前回の男性のための筋肉増強についての記事では、筋肉増強とは何か、そして筋肉増強の基本についてもご説明しました。まだお読みでない方は、今回の筋肉増強の記事の骨組みとなりますので是非ご一読ください。

筋肉増強にはさまざまな方法があります。最も重要なのは、自分の生活習慣に合った計画に従い、着実に筋肉増強の目標に取り組むことです。筋肉増強計画を立てる際に役立つ方法は、引き締まった良質な筋肉作りに必要なことですが、さまざまな側面を削ぎ落としていくことです。

この記事では、筋肉増強計画を仕上げる上ですぐに使える手順をご紹介したいと思います。まず、目標となる理想的なトレーニングプランを見つけることから始まり、その後、栄養と回復に進みます。

1. 正しいトレーニングプランを見つける

最初に覚えておきたいのは、自分に合った理想のトレーニングプランを探すと言っても、完璧なプランなど存在しないということです。とかく、フィットネス愛好家は、常に完璧な計画を探し求めるあまり一貫したトレーニングが続かず、着実に進歩できないという罠に陥ることがあります。

そうならないためには、完璧なプログラムを探すのではなく、あくまでも今の自分にとって最適な内容を見つけるように頭を切り替えることが大切です。そんな理想的な内容を見つける一番の方法は、自分の目標をしっかり立て、それに合わせていろいろ調べてみることです。

目標を設定

少し時間をかけて、トレーニングの目標を書き出してみます。そして、自問してみましょう。自分はなぜトレーニングをしているのか。また、何を目標としているのか、などです。ここまでできたら、次はミクロ(小)、メゾ(中)、マクロ(大)に分類した目標リストを作ります。

  • ミクロ:ミクロ目標は、約1ヶ月以内に取り組める短期的な目標を指します。例えば、ジムに丸1週間通うことや、1週間のうち6日間は新たな栄養計画に従うといった目標が挙げられます。このミクロ目標は、プロセスや習慣の変化に根ざしたものが最も効果的です。
  • メゾ:メゾ目標とは、数ヶ月〜1年間という中間的な期間を対象とする目標です。メゾ目標の例としては、新たな1RM(レップマックス=最大挙上重量)を達成する、体重を5kg落とす、除脂肪質体重を増やす、などがあります。
  • マクロ:マクロ目標は、達成までにある程度の時間を要する長期的かつ包括的な目標です。一例を挙げると、子供が大きくなったら一緒にスポーツを楽しめる健康で丈夫な体を作ることなどです。このマクロ目標は、一貫したトレーニングを行うための主な理由と考えると良いでしょう。

トレーニングの目標を書き出す際は、各セクションに1~4項目ほど挙げてみて、自分にとって重要性の高い順に並べます。これで、自分に最適なトレーニングプランを探せるようになります。

トレーニングプランに求めるもの

優れたトレーニングプランというのは、目標達成に向けた明確な手順を表しているものです。ここでは、理想のトレーニングプランを探す際に考慮すべき3つのヒントをご紹介します。

  • 頻度を考慮:現実的に可能なトレーニング頻度は、運動のアドヒアランス(積極的かつ真摯に取り組むこと)に大きな役割を果たし得るため、実は想像以上に重要です。そのため、自分のスケジュールや要望に合った計画を見つけるのは一案です。ただトレーニング頻度が多ければ良いというものではありません。特に、頻度を増やしたことが負担となってトレーニングが続かなくなったり、渋々続けているようでは本末転倒となってしまいます。
  • トレーニングモードを評価:運動プログラムには、利用できるトレーニング機器と、楽しんで続けられるエクササイズが含まれていることが大切です。ついつい、見聞きした情報に基づいて「正しい」と感じたトレーニングプログラムに飛びついて、心からやり甲斐を感じないまま運動しているせいで、結局は身につかないケースが多いのが現状です。つまり、自分が楽しめる運動が含まれているプランを見つけることがアドヒアランスの向上につながるのです。
  • スケジュールを念頭に置いて現実的に考える:ほとんどのメゾ目標とマクロ目標の達成に必要なのは時間と一貫性です。トレーニングプランを探す際は、少なくとも2~3ヶ月間の計画を見つけると、より正確に進行状況を把握し、次の目標を評価しやすくなります。なお、短期の運動計画はいつ立てても良いのですが、長期計画に従うことでわかってくる体組成と筋力の傾向を評価するには短期計画は不向きです。

2. 栄養計画を立てる

最適な栄養計画とはどんなものでしょう。それはずばり、現実的に続けられるものです。これはごく簡単なようでいて見落とされがちではないでしょうか。どんな習慣でも、しっかり身につけるには時間がかかるものですが、栄養における選択となるとなおさらです。

栄養計画を急激に変更すると、アドヒアランスが悪くなりやすく、目標達成に時間がかかってしまいます。そこで、賢く栄養計画に取り組むためにお勧めのヒントをいくつかご紹介しましょう。

総カロリー量を設定

体組成と体重の目標を立てたら、次はその目標を後押しする総カロリー量とマクロ(多量)栄養素の内訳を空欄に記入していきます。カロリーや栄養価を計算するには専門家に相談するのが一番ですが、そこまでできそうにない方は、次の手順に進むと良いでしょう。

現在のカロリー摂取量を定着させる優れた方法は以下の通りです。

  • 朝起きたら、水分や食物を摂取する前に体重を測ります。
  • 2~3日間、摂取したものを(カロリーがあるものはすべて)記録します。
  • 毎朝起きたら、水分や食物を摂取する前に体重を測ります。

自分で測定した体重が連日ほぼ変わらないのであれば、体重維持期の食事をしている可能性が高いため、記録した日の平均カロリー摂取量に基づいてカロリー目標を立てられます。

  • 体重増加を目指しているなら、毎週、摂取量を300~500カロリー増やすことを目標にします。
  • 維持期なら、現在の摂取量を続けます。
  • 体重減少が目標なら、毎週300〜500カロリー減らすように努めます。

じっくり確実に減量するのための現実的な目標は週に0.5〜1kg減らすことです。

マクロ栄養素を評価

マクロ栄養素の1日の合計摂取量は、各個人の包括的な目標によって異なります。というのも、マクロ栄養素は複数の要因によって大きく変化するからです。

栄養計画を始めるにあたり、基本となる栄養素の割合は以下の通りです。

  • 脂質:最適な1日の脂質摂取率は総カロリー摂取量の20~30%です。特に多く摂りたい健康的な脂質源には、ココナッツオイル、アボカド、アボカドオイルチアシードなどがあります。
  • 炭水化物:目安は1日のカロリー摂取量の35~65%です。全粒穀物、果物、でんぷん質の野菜を中心に摂るようにしましょう。
  • タンパク質:目標に応じて1日の摂取カロリーの15~35%が目安です。なお、アスリートなど活動的な方の他、高齢者、減量を目指している方などは、必要摂取量の割合が高い傾向にあります。代表的な食物源は赤身肉の動物性タンパク質ですが、肉を食べない方は植物性タンパク質プロテインパウダーを積極的に摂りましょう。

著者注:上記の割合は、各自の全体的な目標に基づいて変化します。同じようにトレーニングしている人でも、マクロ栄養素の割合には個人差があります。

3. 運動後の回復を徹底

一歩一歩確実に進歩するには、回復を優先することが肝心です。十分な栄養素、ミネラル、睡眠を確保することで、毎回のトレーニングセッション後の回復に向けて継続的に取り組んでいくことができます。

睡眠は、回復と成長を左右する最大の要素と言えます。これは特に、筋肉増強や体重減少の他、強い体作りを目指す活動的な方にも当てはまります。

睡眠が不足している方は、体をほぐして深い安眠につくための準備となる睡眠前の習慣をつけることをお勧めします。

そこで、毎晩取り入れたい健康的な習慣を6つ挙げてみました。

  • 実行しやすい時間を選んで毎日一定の就寝時間を決めます。
  • 就寝の60〜90分前以降は飲食を控えます。
  • 就寝の30〜60分前以降は電子機器の使用を控えます。
  • 就寝の30分前にマグネシウムを摂取するとリラックスしやすくなります。
  • 10分ほど軽くヨガや瞑想をして、神経を落ち着かせるように心がけましょう。
  • 寝る前に読書する習慣をつけます。

また、睡眠以外にも回復力を高めるためにできることがあります。私がよくお勧めする定番は、エプソムソルトやミネラルを入れたお風呂に入る習慣や、免疫系をサポートする亜鉛を摂取すること、寒い時期にビタミンDを増やすことなどです。さらに、多くの運動後の回復用サプリメントには、筋肉の回復をサポートするために配合された栄養素が含まれています。以上の要素は、いずれも体の回復力を高める効果が期待できるでしょう。