beauty2 heart-circle sports-fitness food-nutrition herbs-supplements

ターメリック活用方法 — 効能・関節の健康・用量

著者:ガブリエル・エスピノーザ、医学博士

この記事の内容:


人類は約4千年もの昔からターメリック(ウコン)を使用してきました。数千年にわたって染料、香辛料、薬用として重宝されてきたターメリックの起源は、このスパイスの使用法を説いた古代インドのサンスクリット文献にまでさかのぼります。ターメリックという英名は、黄金色の根にふさわしく、「素晴らしき大地」という意味のラテン語Terra meritaに由来します。スパイスとしてのターメリックの原料はショウガ科の植物ウコン(鬱金、学名 Curcuma longa)です。ターメリック栽培の目的である根茎が乾燥後粉末加工されて、おなじみのほろ苦い黄色いパウダーとなります。

ターメリックに含まれる成分で特に注目されているのがクルクミンです。このクルクミノイド(クルクミン類)のポリフェノールには、炎症や変性眼疾患の他、メタボリックシンドロームの管理にも役立つなど、数々の薬効成分があることが報告されています。ポリフェノールは、植物が紫外線、昆虫、細菌はもちろん、ウイルスの攻撃にも備えられるように発達した植物代謝産物です。食物の苦味、酸味、色彩、風味、酸化力の元となるのもポリフェノールです。

‌‌ポリフェノールとは?

ポリフェノールを多く含む食事に抗炎症作用があることが疫学研究でたびたび示されているため、クルクミンなどのポリフェノールが脚光を浴びています。ポリフェノールを分子レベルで見ると、細胞成分の酸化反応を安定化させる働きがあります。酸化反応については、細胞小器官の損傷につながるおそれがあります。その細胞小器官の一つが、体が吸い込む酸素を使って細胞エネルギーの多くを生成する、いわば細胞の発電所であるミトコンドリアです。抗酸化作用のあるベリー類、ナッツ類、体に良い脂肪、ターメリックなどの食物を摂ることで、酸化ダメージレベルの維持に役立つことが考えられています。

‌‌‌‌クルクミンの効能とは?

クルクミンは、フリーラジカルを中和する酵素活性に影響を与えることで、血中酸化ストレスマーカーを抑えるのに役立つ可能性があることが、複数のレビュー研究で示されています。炎症とは、組織の内外への刺激に反応して、同組織内で発生する一連の複合反応です。その組織を保護し、細胞損傷の初期原因を排除することが目標ではあるものの、無秩序な炎症が長期化すると、予想外の組織損傷を引き起こすおそれがあります。

この経路を作ろうと、細胞によってシグナル伝達分子が作られて放出されると、炎症細胞や分子が増えるというサイクルが延々と繰り返されます。つまり、さらなる炎症が生じるというわけです。クルクミンは、これらの細胞のシグナル伝達をブロックすることで、炎症性タンパク質や細胞の数を維持することが多数の研究で示されています。ところが、これらの研究の多くでは、クルクミンのバイオアベイラビリティ(生物学的利用能)が低いことがわかりました。そのため、摂取しても消化管で吸収されにくく、まもなく代謝されて体外に排出されてしまうのです。そこで、卵、植物油、バターミルク、ヨーグルトなどレシチンを多く含む食品にクルクミンを加えると、腸内での吸収が高まると考えられます。クルクミンに黒コショウの天然成分であるピペリンを組み合わせた研究では、ピペリンがクルクミンの代謝を遅らせることから、クルクミン濃度が20倍に増加することが示されました。

‌‌‌‌炎症がもたらす弊害とは?

炎症は、刺激物に対する体の自然な反応であり、また、炎症反応には2種類あることを覚えておきましょう。急性炎症反応は短期的なもので、通常は細菌、ウイルス、損傷といった一時的な刺激物を原因とします。ただし、この炎症が続くと炎症反応が第二段階に移ります。慢性期と呼ばれるこの段階で放置すると、さまざまな慢性疾患につながるおそれがあります。慢性炎症の兆候として、非特異的症状とはいえ、関節痛、体の痛み、慢性疲労、不眠症、気分低下、体重増減などが挙げられます。

関節炎の中でも、特に変形性関節炎は慢性炎症によるものとされています。クルクミンサプリメントを1日500mg〜2g摂取した複数の研究で、膝関節痛に改善が見られました。これらの研究では血中炎症マーカーが低下しなかったものの、これは関節炎のために関節腔内に存在する炎症性タンパク質によって得られた研究結果と考えられています。そのうちのある研究では、関節痛に緩和が見られたのはクルクミンサプリメントを摂取した2時間後だったのに対し、イブプロフェン(関節炎に推奨される非ステロイド性抗炎症薬)服用時は1時間後であったことがわかっています。クルクミンサプリメントの摂取期間は4〜12週間でした。

2型糖尿病の前段階であるメタボリックシンドロームも炎症との関連が疑われる病態であり、インスリン抵抗性、高血糖、高血圧、高中性脂肪(トリグリセリド)、低HDL(善玉コレステロール)、高LDL(悪玉コレステロール)、肥満など多岐にわたる症状が現れます。クルクミンとメタボリックシンドロームを取り上げた研究の多くで、クルクミンが血圧と炎症性マーカーを低下させ、インスリン感受性を改善することが示されています。これらの研究の一つで、クルクミンサプリメント1gを1ヶ月にわたって摂取したところ、中性脂肪値は低下したものの、コレステロール値や体脂肪に変化は見られませんでした。炎症、高中性脂肪、高コレステロールは、心血管疾患のリスクも高めることが示されていることから、クルクミンサプリメントにこのリスクを抑える可能性があると考えられています。

クルクミンの摂取方法

天然のスパイスであるターメリックを含むカレーには、このスパイスの乾燥重量の約3%のクルクミンが含まれています。一方、カレーパウダーのターメリック含有量はそれよりもはるかに少ないため、クルクミンの量も当然少なくなります。また、ターメリック入りハーブティー(ウコン茶)の他、ターメリックが入ったゴールデンミルクなどの飲み物でクルクミンの抗炎症作用を取り入れるのも一案でしょう。カレーと同様に、クルクミンの含有量は製品によって異なります。

ウコン根エキスを含むクルクミンサプリメントもクルクミン摂取にお勧めの方法です。成分表示ラベルに記載されたクルクミンエキスの含有率は、メーカーごとに大きな開きがあります。これらの表示内容を検証するために、独立した品質管理・保証機関が製品を検査し、各メーカーの指示があれば、表示内容が認証されることがあります。一部のクルクミンサプリメント処方には、クルクミンのバイオアベイラビリティ向上を目的に、黒コショウエキス(ピペリン)をはじめ、植物性ガムなどの脂質製剤を含む自社ブレンドのようなエキスも含まれています。最後に、クルクミンには、健康な皮膚の促進を図るために、コラーゲンフィルム、乳液、スポンジ、包帯といった外用剤としても機能する可能性があることが示されています。

‌‌‌‌クルクミンサプリメントの摂取量と安全性

クルクミンは、米国食品医薬品局(FDA)によって、安全な化合物として認められています。1日の最大許容摂取量は、3mg/kg(体重1kgあたり3mg)から1日あたり4〜10gまでさまざまです。現在まで、エキスを用いたほとんどの研究が1〜3ヶ月以内に実施されているため、クルクミンの長期使用による長期的な影響を示すエビデンスについてはまだありません。クルクミン使用による重篤な副作用は報告されていませんが、軽度のものとしては下痢、頭痛、発疹、黄色便などがあります。

現在服薬中で、クルクミンサプリメント摂取をお考えの方は、かかりつけ医にご相談ください。クルクミンは、既に抗凝固薬を服用している患者の出血リスクを増加させることが試験管内研究で示されているため、該当し得る薬物相互作用や懸念事項について必ず主治医にご相談ください。またその他、クルクミンパウダーに直接触れた後のかゆみや発疹といった接触アレルギーも報告されています。これらの症状が出た場合は、すぐに使用を中止してください。さらに重要な点として、息がゼーゼーする喘鳴(ぜんめい)や息切れ、嚥下困難(えんげこんなん。食べ物を上手に飲み込めないこと)、唇の腫れなどの症状が現れた場合は、クルクミンを含む製品の使用を中止し、直ちに最寄りの救急医療機関に連絡してください。

全体的に見て、代替物質として大きな可能性が示されているクルクミンは、健康的な身体機能の維持に期待できそうです。クルクミンは、鶏肉や野菜を中心とする食品に刺激的な風味と色彩を添える万能スパイスです。クルクミンをベリー類、赤身肉、体に良い脂肪分などと組み合わせれば、ポリフェノールたっぷりの食事になります。

なお、栄養補助食品の摂取する際は、必ず事前にかかりつけ医にご相談ください。また、製品ラベルをよく読んで適切なクルクミンの摂取量を判断することをお忘れなく。

参考文献:

  1. Biswas, S.; Does the Interdependence between Oxidative Stress and Inflammation Explain the Antioxidant Paradox? Oxid Med Cell Longev. 2016. doi: 10.1155/2016/5698931. Epub 2016 Jan 5.
  2. Carlsen, M., Halvorsen, B., Holte, K., et al.; The total antioxidant content of more than 3100 foods, beverages, spices, herbs and supplements used worldwide. Nutr J, 2010. 9: p. 3.
  3. Chaudhari, S., Tam, A., Barr, J.; Curcumin: A Contact Allergen. J Clin Aesthet Dermatol, 2015. 8(11): p. 43-48.
  4. Dei Cas, M., Ghidoni, R.; Dietary Curcumin: Correlation between bioavailability and health potential. Nutrients, 2019. 11(9): p. 2147.
  5. Hewlings, S., Kalman, D.; Curcumin: A Review of Its’ Effects on Human Health. Foods, 2017. 6(10): p. 92.
  6. Higdon, J., Drake, V., Delage, B., Howells, B.; Curcumin. Oregon State University. Linus Pauling Institute. Micronutrient Information Center. Webpage. 2016. Accessed 04/19/2020.
  7. Kunnumakkara, A., Sailo, B., Banik, K., et al.; Chronic diseases, inflammation, and spices: how are they linked? J Transl Med, 2018. 16(1) p. 14.
  8. Kunnumakkara, A., Bordoloi, D., Padmavathi, et al.; Curcumin, the golden nutraceutical: multitargeting for multiple chronic diseases. Br J Pharmacol. 2017. June;174(11):1325-1348. doi: 10.1111/bph.13621. Epub 2017 June.
  9. Pahwa, R., Goyal, A., Bansal, P., et al.; Chronic Inflammation. In: StatPearls Webpage. 2020; Accessed 4/19/2020.
  10. Pandey, K., Rizvi, S.; Plant polyphenols as dietary antioxidants in human health and disease. Oxid Med Cell Longev, 2009. 2(5): p. 270-278.
  11. Prasad, S., Aggarwal, B.; Turmeric, the Golden Spice: From Traditional Medicine to Modern Medicine. In: Benzie IFF, Wachtel-Galor S, editors. Herbal Medicine: Biomolecular and Clinical Aspects. 2011; Accessed 4/19/2020.
  12. Sahebkar, A., Serban, M., Ursoniu, S., Banach, M.; Effect of curcuminoids on oxidative stress: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Journal of Functional Foods, 2015. 18(B): p. 898-909.
  13. Skiba, M., Luis, P., Alfafara, C., Billheimer, D., Schneider, C., Funk, J.; Curcuminoid Content and Safety-Related Markers of Quality of Turmeric Dietary Supplements Sold in an Urban Retail Marketplace in the United States. Mol Nutr Food Res. 2018. May;29:e1800143. doi: 10.1002/mnfr.201800143. Epub 2018 May.
  14. Tayyem, R., Heath, D., Al-Delaimy, W., Rock, C.; Curcumin content of turmeric and curry powders. Nutr Cancer, 2006. 55(2): p. 126–131.
  15. Vollono, L., Falcon,i M., Gaziano, R., Iacovelli, F., Dika, E., Terracciano, C., et al.; Potential of Curcumin in Skin Disorders. Nutrients. 2019. 11(9): p. 2169.
健康

中国伝統の薬用ハーブのトップ9

健康

クルクミン — エイジングケアに最適なサプリメント

健康

マリアアザミ(ミルクシスル):肝臓の健康サポートに最適なサプリメント