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ストレスを緩和し、免疫の抑制を回避するための6つの方法

著者:ヴィーナス・ラモス、医学博士

この記事の内容:


免疫系とストレスの関係は、長らく認識されてきたものです。たとえ自分はストレスを感じないと言う人も、周囲を見渡せば、仕事や家庭の事情など、人生の大きな節目を迎えてストレスが募った挙げ句に、風邪やインフルエンザにかかった経験がある人もいるかと思います。

実際、この関連性は、免疫系、ホルモン系、中枢神経系(略してCNS)など、体内のさまざまなプロセス間の複雑な相互作用なのです。ストレスの多い状況下で心理的負担が重なると、システムの複雑なネットワーク機能が失われる場合があります。

免疫系の仕組み

ストレスの多い出来事に対する免疫系の初期反応は、体を保護し、健康を維持するように機能します。脳(CNSの一部)は、ストレスを危険と認識するため、ホルモン系を介して信号を送り、最も傷つきやすそうな部位に免疫細胞を移動させます。

負傷の場合、免疫細胞は皮膚に移動するわけです。また、感染防止の必要がある場合に備える際、免疫細胞は肺をはじめ、泌尿器管、生殖器管、消化管にも移動します。このような免疫細胞の活動は、ストレスが短期的に免疫系を刺激する方法の一例です。これは、(1分から数時間続く)急性ストレスが発生しても耐え切れるように、人間にとって適応した、適切な生物学的反応でもあります。

ただし、この急性期反応にはマイナス面があり、注意が必要です。花粉症やアテローム性動脈硬化症(動脈の硬化と狭窄)などの炎症性疾患や、乾癬や関節リウマチなどの自己免疫疾患の患者は、免疫活動が高まると悪影響を受けてしまうおそれがあります。

慢性ストレスが免疫系に及ぼす影響

ストレスが慢性化すると、十分に緩和されないまま数週間から数カ月もの間ストレスの多い状況に陥ることになり、免疫系が抑制されてしまうことがあります。この影響の解釈の一つとして、慢性ストレッサーがコルチゾール(ストレスホルモン)を生成する経路の活性化の持続、あるいは反復させることが挙げられます。あまりに多量のコルチゾールが分泌されるため、ホルモンを認識するはずの細胞が活動を停止してしまい、耐性を持つようになります。

慢性ストレス下にある個人に関する研究では、風邪を引きやすく、創傷治癒が遅く、ワクチン接種に対する免疫反応が弱いことが示されています。

6つのストレス緩和法

健康を維持してくれる保護者とも言える免疫系を効果的に機能させるには、生活上のストレス要因が体にもたらす悪影響を和らげることが不可欠です。日常のストレス軽減に役立つ方法がいくつかあります。

1. 休憩する

時には、緊張の原因となっている活動から距離を置くだけで済む場合もあります。ストレス要因から離れることができれば、深刻化せずに乗り切ったり、さらには、新たな気持ちで前向きかつ生産的な視点を得て、ストレスが多くとも必要不可欠な努力に取り組めるようになるかもしれません。

2. 睡眠を十分とる

2009年の研究では、睡眠時間が毎晩7時間未満だった人は、風邪の発症率が3倍高いことが示されています。睡眠は、ワクチンに対する免疫反応を改善する上に、T細胞の標的認識を促進する可能性があることも研究でわかっています。T細胞は、いわば対感染戦の「免疫軍」兵士と言えます。

3. 笑う

実は、免疫の健康を後押しする楽しい方法は、笑うことです。笑うことで、ストレスのある精神状態が緩和されるだけでなく、身体的変化となって現れることもあります。

笑うと、コルチゾールとアドレナリン(ストレスホルモン)濃度が下がることが示されています。また、免疫細胞と抗体活性化が高まることも考えられます。心から笑うことで、まず心拍数や血圧などのストレス反応が刺激されてストレス要因が減り、気持ちが落ち着きやすくなります。さらに、笑うと、脳がいわゆる「幸せホルモン」エンドルフィンを放出するよう誘導されます。

4.運動する

日常的な運動習慣は、体はもちろん、心にも大きな利益をもたらします。運動がストレスホルモン値を下げ、エンドルフィンの分泌を知らせます。体調が悪い時以外、ストレス緩和のためにも、ほぼ毎日運動することをおすすめします。ほとんどあらゆる種類の運動で、何らかの効果が得られます。

目標としては、適度な運動(ウォーキングなど)を1日30〜40分行うのがおすすめです。1回のセッションで一気に30分続けて運動できなくても、10〜15分に分けて行えば大丈夫です。また、さらに激しい運動を1日15〜20分行っても構いません。

5. 瞑想する

精神的ストレスはさまざまな形で体に現れるものです。ストレスによって心拍数や血圧が上がることもあれば、呼吸が速くなることもあります。瞑想で心を鍛えると、体がリラックスしやすくなります。

ヨガの達人に関する研究では、瞑想により心拍数、血圧、呼吸速度が下がり、体の酸素消費量が減り、さらには皮膚温度さえも変わり得ることが示されています。瞑想すると、コルチゾールとアドレナリン濃度が下がり、炎症を抑えられると考えられます。週に3〜4回、1回10〜15分の瞑想から始めます。

6. 呼吸運動を行う

呼吸に集中することで、心身を落ち着かせることができます。簡単にできる呼吸法をいくつかご紹介しましょう

  • マインドフル呼吸法:自分の呼吸を意識して、呼吸に集中するだけです。無理に呼吸の仕方を変えなくても大丈夫。自分の呼吸に集中すると、呼吸パターンが遅くなるのが普通で、次第に気持ちが落ち着いていきます。自分の鼻と口を通って肺に出入りする空気の動きに集中すると、心安らぐ瞑想のような効果が得られます。
  • 腹式呼吸:これは、自己診断が備わった呼吸法です。ベッドかリクライニングチェアに横になり、片方の手のひらをお腹の上に乗せ、もう片方の手を胸に置きます。呼吸しながら、お腹の動きに集中して、空気を吸ったり吐いたりする動きを感じます。上下に動くのは腹部だけで、胸に置いた手は静止したままであることがポイントです。息を吐くと、腹筋が収縮し、肺から空気が排出されます。
  • 4-7-8呼吸法:統合医療の特別研究員を経て、現在米国産婦人科医会会員の産婦人科医であるアン・ケナード医師は、「誰もが素早くストレス軽減に使用できるであろう」方法として4-7-8呼吸法を推奨しています。ケナード医師は、プラナヤマ(ヨガの呼吸法)を元に呼吸法を開発した師、アンドリュー・ワイル博士からこの技法を学びました。

「ストレス反応を減らすなら、息を吸う時より時間をかけてゆっくり息を吐くことが大切です。」とケナード医師は言います。4-7-8呼吸法を行うには、まず息を吸いながら、声に出さずに4つ数えます。次に、息を止めて7つ数えます。最後に、息を吐きながら8つ数えます。

ケナード医師によると、「この呼吸法を行うと、たちまち自分の生理的変化に気づくはずです。わずか4回程度行うだけでわかってくると思います。」

朝でも、夜寝る前でも、あるいはストレスで押しつぶされそうになった時にもお勧めしたい優れた呼吸法です。気分が良くなり、免疫細胞が活発になる上、よく眠れるようになります。」

ストレス緩和に最適な食品とサプリメント

ビタミンC

ビタミンCは、ストレスの悪影響防止に役立つと考えられます。ドイツの研究では、スピーチを行ったり、難しい数学の問題を解くなどの課題を与えられた後、ビタミンCを摂取した人は、非摂取群と比べて、血圧とコルチゾール値が低いことがわかりました。

ケルセチン

ケルセチンは、ストレスを受けると、コルチゾールの生成阻害に役立つ可能性のある抗炎症化合物です。ケルセチンは、リンゴ、ピーマン、緑茶、赤タマネギなどの食物に含まれますが、サプリメントとして摂取しても良いでしょう。

セレン

セレンは、ストレスを受けると感じやすい不安の緩和に期待できるミネラルです。サプリメントとして販売されているセレンは、魚介類(特に魚)、内臓肉(肝臓や腎臓など)、ブラジルナッツといった食品にも含まれています。セレンのサプリメントを選ぶ際は、腸内での吸収率が高い「グリシン酸セレン」が内容成分に含まれているものがおすすめです。

マグネシウム

マグネシウムも、心の平静が図れるミネラルです。マグネシウムは血液脳関門に作用し、ストレスホルモンが脳に届かないように阻止する働きがあります。マグネシウムはサプリメントの他、セロリ、ホウレンソウ、アボカド、ダークチョコレートなどの食品でも摂取可能です。

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸は多くの健康効果があることで知られています。その効果の一つは、ストレスホルモン生成の軽減に役立つことが挙げられます。オメガ3は、クルミカシューナッツ、グラスフェッドビーフ(牧草飼育牛肉)、脂肪の多い魚(マグロやサケ他)などの食品に含まれています。オメガ3のサプリメントは、最も重要な脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれている製品を選びましょう。

新たにサプリメントを取り入れる際は、必ず事前にかかりつけ医等にご相談ください。何らかの疾患がある方や服薬中の方は特に重要です。

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