朗報です。頭皮の乾燥、カサつき、かゆみ、炎症にお悩みの方、あきらめないでください。この問題に長年悩まされている方も、最近出始めたという方も、医学的根拠に基づいたアドバイスを実践することで、症状が改善するかもしれません。

炎症を起こしてカサついた頭皮の原因

頭皮の乾燥や炎症の原因として、以下のようなものが挙げられます。

  • 使用中のヘアケア製品に対する反応
  • オメガ3脂肪酸の摂取不足
  • アレルギー反応
  • 湿疹や乾癬(かんせん)などの疾患を発症
  • フケの発生
  • 微量栄養素欠乏
  • 日焼け
  • 皮膚にさらなる保護が必要

専門的なアドバイスを受ける

各個人が抱える皮膚の問題とその原因を把握するには、やはり医師の診断を受けるのが一番です。頭皮を見てもらい、必要に応じて適切な検査を受けた上で、正しい診断が下されます。こうして、原因が特定できて初めて、改善に向けて的確な治療を受けることができます。例えば、湿疹の治療とフケの解消法は違うため、真の原因を突き止め、正しい治療を行うことで費用と時間が節約できます。今回ご紹介する自然な対処法をいくつかお試しの上、是非ご意見をお聞かせください。

炎症を起こしてカサついた頭皮の原因に対処する自然な方法

オメガ3

オメガ3脂肪酸は皮膚を内側から保湿します。オメガ3のような健康に良い脂質は、皮膚の脂質層や細胞膜の大部分を構成しているため、厳しい環境下でも肌の潤いや健康的な質感を維持する働きがあります。頭皮の問題が乾燥肌によるもと考えられる場合は、オメガ3の効果が期待できます。

毎日のオメガ3脂肪酸の摂取量を増やす上で欠かせない食品がいくつかあります。その例として、チアシードフラックスシード(亜麻仁種子)を多く摂るようにしたり、サケやマス、イワシなどの魚を食べるのも良いでしょう。また、オメガ3はサプリメントとして、液体のオメガ3(私のお気に入りはタラ肝油です)やフィッシュオイルの錠剤をはじめ、オメガ3グミなども販売されています。摂取量は、医師の指示に従って1日1~6gが目安です。特に、出血性疾患または血液凝固性疾患のある方は、オメガ3の摂取量を増やす前にかかりつけ医にご相談ください。

低刺激のシャンプーとコンディショナー

振り返ってみて、最近になって頭皮が乾燥したりフケが出始めた方は、その直前に新しいシャンプーやコンディショナーに変えてはいないでしょうか。皮膚がそのような製品の含有成分に反応している可能性があります。アレルギーや過敏反応により皮膚が刺激を受けると、水分が失われ、乾燥、赤み、炎症などの症状を引き起こします。お使いのヘアケア製品を低刺激のシャンプーコンディショナーに変えて、頭皮の健康状態が改善されるかどうか試してみてはいかがでしょうか。

一方、頭皮の状態が変わる前に引っ越しをしたり、新しい場所でシャワーを浴びるようになったという方は、シャワーヘッドにフィルターを付けることで、頭皮を刺激するとみられる成分が取り除けるかもしれません。それでも症状がおさまらない場合は、皮膚科医またはアレルギー専門医にアレルギー検査をしてもらい、ヘアケア製品に含まれる一般的な成分に対する反応の有無を確認することをお勧めします。

シャワーキャップ

洗髪のしすぎで、頭皮を保護する皮脂が失われている可能性もあります。髪を1日おきに洗うようにして、頭皮の状態が改善されるか様子を見ましょう。体を洗う際は、シャワーキャップで髪を保護すると良いでしょう。

日焼け止めと帽子

頭皮も日焼けすることをご存知でしょうか。これは、日焼け止めを塗ったり、帽子をかぶる習慣のない方は意外に感じるかもしれません。強い直射日光に当たると、皮膚が赤くなったり、表皮が剥がれ落ちることがあります。太陽の下で過ごした後に肌が赤くなったら、重度の日焼け(皮膚が赤く火照って炎症を起こした状態のサンバーンすなわち日光皮膚炎)が疑われます。屋外では帽子をかぶり、顔や手足に日焼け止めを塗る際は頭皮にも塗り、問題が解決するかどうか確かめましょう。

栄養素とプロバイオティクス

湿疹と乾癬はいずれも皮膚のカサつきや炎症を伴いがちですが、その原因は栄養素欠乏とディスバイオシス(腸内環境異常)と考えられています。ビタミンDは皮膚の健康に不可欠な栄養素であり、不足すると皮膚の免疫障害を引き起こします。このことからも、検査を受けてビタミンD欠乏でないことを確認することをお勧めします。また、脂肪の多い魚をはじめ、卵や牛乳など、ビタミンDを豊富に含む食品を摂る習慣がない方や、血清ビタミンD値が低い方は、サプリメントでビタミンDを補給すると良いでしょう。

さらに、湿疹が出やすい人によく見られるのが、セレン亜鉛といった栄養素のバランス不良です。これらの栄養素を十分に摂取するには、果物、野菜、ナッツ・種子類の他、タンパク源を毎日食べるように心がけ、総合的なマルチビタミンマルチミネラルのサプリメントを摂取することが大切です。他にも、乳酸菌を含むプロバイオティクスのサプリメントを摂取することで、マイクロバイオーム(腸内微生物叢)のバランスが整いやすくなり、健康な皮膚につながります。

‌‌抗炎症作用のある食事

湿疹や乾癬などの皮膚疾患は、血糖値異常の他、食物過敏症などの免疫機能障害と関連するケースが多いようです。例えば、非セリアック・グルテン過敏症は乾癬患者に多く見られますが、血糖値の問題も同様です。幸い、この2つの問題はいずれも、地中海食やDASH食(高血圧を防ぐ食事方法)のような抗炎症食を取り入れることで改善が図れます。iHerbブログには、地中海食をはじめとする抗炎症食に関する優れた記事が多数掲載されています。皮膚の状態が改善するかどうかを確かめるために、これらの食事を数週間ほど試しても良いか、かかりつけ医に相談してみてはいかがでしょうか。

‌‌‌‌フケ防止シャンプー

フケは、マラセチアという酵母菌の過剰増殖により、皮膚がカサつくことで起こります。フケ防止シャンプーが効果的数週間程度なら、ほとんどの方がフケ防止シャンプーを安全に使用できます。それで頭皮のカサつきが解消されれば、フケが原因であったと確信できるでしょう。フケが原因なら、しばらくして再発しても、またこのシャンプーを使えば良いだけです。

保湿ヘアマスク

私にとって、最も優れた部類の医学は「害を与えずに効果が期待できる」療法です。この場合、週に1〜2回、数分程度のヘアマスクをするのが効果的です。このヘアマスクは、エモリエント(皮膚の水分蒸散を防いで柔軟にする)効果のある成分で肌に潤いを与えます。そのため、炎症や乾燥が原因で頭皮が荒れている方の炎症やカサつきを抑えるだけでなく、髪のツヤも取り戻すと考えられます。

以上ご紹介したヒントを参考にすることで、手軽に頭皮の健康改善を図れるでしょう。

参考文献:

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