腸から免疫系をサポートする際にすべきこと・してはいけないこと

著者:ジョシュ・アックス博士、自然療法医、カイロプラクター、臨床栄養士
この記事の内容:
いつどんな時でも、免疫系の健康を重視するに越したことはありません。ただ、一つ皆さんにお伝えしたい重要なメッセージがあります。それは、今まで試したことはおろか、聞いたことすらないような方法で、免疫系の健康をサポートする一歩を踏み出せるということです。
健康な免疫系は健康な腸にあり
すべきこと:(免疫系の70〜80%が腸に集中しているため)免疫系の中心である腸に焦点を当てる
してはいけないこと:腸の健康を軽視して酷使する
複雑なテーマである免疫系と腸の関係についての研究は今も続行中です。
とはいえ、既にわかっていることもあります。例えば、人体にはおびただしい数の有益細菌が常在し、マイクロバイオーム(微生物叢)を形成していることです。マイクロバイオームとは、栄養吸収を助けたり、健康を維持したり、更に食欲や体重を調節したりと、さまざまな面で全身をサポートしてくれる体内の生態系と言えます。
私達一人一人の体内に生息するこの微生物の集合体は、ほとんどが消化器系(特に腸)に集中しています。さらに、体が、健康なコラーゲンを生成し、最適濃度を維持する能力は、腸内環境の整合性を維持する上で重要な役割を果たし、免疫系全体の健康に直接影響を与えます。
では、腸内にはどの程度の免疫系が存在するのでしょう?前述の通り、全免疫細胞の70~80%が腸に常在すると考えられるようになりました。
なんと、体内にはヒト細胞をわずかに上回る数の微生物が存在し、その大半が消化管に集中していると推定されています。
今日では、腸の健康が全身の健康につながると考えられるようになりました。腸の整合性はもちろん、腸全体の健康を維持することが健康の重要な側面であるのはそのためです。
健康なコラーゲン濃度の維持を心がける
すべきこと:免疫に重点を置いた賢い腸サポートには、主な「コラーゲンの敵」を避ける
してはいけないこと:睡眠不足、糖分の摂り過ぎ、ストレス、栄養バランスの悪い食事など。
日常生活の多くの側面が、腸内をはじめ全身のコラーゲンに影響を及ぼすと考えられます。
避けるべき主なコラーゲンの敵:
これらのコラーゲン減少因子を避ける以外にも、免疫サポートの心がけを腸のサポートに集中させることが重要です。
そこでお勧めしたいのが、複数の原料由来の良質なコラーゲン配合のマルチコラーゲンタイプのサプリメントを補給することと、SBOプロバイオティクス(土壌性微生物)を試してみることです。このプロバイオティクスは常温保存が可能で、胃酸、胆汁、体温での生存に適応しています。
甘い物が食べたい衝動を健康的な代替品で抑える
すべきこと:甘い物に賢く対処
してはいけないこと:加工糖の過剰摂取
甘い物が食べたい衝動を抑えるのは簡単なことではありませんが、衝動に負けてしまうと、望ましくない結果につながる可能性があります。さらなる研究が必要とはいえ、実際、糖分の摂り過ぎは免疫機能に(少なくとも一定期間中)悪影響を及ぼすと言われています。
そこで、もしこれからの季節、秋から冬にかけて無性に甘い物が食べたくなったら、抗酸化物質たっぷりのグラウンディング(地に足がついて大地や自然とつながった)レシピを試してみてはいかがでしょう。
火を通したリンゴやナシは、アーユルヴェーダでは秋の定番で、この時季にありがちな気分の浮き沈みをなだめ、季節の変わり目の体調維持に役立つとされています。
リンゴ・ナシ煮レシピ
2人分
材料 :
作り方:
- リンゴとナシは皮をむいて芯を取り、食べやすい大きさに切ります。
- 小鍋かスロークッカーにギーを入れて中火で溶かし、スパイスを加えてさっと火を通します。
- リンゴ、ナシ、水を加えます。
- 煮立ったら弱火にします。
- そのまま約20分、果物が柔らかくなるまで煮込みます。
元のスケジュールに戻す
すべきこと:乱れたスケジュールを組み直す
してはいけないこと:昼夜逆転の生活を続ける
急にスケジュールを修正しようとすると、免疫系に影響が出ることがあります。夜更かしをしたり、電子機器を見ている時間が増えたり、夕食後に間食をしたりすると、免疫系の健康を支える重要な要素である睡眠にしわ寄せが行きやすくなります。
そこで、正常な睡眠を取り戻す方法をご紹介しましょう。
就寝時間を決める:いつも決まった就寝時間を目標とするのは子供達だけの特権ではありません。あらためて健康的な就寝時間を目指しましょう。ただし、とにかくといきなり変えるのだけはやめましょう。例えば、午前1時まで起きていた方なら、毎週30分づつ就寝時間を繰り上げ、毎晩その時間に床について徐々に目標時間を目指すようにします。
新たな就寝習慣を定着:深い眠りにつくには、就寝時間を決めておくことが大切です。これは、急速眼球運動(REM)すなわちレム睡眠が起こる段階であり、正常な体のデトックスプロセスとバランスのとれた体を保つために不可欠です。
睡眠が十分でなく、疲れが取れないようなら、以下のコツのいずれかを試してみてはいかがでしょう。
- 就寝前の歯磨きの前にバレリアンやカモミールティーを飲む
- 気分を高める本を1〜2章程度読む
- 就寝前の2時間以内は電子機器を一切見ないようにする。ただし、就寝30分前でも若干の効果あり
- 腸をサポートするマグネシウムや気分を鎮めるアシュワガンダ入りの飲み物を夜の軽食にして手軽に睡眠サポート
エルダーベリーで免疫系の健康をサポート
すべきこと:エルダーベリーのサプリメントを摂取(すべきというよりも、むしろ推奨ではありますが)
してはいけないこと: 見かけによらず糖分が大量に添加された製品を使用
他にも、健康な免疫サポートにお勧めしたいサプリメントに、ビタミンCや酵素活性化亜鉛などがあります。エルダーベリーは、一般に免疫系の健康をサポートするとして古くから信頼されてきたハーブです。実際、エルダーベリーを使ったレシピの記録は古代エジプトに遡ります。史料によって、エルダーベリーが何世紀にもわたって治療師らの必需品であったことがわかります。
エルダーベリーのサプリメントの効果を最大限に発揮させるには、人工甘味料、糖分、合成着色料が無添加の発酵タイプを選ぶのがポイントです。
免疫力を高める栄養に注目
すべきこと: お勧めしたいNo.1食品を含む適切な食事で強固な基盤を構築
してはいけないこと: 免疫機能を妨げる加工食品への依存
ボーンブロスプロテイン
訓練を受けた臨床栄養士として、健康維持に最適な食品をまとめましたのでご覧ください。まず、お勧めしたい食品第1位はこちら。
毎日摂るべきスーパーフードNo.1として私が推すのはボーンブロスです。
もちろん、チキンスープで心まで温まるというだけが全てというわけではありません。ここで、一度考えてみてください。元気がほしい時、ほとんどの国で一番人気の食べ物とは何でしょう。
古代中国の時代から今日まで、その答えは鶏ガラスープ、すなわちボーンブロスです。
鶏のボーンブロスは、いわば腸をサポートする天然のブレンドです。免疫系の健康と腸の健康に密接な関係があることを考えると、それは偶然ではないでしょう。
ではここで、本格的な一杯のボーンブロスに含まれる成分を詳しく見ていきましょう。
- グルコサミン:軟骨に含まれる化合物で、タンパク質に糖鎖が結合してできたものです。
- コンドロイチン:軟骨の主成分。
- ヒアルロン酸:皮膚や関節内などの組織に集中し、コラーゲンの保持に役立ちます。
- アミノ酸
- 腸と関節をサポートするII型コラーゲン
ビタミン、ミネラル、抗酸化物質が豊富な食品
- レバー
- 全卵
- 紅鮭
- 青汁
- ベリー類
- アスパラガス
- ピーマン
- チンゲンサイ
- ブロッコリー
- 芽キャベツ
- カリフラワー
- キャベツ
- ニンジン
- ケール
- タマネギ
- ダイコン
- カボチャ(ペポカボチャなど)
- スクワッシュ(その他のカボチャ)
- クレソン
- オート麦
- 米
- ココナッツ
- ヘンプシード(麻の実)
- ゴマ
- クルミ
- 黒豆
- ひよこ豆
- インゲン豆
- 白インゲン豆
体に良い脂質
発酵食品・飲料
歴史を通じて、先人達は食品を発酵させることで、旬を過ぎた食物も摂取できるように、穀物、野菜、乳製品の鮮度を長持ちさせる選択肢を得ました。そして今日、有益なプロバイオティクス細菌を得るには、発酵食品を食べることが近道であることは周知の事実です。
お勧めしたい発酵食品は以下の通りです。
- ザワークラウト
- キムチ
- アップルサイダービネガー(リンゴ酢)
- ケフィア
- 紅茶キノコ
- 納豆
- 味噌
ハーブ&スパイス
アメリカの標準的な食事に足りない2大食品は、ボーンブロスとハーブ&スパイスでしょう。これらのスパイスを料理や飲み物に振りかけて、手軽に抗酸化物質を補給しましょう。
健康的な甘味料
これらの代替甘味料を適度に使用するようにしましょう。