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次なるサプリメントのスーパースター:PQQが脳の若返りに期待できる理由

著者:マイケル・マレー博士、自然療法医

2021年3月25日更新                2017年4月初出掲載

ピロロキノリンキノン(PQQ)は、細胞内のエネルギー生成区画であるミトコンドリアの機能に大きな役割を果たすという重要なビタミン様化合物です。PQQは、細胞の増殖、発達、分化、生存など、細胞機能に関わる特殊な酵素の補因子(酵素の触媒活性に必要な化学物質であり、その一つが補酵素)として必要とされる物質でもあります。1

補酵素とは。

これらの酵素が細胞内の化合物を作るという役割を果たすには、補酵素であるPQQが必須です。つまり、PQQがなければ酵素は機能しません。PQQは体内で生成できないため、必須ビタミンと同様に食物またはサプリメントから摂取する必要があります。このように、PQQは正常な細胞機能と健康維持に不可欠ですが、現時点ではビタミンとみなされていません。ただし、いずれ必須ビタミンとして指定されるのは時間の問題でしょう。2

PQQについての研究は比較的最近のものですが、その内容によると、次世代のサプリメントのスーパースターとなる可能性が大いにあります。

PQQの体内での働き

主なPQQの作用は、ミトコンドリア内のエネルギー生成に関わる重要な酵素に直接働きかけることにより、エネルギー生成を向上させることです。PQQは、同じくミトコンドリアの機能に欠かせない化合物としてよく知られるコエンザイムQ10(CoQ10)と共に作用します。PQQがCoQ10よりも重要なのは、ヒト細胞はCoQ10を生成できてもPQQを作ることはできないため、PQQの必要摂取量を満たすには食事やサプリメントで補うしかないからです。

CoQ10にはエネルギー生成の点火プラグのような機能がある一方で、PQQはエネルギー生成においてCoQ10の補完的役割を担っています。また、PQQはミトコンドリアを酸化ダメージから守り、老化細胞内での新しいミトコンドリアの自発的な生成(ミトコンドリアバイオジェネシス)を促進します。3PQQがエイジング対策として注目されているのはそのためです。老化細胞内のミトコンドリアの数を増やすことで、PQQは生化学的な「若さの泉」として作用します。というのも、ミトコンドリアの数が増えるほど、化学エネルギー(すなわちATP、アデノシン三リン酸)も増え、細胞が若々しくなるからです。

CoQ10とPQQはそれぞれ単独でも有効ですが、併用することでさらに効果が高まることが示されています。この相乗効果は、まず動物研究で見られ、その後、二重盲検プラセボ対照ヒト臨床試験で実証されました(詳細は後述)。

PQQは抗酸化物質なのでしょうか。

PQQは極めて強力な抗酸化物質であり、PQQならではの付加的な効果もあります。抗酸化物質が酸化ダメージから保護する一連の反応メカニズムは触媒サイクルと呼ばれますが、PQQは他の抗酸化物質よりも、ほぼ連続した触媒サイクルを作る力(酸化・還元反応を繰り返す能力)がはるかに優れているという点で非常にユニークな存在です。例えば、ビタミンCの触媒転換がわずか4回なのに対し、PQQは2万回もの触媒転換が可能です。つまり、PQQの機能的な抗酸化保護作用はビタミンCの5千倍にもなります。2

PQQの食物源

PQQはこれまでに分析されたすべての植物性食品に含まれてはいますが、ごく少量にすぎません。PQQを多く含む食品には、パセリ、ピーマン、キウイ、パパイヤ、豆腐などが挙げられます。これらの食品には1食あたり約2〜3mcgのPQQが含まれています。緑茶なら約120gでこの用量を摂取できます。4食品に含まれるPQQの量は少ないものの、体はその重要性を認識してPQQをしっかり保持しているようです。

PQQは必須栄養素でしょうか。

現在の研究によると、PQQが人間の栄養に重要な役割を果たしていることは間違いありません。化学的に定義された哺乳類の食餌でPQQが不足すると、成長障害、免疫力低下、生殖機能の異常などを引き起こします。このように、必須栄養素と同じく、特に免疫系はPQQ不足に敏感に反応するようです。PQQが欠乏すると免疫機能に複数の欠陥が生じ、白血球が減少して適切に反応できなくなります。

PQQの必要摂取量

PQQの栄養所要量は、おそらく葉酸ビオチン(いずれもビタミンB群)に従って、ミリグラム(mg)ではなくマイクログラム(mcg)単位となります。正確な必要摂取量はまだ確定されていませんが、1日せいぜい10〜20mcg程度ではないでしょうか。それを大きく上回る量(1日10〜20mgなど)のサプリメントを摂取することで、かなりの効果が示されています。高用量のPQQは超生理学的な効果を発揮します。つまり、栄養素としての効果以上に、PQQはミトコンドリアや細胞の機能を助けているのです。

PQQの臨床用途

その栄養学的重要性と幅広い生理学的効果を踏まえ、PQQ には、老化をはじめ、多くの脳疾患や神経疾患(アルツハイマー病やパーキンソン病など)の他多数の慢性変性疾患など、ミトコンドリアの機能低下に伴って発症する疾患に大きな効果があります。

PQQのもう一つの重要な薬理作用はAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化することです。AMPKは生細胞内に存在する酵素で、エネルギー代謝のいわば「マスター調節スイッチ」として機能しています。AMP活性が低下するとさまざまな健康障害につながるとされているため、PQQは以下のような疾患や症状に臨床効果が期待できます。

  • 老化の加速
  • ミトコンドリアの機能不全・機能障害
  • 認知症やパーキンソン病などの脳変性疾患
  • 慢性炎症
  • 肥満
  • 高い血中コレステロール値およびトリグリセリド値
  • インスリン抵抗性および血糖コントロール不良

これまでPQQのヒト臨床試験は行われているのでしょうか。

行われています。既存の臨床試験では優れた結果が示されており、現在さらに大規模な研究がいくつか進行中か、あるいは完了して発表が待たれる状況です。

脳機能の改善に関しては、PQQは単独でもある程度の効果がありますが、誰もが知る関連化合物であるコエンザイムQ10と組み合わせることで、さらに良い結果が得られています。この相乗効果はまず動物研究で認められ、その後2009年に日本で行われた二重盲検プラセボ対照ヒト臨床試験でも実証されました。540〜70歳の中高年71人を対象とした同研究では、PQQを1日20mg摂取した被験者群は認知機能テストでプラセボ群よりも大きな改善が見られましたが、20mgのPQQに300mgのCoQ10を加えた併用群の結果はさらに劇的なものでした。とはいえ、PQQとCoQ10はいずれもミトコンドリアのエネルギー生成に関与しているため、この結果はそれほど驚くべきものではありません。

PQQはCoQ10と併用しないと効果が出ないのでしょうか。

PQQは単独でも効果があるため、必ずしもそんなことはありません。ただし、高齢者を対象とした数件の二重盲検試験では、PQQの単独摂取時はCoQ10との併用時ほど高い効果が見られていません。従って、50歳以上の方にはPQQとCoQ10の併用が良いと言えるようです。一方、35歳未満のほとんどはもちろん、おそらく50歳未満の方も、CoQ10は体内で十分に生成されているため、スタチン系薬剤を服用中でない限り、敢えてCoQ10を摂取する必要はないかもしれません。コレステロール値を下げるスタチン系薬剤は、CoQ10の生成を妨げる性質があります。6CoQ10は体内で生成できますが、PQQは作ることができないため、私は必須栄養素と考えています。

PQQ単独でも、35歳未満の人を対象とする優れた研究結果がいくつかあります。例えば、21〜34歳を対象とした研究では、PQQの単独投与群は1回の投与だけでも抗酸化作用、抗炎症作用、エネルギー生成量などが有意に増加しました。7

また、50歳以上の人にPQQを単独で投与して良好な結果が得られたという研究もあります。その一例として、健康な中高年17人に1日20mgのPQQまたはプラセボを8週間にわたって投与したところ、PQQ群では感情プロフィール検査の全6項目(活力、疲労、緊張〜不安、抑うつ、怒り〜敵意、混乱)が有意に改善されました。8また、中高年の被験者にPQQを単独投与した別の研究では、起床時の眠気、睡眠の開始と維持、睡眠持続時間にも改善が見られました。9さらにもう1件、PQQを単独投与した別の研究でも、脳の血流を良くして、思考を司る前頭前野(ぜんとうぜんや)の酸素利用を促進することが示されました。10

PQQの補給はLDL(悪玉)コレステロールを低下させる効果もあります。BioPQQを用いた研究では、初期のLDLコレステロール値が140mg/dl以上の被験者がPQQを6週間(1日約20mg)摂取したところ、総コレステロール値(平均247mg/dlから216mg/dlに低下)とLDLコレステロール値(平均156mg/dlから132mg/dlに低下)が統計的に有意に減少しました。11

PQQの推奨摂取量

PQQで気になるのは効果的な摂取量です。具体的には、PQQの栄養所要量が1日500mcg未満と考えられる一方で、推奨摂取量がそれ以上とされているのはなぜなのでしょう。現在推奨されているPQQの摂取量(1日10~20mg)は、動物研究で用いられた同等の投与量に基づいたもので、これまでさまざまなミトコンドリア機能を着実に改善してきました。この用量(特に記憶力を高める目的で20mgのPQQと300mgのCoQ10を併用)を正当と認める臨床研究や観察研究もあります。

まとめ

PQQが必須ビタミンに分類されるのは時間の問題でしょう。いずれCoQ10をしのぐほどの人気を得る可能性についても同様です。PQQの効果は、エネルギーレベルの向上や精神的な明瞭さなどですぐに実感できるケースが多いようです。

参考文献:

  1. Akagawa M, Nakano M, Ikemoto K. Recent progress in studies on the health benefits of pyrroloquinoline quinone. Biosci Biotechnol Biochem. 2016;80(1):13-22.
  2. Kasahara T, Kato T. Nutritional biochemistry: a new redox-cofactor vitamin for mammals. Nature 2003;422:832.
  3. Chowanadisai W, Bauerly KA, Tchaparian E, et al. Pyrroloquinoline quinone stimulates mitochondrial biogenesis through cAMP response element-binding protein phosphorylation and increased PGC-1alpha expression. Journal of Biological Chemistry 2010;285(1): 142–52 
  4. Kumazawa T, Sato K, Seno H, et al. Levels of pyrroloquinoline quinone in various foods. Biochem J 1995;307:331-333.
  5. Nakano M, Ubukata K, Yamamoto T, Yamaguchi H. Effect of pyrroloquinoline quinone (PQQ) on mental status of middle-aged and elderly persons. FOOD Style. 2009;21:13(7):50-3.
  6. Itoh Y, Hine K, Miura H, et al . Effect of the antioxidant supplement pyrroloquinoline quinone disodium salt (BioPQQ™) on cognitive functions. Adv. Exp. Med. Biol. 2016;876:319-325.
  7. Harris CB, Chowanadisai W, Mishchuk DO, et al. Dietary pyrroloquinoline quinone (PQQ) alters indicators of inflammation and mitochondrial-related metabolism in human subjects. J Nutr Biochem. 2013 Dec;24(12):2076-84. 
  8. Koikeda T, Nakano M, Masuda K . Pyrroloquinoline quinone disodium salt improves higher brain function. Med. Consult. New Remedies. 2011;48:519–527.
  9. Nakano M, Yamamoto T, Okumura H, Tsuda A, Kowatari Y . Effects of oral supplementation with pyrroloquinoline quinone on stress, fatigue, and sleep. Funct Foods Health Dis 2012;2:307–324.
  10. Nakano M, Murayama Y, Hu L, et al. Effects of Antioxidant Supplements (BioPQQ™) on Cerebral Blood Flow and Oxygen Metabolism in the Prefrontal Cortex. Adv Exp Med Biol. 2016;923:215-222.
  11. Nakano M, Kawasaki Y, Suzuki N, Takara T. Effects of Pyrroloquinoline Quinone Disodium Salt Intake on the Serum Cholesterol Levels of Healthy Japanese Adults. J Nutr Sci Vitaminol. 2015;61(3):233-40.
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