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風邪やインフルエンザの季節に備えて「免疫ツールキット」を揃える方法

著者:ヴィーナス・ラモス、医学博士

この記事の内容:


秋が近づくと気になるのが風邪やインフルエンザの流行です。ウイルスを原因とする咳やくしゃみをはじめ、さらに重い症状を未然に防ぐにはどうすれば良いのでしょうか。この問題への対処は、ウイルス感染症の大流行を背景に、ますます重要性が増しています。

‌‌免疫力維持の重要ポイント :

  • こまめな手洗い。
  • 顔を触らない(触るなら、必ず手を洗ってから)。
  • 病人との濃厚接触を避けること(2メートル以上離れる)。
  • 近くに水道や石けんがない場合でも手を清潔に保つために、外出時は手指消毒剤を携帯しましょう。CDC(米国疾病予防管理センター)では、アルコール度数60%以上の消毒剤を推奨しています。
  • インフルエンザワクチンが自分に合ったものかどうかを見極めるため、かかりつけ医に事前にご相談ください。

なお、風邪やインフルエンザの予防策の中には、年間を通じて一般的な健康づくりに取り入れる内容と同じものがいくつかあります。

「これらは生活習慣の問題です」と述べるのは、Pleasure Point Wellness and Functional Medicineのオーナーであるキャロル・シュウェリー博士です。博士は、自分の免疫力が気になる時こそ、「できるだけ免疫系を強化して丈夫な体を作るために、精神的にも、感情的にも、肉体的にも、健康への意識を高めることが大切」だと述べています。

‌‌‌‌最適な免疫系の健康を目指す生活習慣のヒント :

  • ストレスを適切に管理。
  • 睡眠を十分(毎晩7時間以上)とること。
  • 栄養価の高い果物や野菜を摂って免疫系をサポート。
  • 適度な有酸素運動など定期的な運動プランを継続。

この他にも、免疫系の健康維持に取り入れるようお勧めしたい要素があります。緊急時に備えて救急箱を用意しておくように、「免疫ツールキット」も揃えておきましょう。このキットを今から使い始めれば、風邪やインフルエンザの季節がやって来ても慌てることなく、免疫系は準備万端とも言えるでしょう。

なお、服薬中の方や、何らかの疾患がある方は、サプリメント摂取を開始する前にかかりつけ医に相談するのが賢明です。

免疫ツールキットに欠かせない6種類の栄養素と食品

‌‌‌‌‌‌‌‌免疫の健康に必須のビタミンD

体の正常な成長と機能に不可欠なビタミンDですが、体内で生成することはできません。ビタミンDが必須栄養素とされるのはそのためです。免疫系の主要な調節役であるビタミンDは、免疫系の健康に貢献する最も重要なビタミンの一つです。

実際には、皮膚が日光の紫外線B波(UVB)を利用してビタミンDを作ります。ただし、日焼け、熱中症、皮膚がんなどのリスクがあるため、十分なビタミンD濃度を確保しようと長時間日光に肌をさらすのはお勧めできません。

健康な免疫系の維持には、ビタミンD濃度を検査して最適値であるかどうかを確認すると良いでしょう。ビタミンD濃度を測定する際、判断基準に用いられるのは25-ヒドロキシコレカルシフェロール(別名 25-ヒドロキシビタミンD)です。有数の内分泌研究機関である内分泌学会が推奨する最低血中濃度は30ng/mLで、それ未満の場合はビタミンDサプリメントを1日1500~2000 IU摂取することを奨励しています。

ビタミンDには5種類ありますが、体内で主に利用されるのはビタミンD2(別名エルゴカルシフェロール)とビタミンD3(コレカルシフェロール)です。体内ではビタミンD3の方がビタミンD2よりも素早く効果的に変換されるため、サプリメント摂取が推奨されるのはD3です。

適量の摂取であれば、ビタミンDが健康に悪影響を及ぼすことはまずありません。ビタミンDは、摂取された食物のカルシウム吸収を助けることから、ビタミンDの過剰摂取の症状は、過剰なカルシウムの過剰摂取と概ね同様のものとも言えます。これらの症状には、吐き気、腹痛、疲労、めまい、精神錯乱、異常な喉の渇き、頻尿などがあります。

‌‌‌‌風邪対策にビタミンC

もう一つ、免疫系に高い効果が期待できる必須栄養素がビタミンCです。ビタミンCは、肉体的ストレスが多い個人の風邪の発症リスクを50%減少させることが研究で明らかになっています。

ただし、一般的には、ビタミンCが風邪を予防するというエビデンスはほとんどありません。

とはいえ、風邪やインフルエンザの季節に備えてビタミンC補給をお勧めするのには理由があります。1日200mg以上のビタミンCを習慣的に摂取することで、風邪の持続期間と重症度を軽減できることが研究でわかっているからです。一方、風邪を引いた後で初めてビタミンCを摂取した人を対象とした研究では、症状の改善は見られませんでした。

自然療法医であり、心と体の治癒法であるSomatic Awakeningの創始者でもあるメリッサ・ソフィア・ジョイ博士は、特定のタイプのビタミンCを推奨しています。「理想としては、リポソームビタミンCがお勧めです。胃腸に負担をかけることなく、体内への吸収率が最も高いからです」。

ビタミンCは、サプリメントとして一般的に安全です。ただし、高用量になると、吐き気や下痢など消化器系の副作用が生じる可能性があります。また、腎臓結石の既往歴がある方や、鉄が体内に蓄積される疾患がある方は、ビタミンC補給に注意が必要です。

‌‌‌‌亜鉛と免疫細胞の効果

亜鉛は、ある種の免疫細胞の正常な機能と成長に役立つ必須ミネラルです。亜鉛が不足すると、特定の白血球の活性が損なわれることが研究で実証されています。

亜鉛には抗ウイルス作用があるというエビデンスがあります。亜鉛は、特定のウイルスの複製を阻害することがin vitro(イン・ビトロ、試験管内)研究で示されています。また、亜鉛欠乏症患者の免疫系の抗ウイルス反応を改善することもできます。

風邪症状への亜鉛の効果を評価する研究を調べると、相反する結果が見られます。それでも、全体として、風邪症状に亜鉛補給は有効と言えるようです。「症状の発症後24時間以内に亜鉛を摂取することで、健康な人の風邪の持続期間と重症度が軽減される」と報告するコクランレビュー(コクラン共同計画のシステマティックレビュー)があります。

米国国立衛生研究所によると、成人の亜鉛の許容上限摂取量は1日40mgです。生後6カ月未満の乳児には4mgです。

亜鉛を過剰に摂取すると、吐き気、下痢、消化不良といった消化器系の副作用を引き起こす可能性があります。また、頭痛が生じることもあります。

さらに、消化管内で亜鉛と銅の吸収が競合することから、亜鉛の過剰摂取により吸収を阻害された銅の欠乏症が発生するリスクがあります。そのことからも、長期的な亜鉛補給に際し、高用量の摂取は避けた方が賢明でしょう。ちなみに、1日50~180mg程度の亜鉛であれば、1~2週間摂取した場合においても、重篤な副作用は報告されていません。

‌‌‌‌プロバイオティクスと腸の健康

腸内には膨大な数の免疫細胞が存在します。これらの細胞は、免疫系の約70%を占める腸管関連リンパ組織(GALT)を形成しています。腸が健康でなければ、免疫機能が低下し、炎症につながるおそれがあります。腸の健康維持や回復には、腸内の「善玉菌」と「悪玉菌」のバランスをうまくとることが目標です。

プロバイオティクスとは、消化管内に自然発生するフローラ(細菌叢)を構成する善玉菌のことです。これらの善玉菌は、有害微生物の侵入を防ぎ、免疫系をサポートし、腸の内壁(腸粘膜)を維持し、さまざまなビタミン、ミネラル、アミノ酸の吸収を高める働きを担っています。

ところが、悪玉菌が腸内で過剰に増殖すると、その悪玉菌が全身に炎症を拡大させる物質を生成してしまいます。このような過剰増殖の原因として、ストレス、飲酒、加工食品、炭水化物の過剰摂取などが挙げられます。

プロバイオティクス食品を摂取すると、善玉菌と悪玉菌のバランス維持と回復に役立つと考えられます。プロバイオティクス食品の代表として、キムチ、ザワークラウト、紅茶キノコ、グリーンオリーブ(塩水漬けのもの)などの発酵食品があります。他にも、腸内の善玉菌に栄養を与える難消化性繊維であるプレバイオティクスを摂ると良いでしょう。

プレバイオティクス食品の例 :

ここで美味しいヒントを一つご紹介しましょう。ダークチョコレートはプレバイオティクスとプロバイオティクス両方の供給源です。ダークチョコレートの賢い食べ方は、摂取量を1日20gまでと決め、カカオを70%以上含む製品を選ぶことです。

注:免疫不全の方やがん治療中の方は、プロバイオティクスの摂取に注意が必要です。該当する方は主治医にご相談ください。

‌‌‌‌マヌカハニーの抗ウイルス・抗菌性

マヌカはニュージーランドに自生し、白い花を咲かせる低木です。そのマヌカの木に受粉するミツバチによって作られるハチミツは、抗ウイルス性と抗菌性に優れ、従来のハチミツとは一線を画す存在です。そんなマヌカハニーなら、免疫系をサポートすることで感染症予防に役立つかもしれません。

マヌカハニーに含まれる2大物質、メチルグリオキサール(MGO)とジヒドロキシアセトン(DHA)は強力な抗菌作用が特徴です。他にも、マヌカハニーの治癒力を支える成分にフラボノイドとポリフェノールがあります。

しかも、マヌカハニーには、風邪やインフルエンザの症状を和らげる特殊な効果があります。研究では、咳の頻度や重症度を軽減するマヌカハニーの作用が示されています。また、喉の痛みを和らげる効果も期待できます。痛みの原因となる感染症対策にとどまらず、喉の粘膜を覆って保護し、鎮静作用をもたらします。

通常、マヌカハニーの製品ラベルには、抗菌力を示す数値が表示されています。表示方法として、「NPA」(非過酸化物活性)、「UMF」(ユニーク・マヌカ・ファクター)、「MGO/MG」(メチルグリオキサール)などがあります。一般に、数値が高いほど抗菌作用も高いとされます。

MGOの濃度は1kgあたり0〜1000mgです。「MGO 100+」と表示されているマヌカハニーは、メチルグリオキサールが100mg以上含まれているというわけです。1kgあたりのMGOが100mgなら抗菌性があるとされます。

一方、UMFが0〜5+の範囲内のマヌカハニーは抗菌性が低めで、通常のハチミツと変わりません。NPA値は基本的にUMFと同等です。

マヌカハニーは概ね安心して摂取できます。ただし、ボツリヌス菌が混入している可能性があるため、生後12カ月未満の乳児には与えないようにしましょう。さらに、糖尿病患者をはじめ、ミツバチや他の種類のハチミツにアレルギーがある方は、使用前に医師にご相談ください。

‌‌‌‌免疫力を高めるポリフェノール豊富な緑茶

緑茶摂取は免疫の健康にプラス効果をもたらすと考えられます。お茶に含まれるポリフェノールの中でも特にエピガロカテキンガレート(EGCG、没食子酸エピガロカテキンとも)とエピカテキンガレート(ECG)には、ウイルスや細菌の活性を抑制する力があることが研究で実証されています。

アミノ酸の一種であるL-テアニンも緑茶に含まれ、免疫反応を高めることが示されている成分です。L-テアニンは、特定の白血球の生産にも関与しています。他にも、L-テアニンは、免疫系の重要なシグナル伝達タンパク質であるインターフェロンγ(ガンマ)の生成に役立ちます。

緑茶は、飲料としてはもちろん、カプセルや抽出液としても摂取できます。飲料として適量を飲む限りにおいて、緑茶は安全であると考えられています。ただし、ポリフェノールの摂取量が800mgを超えると、その毒性により腎臓や肝臓が損傷を受ける可能性があります。

また、カフェインレスの製品でない限り、緑茶にはかなりの量のカフェインが含まれており、頭痛、不安、イライラ感、睡眠障害、心拍数増加、血圧上昇といった特有の副作用につながるとされるため過剰摂取には注意が必要です。

参考文献:

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