おそらく、グルテンフリー食を始めた方は、新しい食生活を軌道に乗せるためのプラスアルファを模索しているのではないでしょうか。あるいは、何年もグルテンフリー食を続ける中、ワンパターンになりがちの内容を一新したいという方もいるでしょう。そこで、こちらの記事では、グルテンフリー食を続けたり、始めるのが楽になるグルテンフリー食の必需品とも言える製品をご紹介します。まずは、基本をおさらいしておきましょう。

グルテンとは

グルテンと言う場合、小麦、大麦、ライ麦などの穀物を含むものを指します。また、オーツ麦も加工によりグルテンが含まれますが、グルテンフリーの認証を受けた製品を販売するメーカーもあります。アメリカでグルテンフリーと表示されるには、グルテンの含有量が20ppm(パーツ・パー・ミリオン、百万分率)未満であることが条件です。これは、セリアック病患者の症状を悪化させないとされている量です。一方、グルテンが5ppm未満でないとグルテンフリーと表示できない国もあります。

グルテンフリー認証

これがなかなか厄介な問題なのです。まず、グルテンフリーの表示だけでなく、製品に含まれるグルテン含有量の検査も任意です。そのため、セリアック病をはじめ、グルテンの混入により悪化するアレルギーや疾患がある方は、グルテンフリーの認証を受けた食品を探すことがとても肝心です。この認証がある食品は、定期的に検査を受けているということを意味します。市販の製品を見ると、グルテンフリー認証を示すさまざまなバッジやラベルを目にすると思いますが、重要なのは認証(certified)という言葉を探すことと言えます。

グルテンフリー食の必需品

1. グルテンフリーと表示されたサプリメント

サプリメントのグルテンフリー表示も、同じくメーカーの任意です。このことから、グルテンフリーのサプリメントを購入する際は、説明書や成分表示にグルテンフリーであることが明記されているかどうかを確認しましょう。なお、小麦不使用であってもグルテンフリーとは限らないため、あくまでもグルテンフリーの表示を確かめることが大切です。

グルテンは、サプリメントに含まれるデキストロース(D型グルコース)などのデンプンに見られることがありますが、通常これらのデンプンはトウモロコシや米由来のものです。中には、米由来のデンプンを使用していることを公表したり、グルテンフリーであることを明記しているサプリメントもあります。

他にも、グルテンを含む食品の代表として、小麦、大麦若葉、オーツ麦が挙げられます。ウィートグラス(小麦若葉)は本来グルテンフリーですが、小麦全体からの製造過程でグルテンが紛れ込むことがよくあるため、ウィートグラスやオーツ麦を含む製品は、グルテンフリーと表示されたものを選びましょう。

2. グルテンフリー認証オーツ麦

前述の通り、グルテンフリー食を実践する際は、グルテンフリーの認証を受けたオーツ麦を探すと良いでしょう。オーツ麦やオートミールはもともとグルテンフリーですが、やはり製造中に小麦、大麦、ライ麦などが混入することが少なくありません。

グルテンフリーの認証を受けたオート麦はほとんどの食料品店で見かけるようになってきましたが、地域によっては入手が難しく、オンラインや健康食品専門店での購入が必要となるかもしれません。

3. キヌア

キヌアは疑似穀物で、厳密に言えば種子であることから、天然のグルテンフリー食品であり、完全タンパク質でもあります。そのため、キヌアは1週間の献立を考える上でどんな料理にも合わせやすく、備えておくと便利な食品です。例えば、温かい朝食には、クリーム・オブ・ウィート(小麦のセモリナ粉を原料とした朝食用ポリッジミックス)や従来のシリアルの代わりに、加熱したキヌアを使ってみてはいかがでしょうか。外箱に記載された使用方法の通りに調理して、お好みの果物、ナッツ、スパイスなどをかけるだけでできあがりです。

4. グルテンフリーの製菓製パン用粉

これは、ホームベーカリー好きの方には必須の食品です。このようなグルテンフリーのミックス粉に多いのは、タピオカ、米、ジャガイモなどのデンプンをブレンドしたものです。グルテンフリーのミックス粉があれば、小麦粉の代わりにクッキー、マフィン、パンケーキなどが作ることができます。この他、小麦粉の代わりに使えるものにアーモンド粉ココナッツ粉などがあります。グルテンフリーのミックス粉は地域の一般的な食料品店でも見かけるようになりましたが、単一のメーカーのみで、選択肢が限られる場合もあるかもしれません。特定のグルテンフリー食材のミックス粉を探すなら、オンラインショップを利用すると良いでしょう。

5. グルテンフリーのラップ生地

グルテンフリーのラップ生地は、ラップサンドで手早く昼食をとりたい時にぴったりで、ココナッツラップなど、グルテンフリーラップの新製品が続々登場しています。このようなラップの中には「パレオ対応」と表示されているものもありますが、これは穀物を使用していないことを表し、穀物の代わりに、種子類やココナッツ、タピオカなどをブレンドした製品が販売されています。

そのため、脂質やタンパク質が若干多めに含まれており、栄養バランスのとれた食事になります。穀物不使用のラップやクラッカーがあれば、昼食のバラエティが広がり、グルテンのせいであきらめていたタイプの食事も取り入れやすくなるのではないでしょうか。中でも、ココナッツラップは、さまざまな味や種類が選べるオンラインでの購入がお勧めです。ラップが手に入ったら、あとは赤身肉、豆類、野菜のようないつもの具材をはさんで、お好みの調味料をふりかけるだけです。

6. グルテンフリーパスタ

これは、私のお気に入りの平日の夕食メニューの一つで、キッチンに欠かせない定番の食材です。レンズ豆やひよこ豆などの豆由来のパスタはグルテンフリーで、しかも高タンパクのため、シンプルに済ませたい平日の食事に最適です。また、玄米パスタは、小麦のパスタに似たクセのない美味しさが特徴で、全粒粉を使用しており、味にうるさい方にもお勧めです。他にも、グルテンフリーパスタには、トウモロコシ、キヌア、米などをブレンドしたものがあり、一般的な食料品店でも手に入りやすいものです。ただし、特定の形状や原料を探すなら、やはりオンライン購入がより便利かもしれません。

7. グルテンフリーのピザクラストミックス

グルテンフリーのピザを作るレストランが近くにない方は、自分で作るしかありませんが、むしろ、もっと自宅で料理したいと思っている方も多いのではないでしょうか。ピザクラストミックスを常備しておけば、急にピザを食べたくなった夜などにも便利です。これは、水を加えるだけで手軽に生地が作れる粉末で、混ぜて焼くだけという、従来のピザ生地よりもはるかに簡単なミックスなので、あとはお好みのトッピングを加えればいつでもピザの夜食が完成です。

8. ココナッツアミノ

醤油の伝統製法として、通常は小麦が使用されていますが、グルテンフリー認証の醤油も販売されています。これは、小麦を使わずに製造された醤油で、グルテンフリー食を実践している方にも安心です。この他、醤油の代用品としてココナッツアミノがあります。ココナッツアミノはココナッツの樹液を原料とし、醤油によく似た味が特徴です。通常は小麦を含む醤油を使用した照り焼きソースも、ココナッツアミノで作られた照り焼きソースが販売されており、平日の夕食や炒め物の味付けに重宝できるでしょう。

9. アロールートまたはコーンスターチ

この2つはグルテンフリーのデンプン粉末で、食品にとろみをつけるために使われます。アロールート(クズウコン)パウダーは、熱帯原産の根菜のうち数種類からとれるデンプンです。こちらのいずれかをスープやソースのとろみづけに使うことはもちろん、焼き菓子作りにも常備しておくと良いでしょう。とろみづけと言えば、昔からグレイビー(肉汁)ソースやスープのコクを出すためによく使われるのは小麦粉ですが、グルテンフリーのデンプンで簡単に代用できます。これらのデンプンは、ソースやグレイビーの出番が多くなる秋冬のパーティーシーズンに合わせて備えておくと特に便利ですね。

‌‌‌‌10.グルテンフリーのパーソナルケア

最後に、グルテン過敏症の方はパーソナルケア製品にも気をつけた方が良いでしょう。特に、口紅やフェイスクリームのように顔につける化粧品を中心に、グルテンフリーのパーソナルケア製品を選んでみてはいかがでしょうか。具体的な例として、小麦を含むパーソナルケア製品の中で最も多いのが化粧水ですが、製品ラベルにグルテンフリーの記載がない場合もあるため判断しにくいものです。そこで、成分表を読み、小麦が含まれていないか確認することをお勧めします。

まとめ

グルテンフリーの生活習慣を実践するのは決して難しいことではありません。強いて難しい点があるとすれば、グルテンフリーの製品が地元で簡単に手に入らない場合があるということです。あるいは、食事にどんな食材を加えればいいのかわからないという方もいるでしょう。幸い、過去5年ほどで、実店舗でもオンラインでもグルテンフリーの製品が入手しやすくなりました。今回ご紹介した定番の製品をキッチンに備えておけば、グルテンフリー食を実践するに際してストレスが減り、より快適なライフスタイルを送ることができると言えるでしょう。

参考文献:

  1. Biesiekierski JR. What is gluten? Journal of Gastroenterology and Hepatology. 2017;32(S1):78-81. doi:10.1111/jgh.13703
  2. Home. Gluten Intolerance Group of North America - GFCO. Accessed June 29, 2021. https://gfco.org