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より健康な皮膚と消化の決め手となり得る栄養素

著者:ケイト・ヘンリー博士、自然療法医

この記事の内容:


実は、自分が医学生になり、医療栄養学の授業を受けるまで、私にとって食物繊維はそれほど興味をそそるものではありませんでした。食物繊維のことなら既に何でも知っていると高をくくっていましたし、ただお通じを良くするためだけに摂取するものだと思っていたのです。そんな方は多いのではないでしょうか。

ところが、それは大きな間違いでした。あれから数年間栄養学を学んだ私は、欧米の食生活で食物繊維の摂取量を増やすことを強く奨励する立場となったのです。その理由についてお話します。

まず、食物繊維は安全で手頃な薬効食品であり、しかも消化管だけでなく全身にさまざまな効果をもたらすものだからです。ただし、食物繊維ならどれも同じというわけではないため、健康のために食物繊維を摂取する際は、やはり科学的根拠が重要となります。ここからは、その内容を詳しく見ていきましょう。

‌‌食物繊維が健康にもたらす影響

食物繊維は、アレルギーをはじめ、重金属毒性、認知機能、ぜんそく、発疹、炎症性腸疾患、骨粗しょう症といった疾患に役立つと考えられます。さらに、食物繊維は寿命を延ばすというエビデンスも存在します。

信じ難いですが事実です。食物繊維を日常的に摂取することで寿命が延びる可能性があるのです。

もし食物繊維の効果をすべて発揮する薬があったとしたら、1回の服用量で100万ドルはするでしょう。しかも、副作用がほとんどないことを考えれば、食物繊維はどんな薬よりもはるかに効果的で安全、かつ有益な健康法と言えるでしょう。

にもかかわらず、食物繊維を多く含む野菜や果物があまりに身近にありすぎて、その薬効が見過ごされたり、過小評価されがちです。肌や腸はもちろん、寿命のためにも、食物繊維をしっかり摂ることをお勧めします。

この記事では、まず食物繊維について詳しく解説し、次に、食物繊維の供給源や、その効果を最大限に活かす方法もご紹介したいと思います。

‌‌‌‌食物繊維とは

そもそも食物繊維とは、ヒトの消化管が糖に分解しにくいデンプンのことです。炭水化物の一種である食物繊維の供給源は、野菜、塊茎(かいけい。ジャガイモ、キクイモなど)、穀物、豆類、ナッツ類、種子類などの植物や穀物に限られます。

また、肉、卵、チーズ、油などには含まれていません。つまり、食物繊維といえば植物ということになります。

‌‌‌‌食物繊維を必ず水と一緒に摂取する理由

食物繊維と水を一緒に摂ると、消化管の中で食べ物を移動させることができるというのはよく知られていますが、ご存知でない方のためにご説明しましょう。食物繊維は、水と一緒に摂取して初めてお通じを良くすることができます。

食物繊維パウダーに、必ずコップ1杯の水と共に摂取するようにとの指示があるのはそのためです。では、水なしで食物繊維だけを摂るとどうなるのでしょう。実は、大方の期待とは裏腹に便秘を招きやすくなってしまいます。

これは、消化器系内で食物繊維と水が浸透圧(濃度の高い液体が低い液体から水を引き寄せる力)を高め、大腸の膜を越えてより多くの液体を引き寄せるためです。これにより、腸の蠕動(ぜんどう。腸の収縮運動)が促進されますが、水分がなければ食物繊維は行き場のない塊を作るばかりです。こうなると、便に効率よく消化管を通過させることができなくなります。

すると、どうなるかはおわかりかもしれませんが、食物繊維のサプリメントを摂取する際、必ず水を飲むか、容器のラベルに記載されている通りに摂ることで、期待通りの効果が得られるということです。

この他にも、食物繊維を最大限に活かして、バイオハックする(さまざまな健康法を実践して自らの心身の機能を高める)方法がいくつかあります。

‌‌‌‌食物繊維の供給源

果物・野菜

新鮮な果物や野菜を食べることの大きな利点は、本来の食物繊維と水分の比率が最適であるため、水分を気にする必要がないことです。これは、プルーンのようなセミドライフルーツも同様です。

食物繊維が豊富な食物は、概して味が良く、健康増進に役立つ成分が多く含まれているものです。おそらく、食物繊維の錠剤を飲むよりも、グルテンフリーの粉を使った黒豆とアボカドのブラウニーを食べたいという方が多いのではないでしょうか。

幸い、どちらも食物繊維を摂取する上で最適な選択肢です。

ナッツ・種子類

もう一つ、食物繊維を美味しく増やす方法は、いつもの料理にナッツや種子を加えたり、食事時間外にヘルシーなおやつを取り入れることです。

私がよく患者に勧める食物繊維の摂り方は、オートミールやミックス粉など朝食やおやつ作りにはもちろん、チリビーンズやスープなどの料理にもフラックスシード(亜麻仁種子)チアシードを加えることです。食物繊維が豊富なこれらの種子には、健康に欠かせないオメガ3脂肪酸も含まれています。

食物繊維のサプリメント

果物、野菜、ナッツ、種子類が苦手な方や、アレルギー等で食べられないという方は、食物繊維のサプリメントを毎日摂取することで、アメリカ心臓協会が定める1日の目標摂取量(25g)を達成できます。サプリメントの場合も同じく、食物繊維を摂る際は水をたっぷり飲みましょう。

‌‌毎日のデトックスに役立つ食物繊維

食物繊維は、いわば消化管のほうきのようなものです。腸内で液体に溶けずにそのまま残る食物繊維は、まるで老廃物を掃き出すほうきのような役割を果たします。この働きは、日々デトックス効果を実感する上で欠かせません。

ところが最近は、この「デトックス(解毒)」という言葉に安易で客寄せ的な印象がついて回るようになりました。これは残念なことです。実際には、体が正常に機能している限り毎日自力で血流や細胞をデトックスしており、人体にとってごく基本的な生理現象だからです。人は、酵素反応の老廃物を取り除かなければ生きていけないため、デトックスは自然かつ重要な現象なのです。

デトックスは、特別な薬を飲むのでなく、適切な食品を食べ、水分と食物繊維を十分に摂取することで自然に発生します。では、その科学的根拠を見ていきましょう。

体の自然な解毒プロセスの仕組み

リンパ、肝臓、腎臓、皮膚、消化器系は排出器官と呼ばれます。排出器官は、体内の正常な酵素反応によって生じる有害な生物学的産物や、環境で遭遇した有害物質を排泄する役割を担うもので、人体の自然な解毒システムです。

特に、血液の100%を毎日ろ過する器官である肝臓は、血液中の毒素や老廃物を除去したのち、解毒の第1・第2段階を通過させます。

次に、肝臓は不活性化されて化合物と結合した毒素をまとめて胆汁に排出すると、それが胆嚢に貯蔵されます。その胆嚢は、胆汁を消化管内に分泌し、繊維と結合します。

最終的に、毒素と結合した繊維は、便として体外に排出されることになります。つまり、毒素は体外に排泄されることが前提です。

では、毒素と結合する食物繊維が不足していたり、少なくとも1日1回のお通じに必要な繊維が生成できなければどうなるのでしょうか。毒素が消化管内に留まり、血流に再び吸収されてしまいます。こうして次第に毒素が蓄積すると、便秘をはじめ、ディスバイオシス(腸内環境異常)、エストロゲン優位の症状(体重増加、ニキビ、月経前症候群、気分の問題)の他、特に重金属に日常的にさらされる溶接のような労働環境にある方は重金属毒性などの問題につながるおそれがあります。

このように、食物繊維がないと解毒作用が十分に発揮されませんが、食物繊維と水の適切なバランスに注意すれば問題はありません。

‌‌‌‌腸の健康維持に期待できる食物繊維

食物繊維は、消化器系の有益細菌(プロバイオティクス)に栄養を与えるのに必要なプレバイオティクス(善玉菌のエサとなることで腸内環境を整える植物性の食物繊維)であるデンプンを供給します。プロバイオティクスは、有害な細菌や酵母の過剰繁殖を防ぐことで、腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスを保つ役割を果たします。

この腸内フローラが正常であれば、膨満感、消化不良、食物過敏症などの消化器症状が起こりにくくなります。他にも、健康な腸内フローラにより肌の透明感が高まる可能性がありますので、それについてご説明しましょう。

腸・皮膚の関係とニキビ

腸の健康状態が肌の調子に直接影響を与えるのは、腸と皮膚にはマイクロバイオームという共通点があるためです。マイクロバイオームとは、皮膚や粘膜の表面に生息する細菌や酵母などの集まりのことです。

実は、人体には自らのDNAよりも細菌のDNAの方が多いことが研究でわかっています。このことは、細菌がヒトの健康にとっていかに重要かを物語るものでしょう。

健康な腸は、一連の多様な天然の善玉菌すなわちプロバイオティクスの存在にかかっており、運動性や免疫力などを調節し、本来の機能を維持するのに役立ちます。また、炎症、ホルモンバランス、皮脂分泌などの全体的なレベルにも影響しますが、これは皮膚と腸のマイクロバイオームがつながっているからです。そのため、腸が不健康であれば、肌の状態が悪くなりやすいものです。

例えば、単純糖質(砂糖や果糖など)を多く摂りがちで、繊維質の植物が少ない食事をしている人は、低糖質の自然食品を中心とした食生活を送っている人に比べて、ニキビや肌荒れが起こりやすいことが研究で示されています。これは、マイクロバイオームの変化によるものではないかという理論があります。

この事実をうまく利用して、食物繊維をたっぷり摂って健康な腸内環境を維持することで、肌の調子も整うでしょう。

‌‌発疹を抑えるのに期待できる食物繊維

食物繊維は、アレルギーや慢性発疹の他、湿疹や乾癬(かんせん)といった皮膚疾患を引き起こす2つの免疫プロセスを抑制します。

その1つ目は、肥満細胞(マスト細胞)の脱顆粒です。これは、免疫細胞が興奮分子であるヒスタミンを放出するプロセスを指します。ヒスタミンが放出されると、血液中の血漿(けっしょう)という成分が漏れ出します。この血漿成分が血管の外に漏れ出すと、皮膚や器官など本来存在すべきでない部位に体液が広がります。じんましんができて、その中に体液が見えたり、ぶつぶつと盛り上がった発疹の中に炎症が見えた経験はないでしょうか。それがヒスタミンの正体です。

ヒスタミンの活動を抑えることで、発疹の数を減らせる可能性があります。ある研究(文末の参考文献を参照)では、食物繊維が肥満細胞の脱顆粒を抑制し、それによって発疹の数を減少させることがわかりました。食物繊維の効果は発疹にも大きく期待できることから、かかりつけ医の承諾が得られるなら是非お勧めしたい方法です。

食物繊維が特定の発疹(アトピー性皮膚炎)を抑えるのに役立つ2つ目の方法は、免疫系によって生成される免疫グロブリンの数を減らすことです。抗体としての機能と構造を持つタンパク質である免疫グロブリンは、アレルギー反応をはじめとする多くの免疫機能を担っています。免疫グロブリン濃度が高いと、アトピー性皮膚炎やぜんそくの他、空気中に浮遊する原因物質(花粉やハウスダストなど)に対するアレルギーといった疾患を引き起こすとされています。

重要ポイントまとめ:発疹・吹き出物対策としても、食物繊維の摂取量を増やすように心がけ、数週間後に効果の有無を確認しましょう。また、かかりつけ医と相談して、肌の状態に見合った具体的な治療計画を立ててもらい、その際に食物繊維について話してみると良いでしょう。

このように、食物繊維は消化を良くし、腸内のディスバイオシス防止に役立ち、吹き出物やニキビなどの肌トラブルを抑え、便秘を改善します。食物繊維は、美味しく食べられて安上がりの上、健康に幅広い効果をもたらす素晴らしい健康法とも言えるでしょう。

参考文献:

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