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健康

レスベラトロール:メンタルヘルスへの効果が有望視される強力な抗酸化物質

2月 3 2020

著者:ジェームズ・レイク、医学博士

この記事の内容 :


レスベラトロールとは?

レスベラトロール(RSV) は、フィトエストロゲン(植物エストロゲン)として作用する、天然のポリフェノールです。レスベラトロールは、ベリー類、 ナッツ類、ブドウをはじめ、東洋医学で広く使用される植物源に含まれています。動物およびヒト試験の研究結果が蓄積され、抗炎症・ 抗酸化 作用により、さまざまな内科的疾患や精神障害にレスベラトロールの効果が期待できることが裏付けられています。ただし、大半のヒト臨床試験の結果は、研究デザインに欠陥があることやサンプルサイズが小さいために十分とは言えません。レスベラトロールは、カロリー制限によって誘導される遺伝子発現に同様の変化をもたらす可能性があることから、その寿命延長への潜在的効果が調査されていますが、非ヒト霊長類研究の結果には一貫性がありません。 

レスベラトロールの作用機序

気分、不安、認知機能に対する レスベラトロール の有益な効果は、さまざまなメカニズムによって媒介されると考えられます。これまでの調査結果で、レスベラトロールには神経変性疾患に対する保護効果があり、認知症状の進行を遅らせる可能性があることが裏付けられています。動物研究の結果については、パーキンソン病、ハンチントン病、多発性硬化症、アルツハイマー病などの神経変性疾患に対してレスベラトロールが、神経保護作用を発揮する可能性を示唆するものです。生体内(in vivo)研究の結果では、レスベラトロール誘発抗うつ・抗不安のような効果がホスホジエステラーゼ4阻害によって媒介されることが示されています。最近発表された研究では、レスベラトロールが躁病の動物モデルにおける多数の脳領域で、タンパク質と脂質の酸化ダメージを予防し、改善させたことが報告されました。アルツハイマー病へのレスベラトロールの効果は、メタボリックシンドロームのリスクを低減する作用によるものと考えられ、それが脳と全身の炎症軽減、脳動脈血管拡張、内側皮質および視床下部の脳領域への直接的な神経保護効果につながるとみられます。最後に、レスベラトロールはDNA内のエピジェネティック変異を誘発し、さまざまな慢性疾患の発症リスクを軽減する可能性があります。

認知機能へのレスベラトロールの効能

これまでに得られた動物試験および数件のヒト臨床試験の結果により、健康な成人の認知機能を高める他、アルツハイマー病などの変性神経疾患の潜在的な治療法としても レスベラトロール への関心が高まっています。

現在まで、健常者集団におけるレスベラトロールや、他のフィトエストロゲンの認知効果に関する研究結果は一貫していません。これは、認知機能の評価に使用される用量、研究期間、試験の違いによるものと思われます。レスベラトロール(250〜500mg)による短期治療を受けた健常男性らの脳血流に、用量依存的な増加があったものの、認知機能の改善は見られませんでした。ある4週間の研究では、レスベラトロール500mgで治療を受けた健康な成人の疲労に有意な減少が見られた一方で、認知能力に変化は認められませんでした。26週間の研究では、健康な肥満高齢者がレスベラトロールと ケルセチン の併用レジメンで治療を受けたところ、記憶に改善が見られた他、海馬の機能的結合が強化され、脳ブドウ糖(脳グルコース)代謝が亢進(こうしん)することがわかりました。レスベラトロールには、健常高齢者の認知力を向上する効果があると考えられます。23件のランダム化比較試験の系統的レビューでは、レスベラトロールを1日150〜200mg、14週以上にわたって摂取した高齢男性および閉経後女性の認知機能に、小〜中程度の改善が認められました。認知機能の改善は、脳血流の改善と関連付けられました。

レスベラトロールなどのポリフェノールは、アルツハイマー病予防への潜在的効果が期待できるため調査への関心が高まっていますが、この研究はまだごく初期の段階にあり、これまで行われたヒト臨床試験はわずかです。レスベラトロールの安全性と忍容性を調査する52週間のプラセボ対照二重盲検多施設共同第II相試験では、軽度〜中等度のアルツハイマー病と診断された個人(N=119、サンプルサイズ/被験者数119人)が、レスベラトロール群とプラセボ群とにランダム化されました。レスベラトロール治療を受けた個人は、1日500mgの摂取から始め、13週毎に500mg増やし、最終的には1日2000mgまで増加しました。同研究中に収集されたデータには、アルツハイマー病のバイオマーカー、容積測定MRI、臨床結果が含まれます。レスベラトロール群の個人は、脳内のアミロイドβの蓄積減少を反映し得る、脳脊髄液(CSF)バイオマーカー値の低下が遅いことがわかりました。特に注目したいのは、レスベラトロール群において、アルツハイマー病関連の神経変性過程のリスク増加につながるとされるバイオマーカー、MMP-9(マトリックスメタロプロテアーゼ9)濃度も低下したことです。この結果は、炎症性分子に対する血液脳関門の透過性を低下させることで、レスベラトロールが直接的な神経保護を担うことを示唆しています。最も多く報告された副作用は、吐き気、下痢、体重減少でした。上記の第II相試験でレスベラトロールを摂取したアルツハイマー病患者のサブセットの後ろ向き研究分析(過去の事象について調査する研究における分析)では、プラセボ群と比較して脳脊髄液および血漿(けっしょう)バイオマーカーに顕著な改善が見られ、日常生活動作(ADL)の測定値が向上しました。レスベラトロールに関連して、アルツハイマー病のバイオマーカーにおける変化の有意性を解釈するには、さらなる研究が必要です。 

レスベラトロールとうつ病

抑うつ気分の潜在的な治療法としての レスベラトロール に関する研究はごく初期の段階にあります。生体内および動物研究の結果は、抑うつ気分の現象として現れることのある酸化ストレスや、炎症による脳の病理学的変化に対して、レスベラトロールが神経保護作用を発揮することを示唆しています。これらの結果から、潜在的な抗うつ薬としてのレスベラトロールへの関心が近年高まっています。 

レスベラトロールの安全性 

レスベラトロールは、一般的な推奨用量で概ね良好な忍容性が示されています。また、レスベラトロールによる代表的な副作用は、下痢、吐き気、体重減少です。1日最大2000mgを2回という高用量では、さらに重篤な副作用が報告されています。有害な薬物相互作用は報告されていないものの、高用量のレスベラトロールがシトクロムP450酵素を阻害し、多くの薬物との相互作用を引き起こす可能性があることが知られています。 

レスベラトロール補給を最大限に活用する方法 

進行中の重要な研究分野の中には、脳と全身への レスベラトロール の潜在的効果を後押しする目的とした、より高いバイオアベイラビリティを有する製品の開発が含まれます。レスベラトロールを単独摂取した場合、その低安定性、熱・光ばく露による急速な酸化、低水溶性、肝臓への取り込み率の高さなどを原因とする低バイオアベイラビリティにより、認知機能への潜在的効果はわずかなものと考えられます。生体内および動物研究の結果は、レスベラトロールを他の天然製品と併用すると、異なる臨床適応症に対するレスベラトロールのバイオアベイラビリティと有効性が、いずれも向上する可能性があることを示唆しています。最近の研究では、レスベラトロールとピペリンを併用することで、脳内のバイオアベイラビリティが大幅に上昇し、脳血流が増加した一方で、認知機能や気分は改善しなかったことがわかりました。遺伝的な差異、年齢、性別、食事、微生物叢(そう)の変動がレスベラトロールのバイオアベイラビリティにどのように影響するかを解明するには、大規模な動物およびヒト試験が必要です。バイオアベイラビリティに個人差・個体差があるということは、レスベラトロールを単独で摂取、あるいは他の天然製品と併用するか、または薬剤への補助として摂取されるかなどに応じて、個別に最小有効量が評価される必要があるということです。

脂質ナノキャリアまたはリポソームへのナノカプセル化やナノエマルジョンその他のアプローチを含む、新種の送達システムおよび半合成誘導体を介して、レスベラトロールのバイオアベイラビリティを改善する取り組みが進行中です。有望な初期結果が報告されているとはいえ、臨床使用に適切で安全な方法を特定するには、より多くの生体内研究が不可欠です。 

レスベラトロールは有望な化合物 

レスベラトロールは、多くの内科的疾患や精神障害に、将来重要な非薬物療法として期待できます。アルツハイマー病やその他の神経変性疾患の認知機能低下、および抑うつ気分の潜在的な治療法としてのレスベラトロールに関する研究はまだ初期段階にあります。これまでの調査証拠は、大半が動物研究に基づくものです。主に健常被験者を対象として行われたヒト臨床試験はわずかです。レスベラトロールの安全性プロファイルを評価し、他の天然製品や薬剤との潜在的な相互作用をさらに特徴付け、バイオアベイラビリティを高める製剤を特定し、内科的疾患および精神神経疾患治療に最適な安全摂取量を決定するには、大規模な長期プラセボ対照ヒト臨床試験が必要です。

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