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5分でわかるセラペプターゼ早わかりガイド:呼吸器の健康に果たすその重要な役割

著者:マイケル・マレー博士

この記事の内容:


酵素製剤は、気道などの健康改善に取り入れられる栄養補助食品のうち最も有益なものの一つでありながら、十分に活用されているとは言えません。中でも、最も有益な酵素の一つがセラペプターゼです。

1980年代から1990年代にかけて、日本とヨーロッパで行われた重要な研究では、セラペプターゼは呼吸器の健康を促進する上で最も効果的な食餌性(しょくじせい)酵素サプリメントの一つである可能性が示されました。具体的には、鼻詰まり、喉の痛み、気道炎症の緩和が報告されています。1著名な代替医療医であり、ドイツ腫瘍学会の元会長でもあったハンス・ニーパー博士は、タンパク質分解酵素を大いに活用したことで知られ、セラペプターゼの価値を見出した第一人者でした。そのニーパー博士をして、「ミラクル酵素」と言わしめたのがセラペプターゼだったのです。2

‌‌‌‌酵素とは?

化学反応を促進する分子である酵素は、新しい分子の構成を助けるか、あるいは分子を結びつける化学結合を分割し、小さな単位に分解する働きがあります。

栄養補助食品としての酵素には、そのほとんどにタンパク質、脂肪、炭水化物などの食品成分を小さく分解して吸収しやすくする消化酵素が含まれています。まさにその消化酵素を食間または空腹時に摂取することで、特にプロテアーゼまたはタンパク質分解酵素は、消化管外で全身への作用を発揮します。

セラペプターゼとは?

セラペプターゼは、カイコ(蚕)の腸内に存在する善玉菌「セラチア・マルセッセンス」から生成される酵素です。カイコは、この酵素の強力な効果をフルに活かして繭を分解し、完全変態した成虫の蛾として飛び立つわけです。

カイコが紡ぐ繭は、世界で最も贅沢な布地の一つであり、最も丈夫な天然素材の一つでもある絹でできてきます。では、その絹は何でできているのでしょう?それは、カイコが分泌して織りなす特殊なタンパク質です。絹は、別のタンパク質であるセリシンの接着剤状の層によって結合したフィブロインという不溶性タンパク質で構成されています。これは非常に丈夫で弾力性のあるタンパク質ですが、セラペプターゼなら簡単に分解できるのです。まさに奇跡とも言えます。

市販のセラペプターゼはセラチア・マルセッセンスの培養物を原料とします。セラペプターゼは、セラピオペプチダーゼ、セラリシン、セラチアペプターゼ、セラチアペプチダーゼ、セラペプチダーゼとも呼ばれます。

‌‌‌‌セラペプターゼの働きとは?

セラペプターゼや他のタンパク質分解酵素は、基本的に水を加えるか、タンパク質の構成要素である特定のアミノ酸間の結合を加水分解することでタンパク質を分解します。現在では、セラペプターゼなど経口投与されたタンパク質分解酵素3が、そのままの形で血流に吸収され、全身作用を発揮することが十分に裏付けられています。実際にセラペプターゼは、損傷やストレスを受けた組織に優先的に送られることが示されています。4

‌‌‌‌セラペプターゼの効能とは?

セラペプターゼは、50年以上にわたって日本やヨーロッパで使用されており、損傷に対する体の反応をはじめ、免疫系、血管、気道の健康をサポートする効果が実証されています。

セラペプターゼは、フィブリン(繊維状タンパク質)を分解し、外傷部位に炎症細胞を引き寄せる分子の形成を阻害することにより、血行を改善し、腫れを抑えることが示されています。5腫れを抑えることで痛みを和らげるわけです。セラペプターゼは、痛みを誘発する化合物であるキニンの形成も阻害します。こうした作用は、スポーツでの損傷、外傷、反復性ストレス(手根管症候群など)、外科的処置からの回復に役立つと考えられます。

ある研究では、セラペプターゼが損傷や外傷に対する反応を改善するのに役立つ可能性があることが示されました。6この効果は、さまざまな実験モデルや臨床研究で実証されています。7-10例えば、セラペプターゼは膝の痛みを訴える患者の関節機能と可動性を改善することが報告されています。7また、腫れやあざを抑えて治癒時間を短縮することにより、歯科・外科手術後の治癒を促進することも示されています。疼痛、腫れ、圧痛といった乳腺線維嚢胞症(にゅうせんせんいのうほうしょう)の症状がある女性にもセラペプターゼは有益です。11

‌‌‌‌セラペプターゼ、上気道の健康、免疫

気道の健康において、粘液バリアは感染に対する防御の第一線と言えます。セラペプターゼ、ムコラーゼ、ブロメラインなどのプロテアーゼは、粘液の粘度を下げると同時に、粘液の生成を増やすだけでなく、粘液が気道まで押し上げられ、飲み込まれるか体外に排出されるまでの輸送を劇的に増加させます。プロテアーゼは、粘液のメカニズムとしての力学的効果を高めることに加えて、粘液内の特殊な保護因子が侵入微生物を一層効果的に中和するようサポートすると考えられます。粘液で分泌される保護因子には、分泌型IgA、一酸化窒素、ラクトフェリンの他、ウイルスを遮断する多様な白血球由来のプロテアーゼ阻害剤などがあります。

セラペプターゼは、粘液分泌の構造と機能を改善することも示されています。粘度が高く、機能が低下した粘液を持つ患者にセラペプターゼを投与したところ、気道粘液の粘度は大幅に低下したものの、弾性(伸縮性)は低下しませんでした。粘度対弾性の比率を改善することは、気道に粒子状物質や微生物を寄せ付けない粘液の機能が、いかに発揮されているかを判断する重要な決定要因となります。12-14

粘液の粘度が高くなったり、粘り気が強すぎたりするたびに働くセラペプターゼの粘液修飾作用は重要なものです。セラペプターゼは、粘度を下げて粘液の詰まりを抑えることで、粘液停滞の症状を和らげるだけでなく、二次的な細菌感染の可能性も減らします。粘り気の強い粘液は病原菌の温床です。

セラペプターゼは、胃腸粘液・粘膜にも大きな効果を発揮します。特に、セラペプターゼは、バイオフィルム(粘着性のマトリックス(基質)内にある小腸の内壁に付着し、密集した細菌の集合体)に対して活性を発揮します。バイオフィルムマトリックスを侵食するセラペプターゼは、腸の内層に細菌が付着するのを防ぐ抑制物質としても機能します。15

‌‌‌‌推奨摂取量

他多数の酵素と同様に、セラペプターゼの摂取量は重量(mg)ではなく、セラペプターゼ単位(SPU)で表される酵素活性に基づいています。ほとんどの適用量は、4万〜10万単位を1日最大3回です。また、 摂取量の目安は、個人の体の大きさの他、必要とするサポートのレベルに基づきます。セラペプターゼは、空腹時の摂取が最も効果的です。手術後の回復を早める一般的な手順は、手術前日にセラペプターゼを開始し、手術後の夜に1回、その後は、手術後5日間にわたって1日最大3回の摂取とされています。ただし、現時点では、副作用や相互作用を評価するには研究が少なすぎるため、セラペプターゼ摂取は手術後にのみお勧めします。

‌‌‌‌副作用、安全性、薬物相互作用

副作用と安全性に関する限りでは、セラペプターゼは優れた安全性プロファイルを有し、重大な副作用はありません。なお、セラペプターゼは血液凝固を低下させる可能性があることから、同じく血小板または血栓形成に影響を及ぼすクロピドグレル(プラビックス)、ヘパリン、ワルファリン(クマジン)などの薬剤と、併用しないでください。

参考文献:

  1. Bhagat S, Agarwal M, Roy V. Serratiopeptidase: a systematic review of the existing evidence. Int J Surg. 2013;11(3):209-217.
  2. Hans A. Nieper, G.S. Eagle-Oden, and Arthur D. Alexander. The Curious Man: The Life and Works of Dr. Hans Nieper. Author House, 2010.
  3. Moriya N, M Nakata, M Nakamura, et al. Intestinal Absorption of Serrapeptase (TSP) in Rats Biotechnol Appl Biochem 1994 Aug;20(1):101-8.
  4. Moriya N, Shoichi A, Yoko H, et al. Intestinal absorption of serrapeptase and its distribution to the inflammation sites. Japan Pharmacol Therapy 2003; 31:659-666
  5. Kakinuma A, Moriya N, Kawahara K, Sugino H. Repression of fibrinolysis in scalded rats by administration of Serratia protease. Biochem Pharmacol. 1982;31(18):2861-2866.
  6. Tiwari M. The role of serratiopeptidase in the resolution of inflammation. Asian J Pharm Sci. 2017;12(3):209-215.
  7. Klein G, Kullich W. Short-term treatment of painful osteoarthritis of the knee with oral enzymes. A randomized, double-blind study versus diclofenac. Clin Drug Invest 2000; 19:15-23
  8. Sivaramakrishnan G, Sridharan K. Role of Serratiopeptidase After Surgical Removal of Impacted Molar: A Systematic Review and Meta-analysis. J Maxillofac Oral Surg. 2018 Jun;17(2):122-128. 
  9. Esch PM, Gerngross H, Fabian A. Reduction of postoperative swelling. Objective measurement of swelling of the upper ankle joint in treatment with serrapeptase-a prospective study Fortschr Med 1989; 107:67-68
  10. Malshe PC. A preliminary trial of serratiopeptidase in patients with carpal tunnel Syndrome. J Assoc Physicians India. 2000;48(11):1130.
  11. Kee WH, Tan SL, Lee V, Salmon YM. The treatment of breast engorgement with Serrapeptase (Danzen); a randomized double-blind controlled trial. Singapore Med J 1989; 30:48-54.
  12. Majima Y, Inagaki M, Hirata K, et al. The effect of an orally administered proteolytic enzyme on the elasticity and viscosity of nasal mucus. Arch Otorhinolaryngol 1988;244:355-359.
  13. Nakamura S, Hashimoto Y, Mikami M, et al. Effect of the proteolytic enzyme serrapeptase in patients with chronic airway disease. Respirology 2003;8:316-320.
  14. Mazzone A, Catalani M, Costanzo M, et al. Evaluation of Serratia peptidase in acute or chronic inflammation of otorhinolaryngology pathology: a multicentre, double-blind, randomized trial versus placebo. J Int Med Res 1990;18:379-388.
  15. Longhi C, Scoarughi GL, Poggiali F, et al. Protease treatment affects both invasion ability and biofilm formation in Listeria monocytogenes. Microb Pathog. 2008;45(1):45-52. 
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