の高い食品

リンゴ酢には、ビタミンやミネラルの他、有益な植物性化合物であるフラボノイド、ポリフェノール、カロテノイド、プレバイオティクスプロバイオティクス、有機酸が含まれています。

ブドウを原料とする酢には、アントシアニンと呼ばれる有益な植物性化合物の他、少量の微量栄養素が含まれています。

ホワイトビネガーや米酢には微量栄養素が少量含まれています。

2. 酢、血圧、糖分

肥満の日本人175人を対象に行われた二重盲検試験では、被験者がリンゴ酢を1日大さじ1(15ml)または大さじ2(30ml)摂取したところ、トリグリセリド(中性脂肪)とコレステロールの血中濃度が改善され、体脂肪量と血圧がわずかに減少しました。12週間にわたって行われた同研究では、早くも4週間で結果が現われ、大さじ2の高用量群への効果が若干高かったことがわかりました。

一方、糖尿病患者11人を対象とした小規模研究では、参加者が就寝時に酢を摂取したところ、翌朝の空腹時血糖値が4%減少したと報告されています。

別の小規模研究では、インスリン抵抗性のある参加者または2型糖尿病を発症した参加者が、高炭水化物の食事の2分前に酢を摂取したところ、プラセボと比較してインスリン感受性と血糖反応に改善が認められました。

3. 酢と体重維持

は減量の特効薬というわけではありませんが、あるスウェーデンの研究では、ホワイトビネガーには、他の研究でも示されている血糖値への効果だけでなく、満腹感を高めると考えられることから、カロリーを抑えるのに役立つ可能性があることがわかりました。

健康的な食生活および運動習慣と併せることで、酢は健康体重のサポートに役立つと考えられます。上記の研究により、リンゴ酢が血糖値改善を後押しすることがわかっていますが、その「副作用」として体重減少があります。つまり、リンゴ酢には減量を促進する副次的効果が期待できるというわけです。

4. 酢と消化

理論上は、消化器系への酢の効果が少なからずあるものの、いずれも研究で確認されたわけではありません。それでも、軽い症状の腹部膨満感、消化不良、便秘といった軽度の消化器障害の症状改善に酢が一役買う可能性はあると言えるでしょう。また、リンゴ酢に含まれる酵素が食物の分解を助けることで、最適な消化と栄養吸収が図れるかもしれません。

5. 酢と喉の痛み

喉の痛みに対するリンゴ酢の効果を調べた臨床研究はないものの、希釈したリンゴ酢にハチミツを加えてうがいをすると、軽い症状なら、喉の炎症による不快感を和らげるのに役立つと主張する人は少なくありません。

6. 酢と皮膚の健康

従来、酢は軽度の皮膚疾患対策として塗布されてきました。例えば、ニキビをはじめ、イボや爪真菌症の他、頭皮や皮膚の真菌症など、軽度の皮膚感染症のスポット治療として推奨されてきました。ただし、この効果を裏付ける科学的根拠はごくわずかです。

‌‌‌‌7. 酢でクレンズ(洗浄)またはデトックス(解毒)

デトックス計画の一環としてリンゴ酢の使用が注目されていますが、この用途の有効性に関する直接的なエビデンスはありません。

リンゴ酢は健康全般を改善する可能性があることから、効率的なデトックスにつながるというメリットも理論上は考えられます。リンゴ酢は従来、肝臓、胆嚢、リンパ系の洗浄に使用されてきました。

‌‌‌‌8. 家庭用消毒剤としての酢

実験室条件下では、ホワイトビネガーの酢酸6%溶液が、30分後にヒト型結核菌(結核の原因物質)をはじめとするマイコバクテリウム(結核菌)を死滅させることが示されています。

リンゴ酢は、酸度5%でカンジダ・アルビカンスの真菌増殖を、酸度2.5%で黄色ブドウ球菌の微生物増殖を、酸度0.1%で大腸菌の微生物増殖を抑制します。

さらに、実験室内では、感染症に対抗する免疫細胞の能力をリンゴ酢が高めることが明らかになっています。

多くの家庭用洗浄剤には有害な成分が含まれています。そこで代わりに、台所や浴室の洗浄にのような安全かつ自然な物質を使用すれば、健康的で快適・安全な生活環境が簡単に手に入ります。

‌‌‌‌良質な酢の選び方

万能で、しかも美味しい酢がありすぎて選ぶのに迷ってしまうかもしれません。

低温殺菌されていない非加熱、無濾過のリンゴ酢なら、瓶の底に酢母(さくぼ)という澱(おり)のような塊が溜まっているはずで、瓶を軽く振れば全体に行き渡ります。有益な成分が集中する酢母入りの酢を是非探してみてください。

また、酢の成分表示ラベルに砂糖と記載されていないか確認しましょう。砂糖が添加されていれば、加工度が高い証拠です。砂糖で酢を作ることができるとはいえ、健康的な最終製品に含まれる糖分は酢酸菌によって発酵されたものでなければなりません。

‌‌‌‌酢の取り入れ方

健康習慣に酢を取り入れるなら、一番簡単な方法は、普段飲む水に酢を加えて風味を添えることです。美味しい上に低カロリーの水分補給法はいかがでしょう。そこで、生活習慣に酢を取り入れる第一歩として最適なドリンクのレシピを2点ご紹介しましょう。

レモンジンジャーアップルサイダービネガー・ウェルネスショットレシピ

材料:

カイエンビネガー・ウェルネスショットレシピ

材料:

作り方:

すべての材料をよく混ぜます。一日中いつでもお飲みいただけます。

酢は、酸味が強すぎて苦手という人もいます。そんな方は、料理に酢を使うと良いかもしれません。例えば、自家製サラダドレッシング、コールスロー、ポテトサラダ、ケチャップ、マヨネーズ、カッテージチーズ、ピクルスなどに酢を加えると美味しく仕上がります。

酢の味は苦手でも、健康のために取り入れたいという方には、錠剤やグミ状のリンゴ酢サプリメントが販売されています。

‌‌‌‌酢がパントリーの必需品である理由とは?

酢のメリットは健康効果だけではありません。酢を常備しておきたい理由は他にも多数あります。リンゴ酢は、シャンプー後のコンディショナーとして髪に、また化粧水として顔にも使用することができます(必ず、適度な量の水で薄めて使用してください)。

標準のホワイトビネガーは、殺菌作用だけでなく消臭効果もあるため、1本あると台所や浴室の掃除に重宝します。酢は、除草や害虫駆除にも有効であると言われています(ただし、この用途には高酸度の工業用製品が必要かもしれません)。

‌‌‌‌安全上の注意事項はありますか?

市販されている酢のほとんどは適切に希釈されています(一部、販売が許可された製品の希釈を規制する国もあります)。それでも、口の中や食道が荒れないように、必ず水などで薄めてから摂取することが大切です。中には、薄めずにそのままキャップ1杯飲むことを奨励する人もいますが、これは味が濃すぎて飲みにくいだけでなく、胃などを傷つけるおそれがあるためお勧めできません。希釈の目安は、酢大さじ1に対して水コップ1杯です。

また、酸性は歯のエナメル質に悪影響を及ぼす可能性があるため、酢を飲む際はストローを使用するか、飲んだ後は口をすすぎましょう。なお、工業用に販売されている業務用洗浄剤としての酢は、食酢よりもはるかに酸度が高く、食用には向きませんのでご注意ください。

は、どの種類にもさまざまな効能が期待できますが、特にリンゴ酢は優れた健康効果と幅広い用途が特徴です。いつもの健康的な栄養摂取や生活習慣に加えて、酢を積極的に取り入れることで、料理の腕が上がり、掃除が格段にはかどるかもしれません。これは、決してその場しのぎの解決法などではなく、毎日の生活に加えたい新習慣であることをお忘れなく。

なお、何らかの薬剤を服用中の方が健康のためにリンゴ酢などの酢を取り入れる場合、投薬計画に調整が必要となるケースもあるため、必ずかかりつけ医にご相談ください。

参考文献:

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