リバースダイエットに関する話題は誤解されやすく、ソーシャルプラットフォーム上ではたびたび賛美されながらも、一般的には間違って解釈されていることが多いようです。本来は多くのメリットがある優れた方法ですが、今回はそのリバースダイエットが実際にどういうものか詳しく見ていきましょう。

まず、リバースダイエットでは、常に各自の状況に目を向ける必要があり、取り組み方に若干個人差があることを覚えておきましょう。   この記事では、リバースダイエットの特徴と実際の仕組みについて、また、食事制限期からうまく移行するためにリバースダイエットを利用したい方に役立つアプローチ法についてもご説明します。

リバースダイエットとは

リバースダイエットは、1日の摂取カロリーを少しずつ計画的に増やしていくことにより、長期の食事制限を経て代謝を高めるという理屈に沿った方法です。要は、1日の摂取量を増やしながらも、その過程で全体的な脂肪が増えないようにする手段です。これは、ある期間中に行われた食事制限に合わせて代謝が調整されているからこそ可能なのです。

リバースダイエットが掲げる謳い文句がいくつかありますが、そのすべてが必ずしも事実ではなく、たとえ事実であっても、多くの人が想像するような形で達成されるわけでもありません。そのようなリバースダイエットの謳い文句には以下のようなものがあります。

  • 代謝を調整する
  • 食べる量を増やしつつ体脂肪を落とす
  • 食べる量を増やしながらも痩せやすい体になる

このうちのいくつかはある程度正しいかもしれませんが、いずれも状況がすっかり欠けているため鵜呑みにしてはいけません。リバースダイエットは、一般に考えられているほど単純明快なものではないのです。

各自が食事制限期間中に行うカロリー制限の程度にもよりますが、リバースダイエット式に徐々にカロリーを増やし始めても、まだ体がカロリー制限中であるため、体重は引き続き減り続けることになります。例えば、1日600カロリーに制限する食事療法を終了した後、ゆっくりとカロリーを戻していけば、体重は減り続け、リバースダイエットの成果が現れるでしょう。

これは、リバースダイエットが代謝を調整しているわけでも、ましてや魔術なわけでもなく、体がまだカロリー制限の状態にあるためです。また、リバースダイエットを実践している人から「進展が速い」という報告を聞きますが、これは主にエネルギー消費量が増え、水分の排出量が増えたことで体重が減るためです。

食事制限期間が長引くと、ストレスとコルチゾール(ストレスを受けると分泌量が増えるステロイドホルモン)の増加により、体に水分が溜まりやすくなります。カロリー摂取量を元に戻すと、通常はストレスとコルチゾールが自然に減少し始め、水分貯留が改善されることになります。つまり、上記の減量例は体脂肪に関連したものではなく、単に水分貯留によるものです。

リバースダイエットのメリット

リバースダイエットにはさまざまな効果が期待できますが、特に念入りな計画と忍耐をもって行うことで以下のようなメリットが得られます。

1. 経過を把握しやすい

長期にわたって食事制限を行っていると、1日の摂取量に合わせて代謝が低下しがちです。そのため、急激にカロリーを増やすと、ただでさえ代謝が落ちているところに食べる量が増えてしまい、あっという間に体重が戻ってしまいます。

その点、リバースダイエットなら、体重を急激に増やすことなく、維持量までの進捗を徐々に確認できます。

2. カロリー制限を続けながら運動パフォーマンスも向上

前述の通り、長期の食事制限の後にカロリーを徐々に増やすと、カロリー増加によるパフォーマンスの向上と同時に、体重が少しずつ減っていきます。

これは、体が依然としてカロリー制限下にありながらも、運動に利用できるカロリーが以前よりも増えているためです。減量中の方は、体重が元に戻ると聞くとつい躊躇したり過剰に反応してしまうものですが、移行期には、これがモチベーションやアドヒアランス(積極的かつ真摯に取り組む姿勢)を高める上で大いに役立ちます。

3. より正確に維持量を設定し直す

徐々にカロリーを増やしていくことで、一定の体重や体脂肪を維持するのに必要な摂取量を正確に把握しやすくなります。これは、時間をかけて計画的に新しい維持量(設定値)の確立を目指すウエイトリフターやアスリートに役立つでしょう。

リバースダイエットの実践

食事制限中に維持していた1日600カロリーから毎週せいぜい50〜100カロリーずつ増やす程度なら、その後数週間は制限中のままと考えて良いでしょう。リバースダイエットを実践している方が、食事量を若干増やしたにもかかわらず順調に進んでいるなら、それは決してリバースダイエットのバイオハッキング(医療技術やテクノロジーを利用して自らの環境を意図的に変えることで最適な身体や精神を目指す)製品による離れ業のおかげではなく、依然としてカロリー制限状態が続いているからなのです。   

もう一つ重要な点は、進捗状況を詳細に把握するのがかなり面倒だということです。例えば、毎週わずか50〜100カロリーを増やすために正確に測定するのは難しいでしょう。これは、絶えず変化する生命の本質によるもので、正常かつ健全なことです。

何週間もかけてゆっくりとカロリー摂取量を戻していくと、最終的には維持量に達し、それ以上体重が減少しなくなります。この時点に達したら、しばらくの間はそれが新たな維持量となるため、カロリー消費量に気をつけることをお勧めします。

リバースダイエットの上手な取り組み方

毎週きっかり50〜100カロリー増やそうと躍起になるのではなく、別の側面からリバースダイエットに取り組みましょう。自分でコントロールできない細部などは気にせず、このダイエット法ならではのパフォーマンス面のメリットを活かすことが成功のポイントです。

摂取量を設定

食事制限期間を終え、カロリーを戻す準備ができたら新しい維持量を設定しましょう。この維持量は、急激にカロリー摂取量を戻すことなく、長期の食事制限期間を考慮して設定します。

ステップ1:新しい維持量を計算

食事制限後、現在の自分の体の状態を把握するための測定基準を用いて、あらためて維持カロリー摂取量を計算します。この新しい維持量の計算には、食事制限を行った時と同じ方法を使うのが良いでしょう。つまり、食事制限の段階を設定するために以前使用した時と同じ計算ツールや手段を選ぶことです。これまでのカロリー制限を考慮した新しい維持量を計算したら、そこから7%引きます。

仮に、新たに計算した維持量が2,500カロリーとすると、その7%は175カロリー(2,500 × 0.07)になり、移行期の新しい維持量は1日2,325カロリーとなります。

この7%は、新しい体脂肪や体重の指標を視野に入れ、長期の食事制限で生じる変動を緩和するために差し引かれます。なお、この段階では、筋肉の成長と回復を促進する上で、良質なタンパク質を十分に摂取することが有効であることを覚えておきましょう。質の高い動物性タンパク質をはじめ、ホエイプロテインパウダーカゼインプロテインパウダー植物性プロテインパウダーなどは、いずれもタンパク質の摂取量を増やすのに適した製品です。

ステップ2:新しい維持量で食事し、しばらくは我慢

新たな維持量を設定したら、カロリーを少しずつ増やすのではなく、一定期間はその量を食べるようにして、それを主な1日の目標カロリーとします。

このステップのスケジュールにはばらつきがあるため、新しい目標維持量を変えずに数週間我慢して進捗を確認することをお勧めします。この目標量に対する体の反応とパフォーマンスに重点を置き、慣れていくにつれて、トレーニング時の水分補給と、エネルギーレベルを維持するための十分なビタミンとミネラルの摂取を忘れないようにしましょう。このような目標達成に役立つのが、繰り返し何度でも使える大型のウォーターボトルと良質なマルチビタミンです。

この時期は体重が増えるかもしれませんが、これは正常なことです。この体重増加は、炭水化物が水分として増えたことで補充されたグリコーゲン(筋肉などに多く含まれる多糖類)によるものと考えられ、パフォーマンスにプラス効果をもたらします。数日後にはこの体重増加がおさまり、横ばいになるため、それをあらかじめ念頭に置いておけば、後手後手の対応をせずに済むでしょう。

この段階では、トレーニングのモチベーションを高めるために、パフォーマンスの成果に焦点を当ててみるのも良いかもしれません。トレーニング効果を高める目的でプレワークアウトサプリメントカフェインなどを摂取している方は、それらの製品の効果と自分の全体的なパフォーマンスを分けて考え、なるべく客観的に見るように心がけましょう。

この方法は、実行しやすいのはもちろん、通常の維持量に急激に戻ることなく、従来のリバースダイエットと同じ目標を達成することができるため、大半のリフターやアスリートに適した選択と言えるでしょう。