年明けは、数ヶ月先までの目標を定め、それを達成するために綿密な計画を立てる絶好の機会です。自然療法医である私には、健康状態が良好であれば、目標達成がはるかに楽であることがよくわかります。そこで今回は、2021年に取り入れたいウェルネス習慣に向けたお勧めの方法をご紹介したいと思います。これらの方法を身につければ、かなりハードルが高い目標も達成できるようになるでしょう。

まず、健康の基礎となる睡眠、運動、栄養から始めます。次に、その基礎を、つながり、喜び、自信でしっかり固めていきます。

1. 睡眠を改善

睡眠不足は、心血管疾患、がん、うつ病など多数の慢性消耗性疾患のリスクの他、寿命短縮のリスク増加にも関連するとされています。また、睡眠不足により、集中力が低下したり、食事の栄養バランスが乱れやすくなったり、安全に運動できる体調が確保できなくなるため、睡眠をおろそかにすると、他の目標達成に支障が出てしまいます。

睡眠不足気味の方へのアドバイスは、今年こそ睡眠を改善し、より長く健やかに、しかも楽しい人生を自分に贈るという意識を持つことです。なお、睡眠障害や不眠症が原因で十分に眠れないという方は、医師の診察を経て、専門的な検査や治療を受けるようにしてください。それ以外なら、就寝時間、睡眠衛生、睡眠のための栄養など、自分でコントロールできる範囲で睡眠不足解消を図りましょう。

規則的な就寝時間を定着させるには、一定のパターンを作るのが一番です。例えば、目標とする就寝時刻の約1時間前に鳴るように優しい音のアラームを設定します。これを合図に、電子機器を片付けたり、心を落ち着かせるエッセンシャルオイルなどを入れたお風呂に入ったり、リラックス効果のあるハーブティーを淹れてみてはいかがでしょうか。

お休み前は、照明はもちろん電子機器もすべて消し、遮光カーテンを閉めて朝日が入らないようにするなど、できるだけ寝室を暗くしておきます。それができない場合は、アイマスクを使って目に光が入らないようにすると良いでしょう。このように、なるべく寝室を暗くしておくことは、入眠時刻と睡眠持続時間を体に伝えるホルモンであるメラトニンを体内で生成する上で大変重要です。(注:日本国内のお客様へ:メラトニンを含む製品につきまして、iHerbでは2ヶ月分まで購入が可能です)

もし、在宅勤務になったことで調子が狂い、睡眠スケジュールが乱れた場合は、こちらの記事睡眠スケジュールをリセットと関連動画をご参考ください。

2. 自分のビタミン濃度を把握

毎年、CDC(米国疾病予防管理センター)では、国民健康栄養調査という調査を行い、アメリカ国民の栄養摂取不足や栄養欠乏を評価しています。そこで、驚くべき事実が明らかになりました。アメリカの成人の10%にビタミンB6鉄分が不足しているのです。アメリカ人の1割ですから大変な数にのぼります。

このような欠乏の症状には、倦怠感、抑うつ気分、免疫機能低下、皮膚発疹などがあります。心当たりがある方は、これらの栄養素が不足している可能性があることを踏まえて、医師に検査を依頼することをお勧めします。

米国国民の食事と栄養の生化学的指標に関する第2報告書によると、アメリカでは他にも一般的な欠乏例が多く見られます。その一例を挙げると、アメリカの成人の8〜30%にビタミンDが不足しています。また、6%にビタミンC欠乏が見られます。1990年代後半に葉酸強化の取り組みが実施されるようになるまでは、人口のかなりの部分が葉酸欠乏でもありました。

このようにビタミンやミネラルが欠乏しているかどうかは、本人にしかわかりません。現在の健康はもちろん、将来の健康のためにも、かかりつけ医に相談し、食事から十分な栄養を摂取しているか確認し、不足している場合は医師の指示に従って栄養を補給することが大切です。これらのビタミンとミネラルの各推奨量を毎日確実に摂取できる安全かつ効果的な方法はマルチビタミンを使用することです。

もちろん、長年言われてきた通り、毎日5種類以上の野菜や果物を食べることは、簡単においしく抗酸化物質、ビタミン、ミネラルの摂取量を増やす方法です。新鮮な果物は保存がきかないのが欠点という方もご心配なく。トレイルミックスフリーズドライフルーツスープ、チリなどを常備しておけば、毎日のビタミンやミネラルの推奨摂取量を楽にクリアできるようになります。

3. さらに運動習慣を徹底する

ジムで汗だくになって全力を尽くさないと運動したことにならないと感じている人は少なくありません。これは大きな勘違いです。心血管系の健康を維持するためにアメリカ心臓協会が推奨するのは、中強度の運動を週150分行うことです。つまり、約30分の運動を週5回行えば良いのです。これなら、ハイキングしたり、オンラインダンス動画に合わせて踊ったり、ヨガクラスを受けたりする他、子供と外で遊ぶだけでもOKです。

それでも、一貫した運動習慣を続けるのが難しいという方は、カレンダーに予定を入れて、クラブに入会したり、大会に参加するなど、運動とコミュニティ活動を組み合わせてモチベーションを高めてはいかがでしょうか。他にも、ちょっと贅沢してフットケアに投資してみたり、とっておきの音楽プレイリストを作ったり、今までやったことのないタイプの運動を試してみるなど、刺激的で楽しめる、真のセルフケアのような感覚で取り組んでみましょう。

4. 深呼吸をする

酸素は私達にとって最も重要な栄養です。ところが、呼吸パターンに乱れが生じる人は多く、そうなると細胞に酸素を供給する能力が損なわれてしまいます。例として、過呼吸になりやすい人に多い症状に、不安、胸の圧迫感、しびれ、口の周りや手足のチクチク感などがあります。

幸い、呼吸タイマーを使って瞑想や深呼吸を行うことで呼吸パターンを改善できます。呼吸パターンの改善に役立つ無料アプリや瞑想動画が多数ありますので大いに利用しましょう。こうして、毎日少なくとも20分間トレーニングや瞑想を行う習慣を身につけることで、呼吸に変化が見られるようになります。その上、心の和らぎも手に入るでしょう。

さらに、自宅の空気をきれいに保つことは、健康維持の重要な要素です。消臭スプレーを使うなら、エッセンシャルオイルのみを使用し、刺激の強い化学物質を含まない健康的な消臭剤がお勧めです。一日のうち何度か窓を開けて換気し、エアフィルターも定期的に交換しましょう。また、交通量の多い道路の近辺などで運動をする場合は、運動中に吸い込む空気中の浮遊微粒子の侵入を減らすためにマスク着用をお勧めします。

5. 生活に喜びを見い出す

特に辛い時期など、生活に喜びを見い出すにはかなり強い意志が必要です。自分のために喜びを見い出すというのは、ふと笑顔になる些細な出来事に目を向けることかもしれません。例えば、古い写真を眺めたり、楽しい音楽を聴くのも良いでしょう。他にも、好きな香りをかいでみたり、自然の中に身を置くのも効果があるかもしれません。

さらに、他の人に喜びを分けてあげることは、実は自分にとっても大きなプラスになる素晴らしい方法です。利他主義、つまり自分より他人を優先する行為は、意外なほど心身の健康に良いというエビデンスが多数あります。また、自分に対しても他者に対しても、思いやりの気持ちを持つことは、免疫系から心血管系に至るまで、体内のあらゆるシステムの健康バイオマーカー(生理学的指標)を増加させることがわかっています。

そこで、1日1回30秒かけて自分の生活に喜びを見い出すのと同じように、ほんの少しの時間でも他の人の生活に喜びを分けてあげるように心がけましょう。ちょっとしたメモやメッセージまたはカードを送ったり、電話をかけるだけでも誰かを笑顔にすることができ、自分自身の充実感にもつながります。

この記事が、2021年の抱負を決める上で、また、生活のあらゆる面でお役に立てば幸いです。重要なことは、睡眠、運動、栄養の基礎づくりです。それができたら、次は呼吸法、つながり、喜びをプラスして基礎を固めていきましょう。以上をすべて実行すれば、2021年は人生最高の年になるかもしれません。

参考文献:

  1. About NCHS Nutrition Data. Accessed December 15, 2020. https://jp.cdc.gov/nchs/data/factsheets/factsheet_nutrition_data.pdf
  2. Centers for Disease Control and Prevention, National Center for Environmental Health, Division of Laboratory Sciences. CDC’s Second Nutrition Report: A Comprehensive Biochemical Assessment of the Nutrition Status of the U.S. Population Report Measures 58 Indicators of Diet and Nutrition New Report Uses NHANES Results.; 2012. https://jp.cdc.gov/nutritionreport/pdf/4page_%202nd%20nutrition%20report_508_032912.pdf 
  3. Appendix 1. Physical Activity Guidelines for Americans - 2015-2020 Dietary Guidelines | health.gov. Health.gov. Published 2015. Accessed December 15, 2020. https://health.gov/our-work/food-nutrition/2015-2020-dietary-guidelines/guidelines/appendix-1/#:~:text=For%20substantial%20health%20benefits%2C%20adults,and%20vigorous%2Dintensity%20aerobic%20activity.