テクノロジー主導の現代では、ほぼ一日中パソコンやスマートフォンなど電子機器の画面を見ている方が多いのではないでしょうか。朝はアラームの音と共に携帯電話の画面の光で目覚める方や、1日の大半をパソコンの前で過ごす方も少なくないと思います。その上、休憩時間はテレビなどの他の画面に目を向けることもあるでしょう。

画面を見る時間が長引くと、頭痛をはじめ、かすみ目や目の炎症といった症状が現れます。このような状態は「画面疲れ」と呼ばれていますが、他にも「デジタル眼精疲労」や「コンピュータ視覚(コンピュータビジョン)症候群」などの名称があります。

‌‌‌‌画面疲れの兆候と症状

  • ドライアイまたは涙目
  • 視界がぼやけたり、物が二重に見える
  • 目の痛み・かゆみ、目の奥が熱いといった目の炎症
  • 頭痛
  • 首、背中、肩のコリ
  • 眩しさが増すなど、光に対して過敏になる
  • 集中できない
  • 目を開けるのがつらい

画面疲れは、職場はもちろん家庭でも、 電子機器を使用する人によく見られる症状です。しかも、このパンデミック発生後はビデオ通話の使用が急増したことで、画面疲れがますます深刻化しています。

‌‌‌‌画面疲れを予防する方法

1. 「20-20-20」方式を採用

アメリカ検眼協会(AOA)と米国眼科学会(AAO)が推奨する簡単な方法を取り入れてみましょう。これは、一つの画面を20分見るたびに20秒の休憩を取り、20フィート(約6メートル)離れた場所にあるものを見るという方法です。20分おきに画面から離れて休憩をとるのを忘れないように、タイマーをセットしておくと良いでしょう。

2. 画面の眩しさ(グレア)と輝度を下げる

明るすぎたり眩しすぎる画面は目を酷使しがちです。パソコンの設定を調整したり、グレア防止フィルターを画面につけるなどして、眩しさを抑えるように工夫しましょう。

上からと背後からの光源を確認します。最も大きな問題になりやすいのが日光や蛍光灯の光です。そのため、パソコンのモニターを窓の前に置かないようにして、必要であればブラインド、カーテン、シェードなどを閉めましょう。

作業中に明かりが必要な場合は、調光機能付きのデスクライトを使えば、必要に応じて光の向きや強度を調整できます。

3. 目に優しい画面設定を選択

パソコン画面のコントラストと明るさを確認し、読みやすい文字の大きさも設定します。

4. モニターの位置を工夫

モニターは、顔から60〜65cm(腕の長さ程度)離して置きます。モニターの上部が目の高さかその真下に位置し、画面を見る視線が若干下向き加減になるのが理想的です。また、高さ調節ができる椅子があると便利です。

5. 目が乾かないように注意

パソコン作業中は、画面を使用しない活動と比べてまばたきの回数が少ない傾向にあり、これがドライアイの原因となります。まばたきをすると涙が出て目がリフレッシュされます。このことから、画面を長時間見ている時は、なるべく意識して頻繁にまばたきすることが大切です。点眼剤も目を潤し、ドライアイを防ぐのに便利ですが、体の水分補給も重要です。デスクに繰り返し使えるウォーターボトルを常備し、こまめに水分を摂るように心がけましょう。

6. 夜、画面を見る際はブルーライトをカットするメガネを着用

ブルーライトは可視光線の一部、つまり人が肉眼で見ることのできる光です。太陽からも放出されているブルーライトは、発光ダイオード(LED)技術にも多く含まれています。LEDディスプレイは、テレビ、タブレット、パソコン、スマートフォンなどに使われています。

夜間にLED画面を見ていると、体が自然に行うメラトニンの生成をブルーライトが妨げる可能性があります。メラトニンは体をリラックスさせて入眠を促します。(注:日本国内のお客様へ:メラトニンを含む製品につきまして、iHerbでは2ヶ月分まで購入が可能です)そのため、夜ブルーライトにさらされると睡眠障害が起こりやすくなります。睡眠不足による日中の疲れは、眼精疲労の症状をさらに悪化させてしまいます。

このような場合はブルーライトをカットするメガネが役立つでしょう。このタイプのメガネは、睡眠の質と持続時間を向上させる可能性があることが研究で示されています。

7. ルテイン、ゼアキサンチン、ビルベリーなどのサプリメントを摂取

ルテインとゼアキサンチンはヒトの目の水晶体と網膜に蓄積される抗酸化栄養素であり、健康な視力の維持に欠かせません。ルテインとゼアキサンチンの食物源としては、主にトウモロコシ、ケール、ホウレンソウなどの緑黄色野菜や果物が挙げられます。

ルテインとゼアキサンチンのサプリメントを摂取することで、睡眠の質と視機能の向上の他、長時間の画面使用による悪影響の緩和が期待できるという研究結果が出ています。摂取量については、米国国立衛生研究所(NIH)の加齢性眼疾患研究2(AREDS2)によると1日あたりルテイン10mg、ゼアキサンチン2mgが目安です。

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ビルベリーは、ブルーベリーを小粒にしたような北ヨーロッパ原産の果実です。研究によると、ビルベリーエキスはパソコンの画面を見つめて作業する人の目の筋肉疲労を和らげます。なお、ビルベリーは一部の薬剤と相互作用する可能性があります。例えば、抗凝固薬(抗凝血薬)を服用中の方は出血が増えるおそれがあるため、ビルベリーのサプリメントを摂取する際は、事前にかかりつけ医に相談しましょう。

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8. ビデオ会議疲れを管理

この「ビデオ会議疲れ(Video conference fatigue )」というのは健康の専門家らが名付けた用語で、通信手段としてバーチャルプラットフォームを使いすぎることで生じる不安、燃え尽き感、疲労を表します。画面疲れとは別物ですが、ビデオ会議疲れの予防に役立つのは、目を使う仕事を減らすか、眼精疲労を悪化させる全身の疲労を改善することです。

‌‌‌‌バーチャル会議疲れの防止に役立つヒント

ギャラリービューからスピーカービューに切り替える

ビデオ会議では、対面式の会議よりも参加者同士が直接視線を合わせる機会が格段に増えるものです。対面会議では、他の出席者と同じ空間にいても視線の方向はその都度変化します。基本的には出席者全員が発言者の方を見ており、時には下を向いてメモを取ることもあるでしょう。また、窓の外を眺めたり、同席者をざっと見渡すこともあるのではないでしょうか。

一方、ビデオ会議では画面に映し出された複数の顔を正面から見ることになり、発言者以外も皆から注目されているような気分になります。人前で話すことが苦手な方にとって、こうして多くの人の視線を浴びることは、発言していない時でもかなりのストレスになるでしょう。

ビデオ会議の画面サイズをモニターに合わせて縮小

フルスクリーンモードを解除すれば、パソコン画面に映る顔のサイズを小さく表示できます。対象物の大きさによって脳がの捉え方が変わってくるため、画面に表示される顔のサイズは重要です。

画面上に顔が大きく映し出されていると、まるで自分の顔のすぐそばにいる人と対面会話をしているような感覚に陥ります。この種の親密感は体に過剰なストレスや刺激を与えかねないため、ビデオ会議の間中それを自己管理する必要があります。

もう一つ考えられる対処法は、コンピュータのモニターから離れた場所に座ることです。これは、自分と他のビデオ会議参加者の間にあるとみなされるパーソナルスペースを広げることが目的です。

画面に表示される画像や情報の数を減らす

通常の対面会話において、脳は相手が発する言葉以外の合図をキャッチして解釈します。これにより、相手とのやり取りの全体的な印象を把握しやすくなります。

ところが、複数の顔を同時に処理するのは、脳にとってそう簡単なことではありません。一般に、ビデオ会議では、複数のマスに映し出された異なる顔や身振り手振り、表情、背景などを脳が見分けて判断することになります。こうして、脳が長時間にわたって画面上の多様な要素に気を取られていると、非常に疲れやすくなります。

精神的な疲労を防ぐには、参加者に無地の背景や決まったバーチャル背景(穏やかな海の景色など)を使用するように依頼してみてはいかがでしょうか。また、発言しない人はカメラをオフにすることをグループ内で決めても良いでしょう。

自分の映像(セルフビュー)を非表示にする

長時間、自分の顔を見ながらの会議は気が散る上に、心身ともにストレスが溜まりがちです。人は、自分自身の姿を目にすると自己評価モードになり、批判的になりやすいという研究結果があります。自分の映像を非表示にするには、「セルフビューを非表示」オプションをを選択するか、カメラをオフにするだけでOKです。

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参考文献:

  1. Ostrin, L. A., Abbott, K. S., & Queener, H. M. (2017). Attenuation of short wavelengths alters sleep and the ipRGC pupil response. Ophthalmic & physiological optics : the journal of the British College of Ophthalmic Opticians (Optometrists), 37(4), 440–450.
  2. Stringham, J. M., Stringham, N. T., & O'Brien, K. J. (2017). Macular Carotenoid Supplementation Improves Visual Performance, Sleep Quality, and Adverse Physical Symptoms in Those with High Screen Time Exposure. Foods (Basel, Switzerland), 6(7), 47.
  3. Kosehira, M., Machida, N., & Kitaichi, N. (2020). A 12-Week-Long Intake of Bilberry Extract (Vaccinium myrtillus L.) Improved Objective Findings of Ciliary Muscle Contraction of the Eye: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Parallel-Group Comparison Trial. Nutrients, 12(3), 600.
  4. Wolf CR. Virtual platforms are helpful tools but can add to our stress. Psychology Today. May 14, 2020. Accessed October 19, 2020.
  5. Gonzales, A., & Hancock, J. (2011). Mirror, mirror on my facebook wall: Effects of exposure to facebook on self-esteem. Cyberpsychology, Behavior, and Social Networking, 14, 79–83.