タンパク質の摂取量は、減量中の管理と調整が欠かせない最も重要な要素の一つです。この多量栄養素(タンパク質の他、脂質と炭水化物を指し、マクロ栄養素とも呼ばれる)は体内で大きな役割を果たしており、筋肉や除脂肪体重の維持を助ける働きがあるため、特に体内エネルギーが限られている減量時は要となる存在です。

この記事では、減量中のタンパク質摂取量の調整方法についてご説明します。具体的には、どの程度タンパク質を増やせばいいのか、また、目標とするタンパク質摂取量の目安といった疑問にお答えしていきたいと思います。

‌‌タンパク質の摂取量を調整する理由とは

一般に、減量期の目標として 1)体重を減らすこと、2)体脂肪を減らすこと、の2つがあります。覚えておきたいのは、摂取カロリーを調整して減らすと、体の成長、回復、除脂肪体重の維持に利用できるエネルギーも少なくなってしまうことです。

体重を減らす

第一目標である減量については、1日の摂取カロリーに大きく左右されます。ダイエットが進み、エネルギー消費量が減り続けると、体脂肪と筋肉量がさまざまな率で落ち始め、体重が減少していきます。

減量に影響を与えるもの

体重減少率には個人差があり、多様な要因に基づいて変化しますが、その代表的なものは以下の通りです。

  • 開始時(現在)の体重
  • 現在の栄養摂取量と調整後の栄養摂取量(カロリー制限の程度)
  • 減量期の長さ
  • 現在の除脂肪筋肉量(現在の筋肉量)

減量期には、成果を上げるための誰にでも万能な王道というものはありません。上記の要素を考慮した上で、たとえ自分が望むペースで減量していなくても、目標を客観的かつ現実的に捉えて取り組むことが大切です。

体脂肪を減らす

体重減少率は人によって異なりますが、重要なポイントに集中して着実に続けることができれば、長い目で見て大きな成果となるでしょう。体重と同じく、体脂肪と筋肉の減少率にもやはり個人差がありますが、減量期に覚えておきたい目標は筋肉量の減少を抑えることであり、これが第二目標である体脂肪の減少につながります。

体脂肪は体重よりも落としにくいもので、人によって体脂肪の減少率はもちろん、部位も異なるため、計画的に取り組む必要があるでしょう。そこで鍵となるのが、トレーニングとタンパク質摂取量を調整することです。

筋肉は、毎日のカロリー消費量の増加を促し、多数の身体機能をサポートする組織です。減量期に除脂肪筋肉量の維持が最優先となるのはそのためです。

要は、減量期間中に除脂肪筋肉量を維持するように心がけることが将来的な成功につながるのです。除脂肪体重を増やすことで多くのメリットが得られますが、その内容は各個人の生活習慣によって異なります。

‌‌‌‌減量時のタンパク質摂取量を判断する方法

一般的に、減量が進むにつれてタンパク質摂取量を増やす必要があります。カロリー摂取量が減り続けると、除脂肪筋肉量を維持するためにタンパク質の摂取量を増やさなければなりません。

そうなると、残りの多重栄養素である炭水化物と脂質の摂取量が調整されることになりますが、これは当然のことです。なぜなら、タンパク質の摂取量が増えると、現在のカロリー制限の目標を達成するために、タンパク質から得られる付加カロリーを確保する余地が必要となるからです。

減量開始時にすべきこと

減量を始めることにしたら、目標に向かって積極的に続けられ、自分の食生活に合った実践的なタンパク質摂取量を設定することが重要です。

例えば、研究で推奨されている減量開始時の摂取量は、除脂肪体重(総体重から体脂肪を差し引いた値)1kgあたり2.3〜3.1gです。この量であれば、1日の摂取カロリーが減っている状態でも、除脂肪筋肉量を維持するのに十分なタンパク質が摂取できます。

その後、減量が進むにつれて、タンパク質の摂取量を増やしていくことになります。この間の重要なポイントには以下のようなものがあります。

  • 体脂肪量
  • 現在のタンパク質摂取量
  • 除脂肪体重:現在の筋肉量
  • ダイエット期間:摂取量制限を続けている期間含む。

減量期のタンパク質摂取量を調整する上で最も簡単な方法は、体脂肪率を把握し、それに応じてタンパク質の摂取量を切り替えていくことです。体脂肪が減ると、タンパク質の摂取量を増やさなければなりません。

体脂肪を把握するにはさまざまな方法がありますが、2~3週間に一度、一貫した手段で体脂肪率を測定することをお勧めします。

タンパク質の摂取量をさらに増やす

体脂肪量の低下に伴い、タンパク質の摂取量を増やす必要があることがわかったところで、次はその具体的な量についてご説明しましょう。

一般的には、以下の範囲内でタンパク質の摂取量増加を図ると良いでしょう。

体脂肪15%以下の男性と23%以下の女性は、除脂肪体重1kgあたり2.6〜3.1gの摂取量が目安です。

当初の摂取量から見て、体脂肪が上記の数値内かそれ以下に減少した場合は、幾分多めのタンパク質摂取量にします。例えば、2.3gの摂取量から始めた方は、2.5〜2.6gに移行してみてはいかがでしょうか。ただし、各自の1日の摂取量や必要性に応じて、実現可能な数値を設定することをお忘れなく。

上記の例よりも体脂肪が多めの方は数値を若干下げ、体脂肪率16%以上の男性と24%以上の女性は除脂肪体重1kgあたり2.5〜2.8gを目安にしましょう。この場合も、やはり前述の要素に基づいて摂取量を調整してください。

‌‌タンパク質の摂取量を増やす3つの方法

タンパク質の摂取量を増やすといっても、具体的にどうすれば良いのか悩むところではないでしょうか。そこで、減量中に1日のタンパク質摂取量を増やす上でお勧めしたい実践的な方法を3つご紹介しましょう。

  1. 摂取を分散させる:タンパク質の摂取量を増やす最も簡単な方法の一つは、1日のうちに摂取を分散させることです。つまり、朝から夜までどの食事や間食でもある程度のタンパク質を摂るようにすることで、1日の摂取目標を達成しやすくなります。
  2. プロテインパウダーを取り入れる:プロテインパウダーはタンパク質の摂取量を増やすのに最適な食品です。ほとんどのプロテインシェイクで良質な低カロリーのタンパク質がたっぷり摂取できる上、生活習慣や運動パフォーマンスの目標を達成するために必要な他の多量栄養素のカロリー増加にもつながり、一石二鳥と言えるでしょう。
  3. 運動後のタンパク質摂取を増やす:タンパク質の摂取量を増やすと、ワンパターンになりがちで飽きてしまうこともあります。そこで、運動後の食事でなるべく多めにタンパク質を摂取してみてはいかがでしょうか。そうすることで、体の回復に役立つだけでなく、食欲が高まっている時に1日の摂取量をしっかり確保できます。

減量期には、体脂肪(と体重)の減少に合わせてタンパク質の摂取量を増やすことが不可欠です。体脂肪の減少に伴い、除脂肪筋肉量をできるだけ維持することで、今後の体重増加期、維持期、減量期の目標達成につながります。

‌‌‌‌良質なタンパク源7種

全体的な健康増進や減量を目標とする方はそれに合ったタイプのタンパク源を探したり、食事制限中の方はタンパク質の種類を吟味して選ぶと良いでしょう。以下は、代表的なタンパク源です。

  1. プロテインパウダー:乳製品を摂取する方ならホエイプロテインカゼインプロテインを取り入れたり、ヴィーガンや乳糖不耐症の方には植物性プロテインパウダーがお勧めです。
  2. ボーンブロス(骨スープ)
  3. プロテインバー:無加糖の製品を選びましょう。
  4. マメ類(インゲン豆、レンズ豆など)
  5. ナッツ・種子類
  6. 魚介類
  7. オーガニックの牛肉、豚肉、鶏肉

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