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胃の不調を緩和するのに期待できる自然な方法5選

著者:キャンディス・マザーズ博士、自然療法医

この記事の内容:


誰もが一度は、ちょっとおやつをつまむつもりが、ついつい食べ過ぎてしまったことがあるのではないでしょうか。あるいは、ずっと食べたいと思っていた料理をいざ食べてみると体に合わなかったということも珍しくありません。ひょっとすると、長い間胃の不調に悩まされるあまり、その原因がわからなくなっているかもしれません。

胃の不調は消化不良とも呼ばれ、一般に上腹部の痛みや不快感を指します。代表的な症状には、胸・喉の焼け付くような感覚や上腹部の膨満感をはじめ、それほど食べていなくても満腹感がある他、吐き気や嘔吐などもあります。

胃の不調は、こってりした物を食べたり、アルコール飲料などを飲み過ぎると起こりやすいものですが、そればかりとは限りません。胃の不調は、ウイルスや細菌などの病原体が原因の場合がある他、ストレス、腸内マイクロバイオーム(腸内微生物叢)の善玉菌と悪玉菌のバランスの乱れ、さらには睡眠障害との関係も指摘されています。

不快で辛い胃の不調ですが、幸い、痛みや不快感の緩和に期待できる自然な方法がいくつかあります。例えば、ショウガペパーミント消化酵素フェンネルを摂取し、食事から原因食物を除去することです。

ショウガ

胃の不調を和らげる自然な方法といえば、ショウガが筆頭に挙げられるでしょう。ショウガ科の多年草で、独特の香りと辛味が特徴の顕花植物であるショウガは、さまざまな文化圏の料理で香辛料として用いられています。

古来、料理の風味づけに使われてきたショウガですが、吐き気や嘔吐を抑えるという有益な用途があることが研究で明らかになっています。その一例として、ジンゲロール(ギンゲロールとも呼ばれる)やショウガオールといったショウガ特有の化合物が、腸内のセロトニン経路の活性化を防ぐという研究結果があります。

腸内でセロトニン経路が活性化すると、脳内の神経伝達物質であるセロトニンが放出されて迷走神経(脳神経の一つ)を刺激してしまい、吐き気や嘔吐が増えやすくなります。ショウガはセロトニンの活性化を防ぐのに役立つため、迷走神経刺激を回避できるようになり、胃の不調に悩む方に多い吐き気や嘔吐の減少につながります。

また、ショウガは胃の運動性を促進するのに役立つこともわかっています。胃の運動性とは、摂取した食物を胃で分解し、消化器系全体を移動させる時間を指します。胃の運動性が活発になると、不調に伴う不快感や満腹感が軽減されます。

さらに、胃の不調の原因の一つに軽度の慢性炎症があるとされていますが、ショウガには胃の不調にありがちな不快感の緩和に役立つ強力な抗炎症作用があります。

生のものからジュースまで多様な形で販売されているショウガの中でも、特に胃の不調に効果的な形態は乾燥ショウガでしょう。また、食事にスパイスとしてショウガを使うことでも消化器系をサポートできます。

ショウガ:強力な根;詳しくはこちら

ペパーミント

胃の調子が悪い時、ペパーミントほど癒し効果とリフレッシュ効果が高いものはないのではないでしょうか。シソ科ハッカ属の多年草であるペパーミントが長年伝統医学で胃腸不調の緩和に用いられてきたのには、それ相応の理由があります。

研究では、ペパーミントオイルを摂取することで、胃の不調の緩和に大きく期待できることが示されています。これは、この植物に含まれる強力な化合物であるフラボノイド類の作用であると考えられます。ペパーミントに含まれるメントール、メントン、カルボンといった化合物には、抗ウイルスや抗菌の他にも、炎症抑制や平滑筋(へいかつきん。内臓や血管の壁にある筋肉)の弛緩など、さまざまな効果があります。

例えば、ペパーミントオイルを摂取すると、過敏性腸症候群(IBS)や胃の不調を原因とする腹痛が軽減されます。ペパーミントオイルは、消化器系の平滑筋を弛緩(リラックス)させ、腹部平滑筋のけいれんによる痛みを和らげます。同様に、ペパーミントティーにもこのような鎮静作用があります。

ペパーミントには穏やかに働きかける抗炎症作用があり、胃の不調に伴う刺激を鎮めるのに役立ちます。メントールの清涼感は、特に胃腸障害にお悩みの方を癒す効果があります。

ペパーミントオイルの経口投与とアロマテラピーは、いずれも胃の不調を引き起こす精神的・感情的ストレスを和らげることが実証されています。

過敏性腸症候群やその他の症状向けのペパーミント精油;詳しくはこちら

‌‌‌‌フェンネル(ウイキョウ)

フェンネルは、呼吸器系疾患やホルモン障害の他、母乳量を増やすのに役立つなど、古くから民間療法に用いられてきた万能のハーブです。また、胃の不調などの消化器障害に対処する薬草としても、フェンネルは長い伝統を持つ植物です。

フェンネル(和名 茴香、ウイキョウ)は、セロリパセリ、ニンジンなどと同じく香り高いセリ科の食用植物で、世界各地の料理に使われていますが、胃の不調を和らげる効果も期待できます。

フェンネルには、胃の不調の緩和を促すアネトール、リモネン、フェンコンといった強力な化合物が含まれています。

研究によると、フェンネルは腹部平滑筋のけいれんを抑えることで胃の不調の緩和に役立ちます。その仕組みは、胃腸の平滑筋のけいれんを引き起こすアセチルコリンという化学伝達物質を阻害するのをフェンネルが促進するというものです。ペパーミントと同じように働きかけることで、フェンネルは平滑筋のけいれんを抑え、胃の不調による痛みを和らげるのに役立つ可能性があります。

この他にも、フェンネルには、アルコールによるダメージから胃の組織を守る働きがあることを示唆する有望な研究があります。つまり、フェンネルは飲み過ぎで荒れた胃にも効果がありそうです。

主に、リラックス効果のあるハーブティーとして親しまれているフェンネルですが、フェンネルシードやカプセルなどのサプリメントで摂取するのも良いでしょう。

消化器系の問題をナチュラルに対処するための15種類の方法;詳しくはこちら

‌‌消化酵素‌‌

消化酵素は、胃の不調を自然に和らげるのに役立つ優れたタンパク質です。胃の不調に多い原因は胃内容排泄遅延です。これは、摂取した食物が胃の中で分解され、小腸に送られて次の消化過程に入るのにかかる時間が通常よりも長くなっている状態を指します。

胃内容排泄遅延(胃の動きが鈍り食事が一時的に取れなくなる状況)は、膨満感と不快感を招きやすいため、胃の不調につながり、胃酸逆流も引き起こしがちです。胃内容排泄遅延は、消化酵素の生産量や機能の低下により発生することがありますが、特にその傾向が顕著なのは高齢者です。

消化酵素は、摂取した食物を消化の各段階で分解しやすくする働きがあります。消化酵素が不足すると、体が食物を分解してエネルギーに変えることが困難になります。年齢とともに、体内で作られる消化酵素の量や活性が減少しやすくなるため、消化不良による胃の不調につながります。

消化酵素を日常的に摂取することで、胃の不調の症状軽減に役立つことが研究で示されています。ある研究では、高齢者が消化酵素を毎日摂取したところ、腹痛や鼓腸(こちょう。腸内にガスが大量にたまること)が減少したという結果が出ています。

消化酵素の簡単ガイド:詳しくはこちら

‌‌‌‌原因となる食物を避けるために

胃の不調に対処するには、まずなんといっても予防が一番であり、そのためには胃の不調を起こしやすい食物を避けることが肝心です。例えば、工場で製造された加工食品などは、胃の不調を起こしやすい食品の代表です。その理由として、加工食品には食物繊維が少なく、ナトリウムや保存剤が多く含まれていることが考えられます。

また、飽和脂肪の多い食品も、吐き気や腹部不快感といった胃の不調を引き起こしがちです。さらに、パン、クラッカー、パスタなど小麦を含む食品は、たとえセリアック病患者でなく、小麦やグルテンに対する過敏症と診断されていない人でも胃の不調を起こしやすいという研究結果があります。

他にも、アルコール、カフェイン、チョコレートなども、これらの食品に対する過敏症がある場合は消化不良の原因となり得ます。ある研究では、コーヒーでカフェインを摂取したところ、既に慢性的な胃痛に悩まされていた参加者の53%に胃の不調の症状が見られたという結果が出ています。

柑橘類やトマトといった酸度の高い食物や、ハラペーニョ(トウガラシの一種)などのスパイシーな食品も、人によって胃の不調を悪化させ、胸焼けを起こしやすいことがわかっています。こうした胃の不調の原因になりそうな食物を避けることは、胃痛や不快感を未然に防ぐのに役立ちます。

長期・短期を問わず、胃の不調があると、痛みや不快感でせっかくの食事や生活の楽しみが半減します。胃の不調に悩まされると、痛みや不快感をはじめ、膨満感、吐き気、嘔吐などの症状が果てしなく続くように感じますが、決してそんなことはありません。

今回ご紹介したように、胃の不調を和らげるのに役立つ自然な方法がいくつもあります。ショウガ、ペパーミント、消化酵素、フェンネルなどを食事に取り入れたり、原因食物を避けることで、胃の不調に伴う症状を大幅に軽減することが期待できます。

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