古くから、体内を洗浄する手段として、一定期間中は水以外の飲食物を摂らない断食が世界各地で行われてきました。最近では、インターミッテント・ファスティングが健康や減量の手段として注目されています。

インターミッテント・ファスティングとは、一定期間中に自発的な断食と摂食を交互に繰り返す多様な食事のタイミングを指します。面白いことに、断食はラマダン(イスラム教)をはじめ、ヴラタ(ヒンドゥー教)、ヨム・キプール(ユダヤ教)、ファスト・サンデー(末日聖徒イエス・キリスト教会)など、多くの宗教で行われています。

インターミッテント・ファスティングとは

インターミッテント・ファスティングには次の3つの方法があります。

  • 1日おきの断食
  • 周期的な断食(毎週日曜日または週2日の断食など)
  • 時間制限のある摂食

このうち、時間制限のある摂食は、広く採用されている16:8方式(16:8ダイエットとも呼ばれる方法)によって最も実践者が多い方法です。この16:8方式では、1日16時間の断食を行い、8時間の間に食事をします。これは、例えば、朝食を抜き、正午頃に最初の食事を摂り、早めの夕食を摂った後は何も食べないという方法で実行できる方式です。

健康に良いインターミッテント・ファスティングができるかどうかは、摂食の時間帯に何を食べるかにかかってきます。言うまでもなく、カロリー過多など不健康な食事を一気に摂っても効果はありません。断食期間中の摂食時に健康的な食事を心がけることで、代謝を高め、減量を促進する上でインターミッテント・ファスティングに大きな効果が期待できます。

ただ、人によっては16:8方式は難易度が高い場合もあるため、一部修正した方法をお勧めしたいと思います。また、私としては、16時間の断食中に水はもちろん、お茶などのノンカロリーまたは低カロリーの飲料を飲んでも問題はないと考えているからです。16時間の非摂食時間帯にこれらの飲料を取り入れることで、空腹感を抑える他、健康を増進する飲料の摂取や十分な水分補給に役立ちます。

‌‌‌‌インターミッテント・ファスティングのメリット

断食による減量効果は対照臨床試験で実証されています。1ちなみに、インターミッテント・ファスティングで最も良い結果が見られるのは、持久力トレーニング(ウエイトリフティングなどの筋力トレーニング)を行っている人です。このようなアスリートは、少なくとも筋肉量を維持しながら減量中に体脂肪量を減らすことにより、体組成を改善することが示されています。2また、インターミッテント・ファスティングで血糖値の管理やコレステロール値の改善も図れますが、これは選択する食品の質に大きく左右されます。3


イスラム教徒は、ラマダン期間中の毎日、夜明けから日没まで断食を行います。食事の時間帯が日の出前と日没後に限られるラマダンはインターミッテント・ファスティングの一種です。毎日の食事・献立計画は非常に重要ですが、それさえうまく行けば、ラマダン型のインターミッテント・ファスティングは非常に健康的な断食法となり得ます。具体的には、詳細な科学研究のレビューで、ラマダン型のインターミッテント・ファスティングは精神機能と免疫機能の向上に有効であると結論づけられています。4また、体重とそれに比例する体脂肪の減少にも役立つことが示されています。ただし、筋肉量を維持して全体的な体組成を改善する場合は、他のインターミッテント・ファスティング方法(16:8方式など)の方が効果があるようです。5

この種のインターミッテント・ファスティングに伴うリスクは、一日中断食した後の暴飲暴食です。これを防ぐには、食前にPGXを5g摂取することをお勧めします。PGXは非常にユニークな食物繊維で、満腹感を促し食事を適量にコントロールするのに役立つことが臨床的に証明されています。

‌‌断食はデトックスを促進するのでしょうか?

促進します。断食は、老廃物の排出を活発にしてデトックスを促し、体の治癒プロセスを高める最も迅速な方法の一つです。断食療法はおそらく知られているものの中で最古の療法の一つですが、これまで科学界ではほとんど無視されてきました。

ただし、農薬や重金属(鉛、水銀、ヒ素など)などの、脂溶性の毒素が脂肪細胞に溜まっている人が断食をする場合は注意が必要です。このような種類の毒素は、断食中に集結して血中濃度が上昇することがわかっているためです。そのような状態になると、脳や神経系への毒性が高まる可能性があります。また、水だけの厳格な断食を行うと、解毒システムを維持するために必要な栄養素が不足してしまうことが懸念されます。肝臓は、解毒作用のある物質を生成するために、タンパク質、ビタミン、ミネラルの安定供給を必要とします。そのため、私は厳しい水断食よりもジュース・ファスト(ジュース断食)やデトックス食事法を推奨しています。なお、水断食、ジュース・ファスト、デトックス食事法に限らず、実践する際は、肝臓と解毒反応をサポートする上で欠かせないガイドラインとサプリメント摂取に関する推奨事項に従うことが大切です。

‌‌‌‌10日間のデトックス食事法とは

断食ではなく、(できれば実施期間中半ばに3日間のジュース・ファストを組み入れた)10日間のデトックス食事法を取り入れてみてはいかがでしょうか。実際、毒性化合物を適切に解毒・除去できるこの方法が一番だと私は思います。この食事は低カロリーでなければなりません。脂肪細胞が分解され、溜まった毒素が放出されるのが目標ですが、解毒システムに負担をかけないようにしたいものです。

ジュース・ファストとは

厳密には、断食中は水以外を口にしません。新鮮な果物や野菜のジュースを飲む場合は断食ではなく除去食と呼ばれますが、ここではわかりやすく「ジュース・ファスト」と呼ぶことにしましょう。健康な人のほとんどは、デトックスのサポートとして厳しい水断食を実践する必要はないと私は考えています。むしろ、3〜5日間しぼりたての果物や野菜のジュース・ファストを行う方がはるかに効果的と言えます。また、果物や野菜ジュースの代わりに、スピルリナ、ウィートグラス(小麦若葉)、大麦若葉などの乾燥粉末で青汁を作って飲むのも良いでしょう。

3~5日間は、新鮮な果物や野菜のジュース(なるべく有機栽培された作物を使用)、または粉末製品を水で溶いたドリンクミックスだけを飲むようにします。摂取量は1日240〜360mlのコップ4杯が目安です。

しぼりたての果汁であればほぼ何でもデトックス効果がありますが、断食中に特にお勧めしたいのはレモン、ビーツ、ニンジン、ケール、セロリ、サツマイモなどを使ったジュースです。好みに応じてリンゴで甘みを加えたり、ショウガやターメリック(ウコン)でスパイスを効かせるのも良いでしょう。ジュースだけでなく、純粋な真水も摂取する必要があります。水の摂取量は喉の渇きにもよりますが、断食中は少なくとも1日240mlのコップ4杯の水を飲むようにしましょう。

デトックス食事法で摂りたい食品と避けたい食品:

摂りたい食品避けたい食品

野菜、特に葉物野菜

精製加工食品

マメ科植物(インゲン豆やレンズ豆

糖分の多い食品や飲料

ベリー類などの果物丸ごと

アルコール飲料やダイエット炭酸飲料

グルテンフリーの穀物

小麦とグルテン

低水銀の魚(野生のサケ、ニジマスの他、イワシやニシンなどの小型海水魚)

メカジキ、マカジキ、オレンジラフィー、サメ、大型のマグロなど、水銀濃度が高い魚。

有機グラスフェッド(牧草飼育の家畜由来の)肉や乳製品(食べなくても可)

穀物飼育の非有機乳製品

ナッツ・種子類

ポテトチップス、コーンチップス

オリーブオイルアボカドオイルココナッツオイルフラックスシード(亜麻仁種)オイルなど体に良い食用油

コーン油、サフラワー油(紅花油)、大豆油、マーガリン、ショートニングなど体に悪い食用油

10日間のデトックス食事法をサポートするコツ:

  • 溜まった毒素を安全に排出するには、1日の摂取カロリーを約1,200キロカロリーに抑えます。
  • 以下の食品を日常的に摂るように心がけましょう。これらの食品には、解毒プロセスの各段階に関わる多数の酵素の生成と活性化に必要な栄養素が含まれています。
    • ビーツ、セロリ、ニンジン
    • キャベツ、ブロッコリー、ケール、芽キャベツなどアブラナ科の野菜
    • 葉野菜のグリーンサラダをはじめ、ウィートグラスや乾燥大麦若葉の青汁、クロレラスピルリナなど緑色野菜を原料とする食品
  • 解毒をサポートする栄養補助食品については、以下のガイドラインに従ってください。

‌‌‌‌断食やデトックス食事法を実践する上で重要なガイドラインとは

何よりも重要なのは、解毒反応をサポートすることです。この目的は、水断食よりもジュース・ファストや10日間のデトックス食事法を行うことで部分的には達成できます。ただし、断食中、脂肪細胞に溜まった毒素が体内に放出される際に、必要に応じて栄養面においてさらにサポートすることも欠かせないと私は考えています。特に重要な一般ガイドラインは以下の通りです。

  • コーヒー、清涼飲料水、スポーツドリンクなど、加工飲料は摂らないようにします。ハーブティーは断食のサポートにふさわしいもので、ステビアやアルロース(別名プシコース)以外の甘味料を使用したものは控えましょう。
  • 澄んだ水をたっぷり飲みましょう。
  • 断食中の運動はあまりお勧めできません。断食中は体のエネルギーを節約し、最大限の治癒力を発揮させることが大切です。短時間のウォーキングや軽いストレッチなどは有効ですが、激しい運動は体に負担をかけ、修復や排泄機能を妨げてしまいます。
  • 肌を洗う際は、極端な温度差が疲労の原因になりやすいため、ぬるま湯を使うことをお勧めします。デオドラント剤、石けん、スプレー、洗剤、合成シャンプーなどの化学物質の使用を控えましょう。これらの製品は排泄の妨げになるばかりか、体の解毒・排泄の負担をかえって増やすことになります。
  • 休息は、断食の最も重要な要素の一つです。お勧めしたいのは1日1~2回の昼寝です。夜は活動量が少ないため、比較的短めの睡眠時間で済みます。
  • 通常、断食中は体温をはじめ、血圧、脈拍、呼吸数などが下がりやすく、体の代謝率が低下します。そのため、体を温めることが、とても重要となります。

‌‌‌‌断食やデトックス食事法実践中の健康維持に最適なサプリメント

特に断食やデトックス食事法の実践中は、肝臓が重要な解毒の役割を果たせるようにサポートを強化することが大切です。適切なサポートがなければ解毒がうまく行かず、深刻な健康問題を引き起こすリスクが高まります。

基礎となるサプリメント

1. 高力価マルチビタミン・ミネラル処方

2.ビタミンD3:1日2,000〜4,000 IU

3.フィッシュオイル。EPA(エイコサペンタエン酸)+DHA(ドコサヘキサエン酸)+DPA(ドコサペンタエン酸)を供給: 1日1,000〜2,000mg


4.ブドウ種子またはパインバーク(松樹皮)エキス:1日150〜300mg

その他の推奨サプリメント

1. ビタミンC:1日500〜1,000mg

2. 水溶性食物繊維(PGX®、リンゴペクチン、グアーガムなど):1日3〜5g

3.N-アセチルシステイン(NAC): 1日500〜1,000mg

4. 脂質親和性物質:以下のいずれかを選びましょう。

コリン:1日1,000mg

S-アデノシルメチオニン(SAMe):1日200〜400mg

5. α-リポ酸:1日200〜600mg

6.マリアアザミ(ミルクシスル)以下のいずれかを選びましょう。

Siliphos® : 1日240〜360mg

マリアアザミ(学名 Silybum marianum)エキス(有効成分シリマリン80%含有で標準化):100~200mgを1日3回

このような、上記の成分を多く含み、解毒サポートに特化したものが多数の大手メーカーからも販売されています。

参考文献:

  1. Fanti M, Mishra A, Longo VD, Brandhorst S. Time-Restricted Eating, Intermittent Fasting, and Fasting-Mimicking Diets in Weight Loss. Curr Obes Rep. 2021 Jan 29. 
  2. Sandoval C, Santibañez S, Villagrán F. Effectiveness of intermittent fasting to potentiate weight loss or muscle gains in humans younger than 60 years old: a systematic review. Int J Food Sci Nutr. 2021 Jan 4:1-12
  3. Borgundvaag E, Mak J, Kramer CK. Metabolic impact of intermittent fasting in patients with type 2 diabetes mellitus: a systematic review and meta-analysis of interventional studies. J Clin Endocrinol Metab. 2020 Dec 15:dgaa926.
  4. Cherif A, Roelands B, Meeusen R, Chamari K. Effects of Intermittent Fasting, Caloric Restriction, and Ramadan Intermittent Fasting on Cognitive Performance at Rest and During Exercise in Adults. Sports Med. 2016 Jan;46(1):35-47. doi: 10.1007/s40279-015-0408-6. PMID: 26438184.
  5. Correia JM, Santos I, Pezarat-Correia P, Silva AM, Mendonca GV. Effects of Ramadan and Non-ramadan Intermittent Fasting on Body Composition: A Systematic Review and Meta-Analysis. Front Nutr. 2021 Jan 26;7:625240.