食料品店やオンラインショップを覗くとありとあらゆるドライフルーツが販売されており、レーズンはもちろんのこと、ドライマンゴー、ドライクランベリー、ドライイチジク、アプリコットなど、さまざまな種類を目にします。そんなドライフルーツですが、健康的な果物の供給源として食生活に取り入れて良い食べ物なのでしょうか。それとも、過剰な糖分としてむしろ避けるべきものでしょうか。そうした疑問にお答えして、この記事ではドライフルーツを食生活にできるだけ健康的に取り入れる方法をご紹介したいと思います。

ドライフルーツは適量を守って食べる

ドライフルーツは、保存のために生の果物を天日に干すなどして乾燥させたもので、本来の水分量が20%まで減少した状態です。こうして水分が大幅に抜けて体積が減り、味が濃厚になった分、ついたくさん食べてしまい、糖分を過剰に摂ってしまいがちです。

例えば、小箱入りレーズン(42〜43g)には一箱あたり28gもの糖分が含まれており、たとえ自然な果糖とはいえ要注意です。ドライフルーツのような嵩(かさ)の小さな食品はつい食べすぎてしまうため、バランスのとれた健康的な食生活を目指すなら適量を守ることが重要です。そこで、むやみに間食しないようにするには、ドライフルーツを必ずお皿に出し、一口一口をゆっくり味わいながら食べると良いでしょう。また、ドライフルーツを小さめの容器や袋に分けて少しずつ食べるのもお勧めです。さらに、少し食べたら一息つき、味を楽しむのがポイントです。

ドライフルーツの推奨摂取量

米国農務省(USDA)の「アメリカ人のための食生活指針」では、平均的な成人は1日約2カップの果物を摂取することを推奨しています。ちなみに、USDAはドライフルーツ1/2カップ分が1日の果物1カップ分に相当するとしています。この量を計量カップで測り、お皿に移した分量を目安にするとわかりやすいのではないでしょうか。なお、糖尿病の方は、主治医または管理栄養士に相談し、最適な摂取量を判断してもらうことが大切です。血糖値が不安定な方に推奨される果物の摂取量には個人差があります。

ドライフルーツの効能

全体的に見て、ドライフルーツはジャンクフードとは言えません。果物の摂取量が多い人ほど、BMI(ボディマス指数。肥満度を表す体格指数)値が低いことが複数の研究で明らかになっています。これは、おそらくドライフルーツに含まれる食物繊維のおかげでもあるでしょう。

レーズンをはじめとするドライフルーツは、腸管が有益細菌を生産しやすいように助けるプレバイオティクス繊維の供給源であり、しかもレーズンには鉄分が豊富に含まれています。さらに、レーズンなどのドライフルーツは、新鮮な果物よりも抗酸化物質の体内吸収率が高いことが研究で示されています。これらの抗酸化物質は心臓の健康をサポートする可能性もあります。抗酸化物質の摂取量を増やしたい方には、ドライフルーツの中でも特に抗酸化物質を多く含むドライゴジベリー(クコの実)をお勧めします。

多くの効果が期待できるドライフルーツはさまざまなタイプの食事に活用でき、料理やおやつに栄養をプラスする上で便利な食材と言えるでしょう。

健康的なドライフルーツの食べ方6選

1. お菓子をドライフルーツに切り替える

これは、子供のお弁当に彩りとバラエティを加えるために私自身がよく使う方法で、グミタイプのおやつの代わりにドライフルーツを詰めています。フルーツ味のキャンディに目がない甘党の方なら、代わりにドライフルーツをおやつにしてはいかがでしょうか。また、映画館などでも、売店のお菓子を買わずにドライフルーツを持って行くと良いでしょう。最近は、ますますドライフルーツのバラエティが増え、飽きることなく楽しめます。レーズンが苦手という方は、ドライミックスベリーやドライパイナップルを試してみてはいかがでしょう。このように、目新しいドライフルーツを試してレパートリーを増やしていくことで、お菓子や加工糖を控えやすくなります。

2. オートミールにドライフルーツを入れて抗酸化作用を強化

時には、朝食のオートミールに添える新鮮なベリー類を切らしてしまった、という日があるかもしれません。そんな時のために、ドライフルーツを1袋用意しておきましょう。ドライフルーツはオートミールに自然な甘みを加え、加熱したオートミールの水分で柔らかく戻ります。さらに美味しくするには、オーバーナイトオーツを作ってみてはいかがでしょうか。オーバーナイトオーツは、前日の夜にオートミールの材料をすべてボウルに入れ、冷蔵庫で保存するだけです。一晩置くことですべての材料の味がしっかりとなじみ、あとは翌朝冷蔵庫から取り出して電子レンジで加熱するだけです。これは、オートミールの味と食感がさらに楽しめるお勧めの食べ方です。

3. サラダに混ぜると彩りと栄養がアップ

どうしてもワンパターンになりがちのサラダだから、たまには新しい食材に挑戦したいものです。そこで、ドライクランベリーやドライチェリーの他、ドライアプリコットやイチジクを刻んだり、ドライブルーベリーなども加えてみてはいかがでしょうか。ドライフルーツと相性が良い山羊のチーズやフェタチーズと共にサラダに入れるのも人気のレシピです。

4. 運動時のエネルギー源

持久力トレーニングを行っていて、運動中や前後に炭水化物の補給が必要という方にもドライフルーツがぴったりです。主に炭水化物(糖質+食物繊維)でできているドライフルーツには、もちろん食物繊維も含まれています。炭水化物は、運動時にすぐに利用できるエネルギー源となります。そこで、ジムに行く時などにドライフルーツをスポーツバッグに入れておけば、ちょっとしたエネルギー補給が必要な時に便利です。その他にも、長時間のハイキングの際にリュックに入れておくと良いでしょう。

5. ドライブのお供に

お気に入りのドライフルーツを組み合わせて自分だけのヘルシーなトレイルミックスを作ってはいかがでしょう。種子・ナッツ類をはじめ、お好みのドライフルーツにドライココナッツダークチョコレートを加えるなど、いろいろ工夫してみてください。このようなトレイルミックスがあれば、移動中も手軽に栄養を補給できる他、コンビニエンスストアなどでジャンクフードのお菓子を買う機会が減る上に、前もって用意しておけるため市販のおやつを買うより安上がりです。しかも、冷蔵不要で保存がきくドライフルーツは旅のお供に最適で、小袋などに入った製品が多いため飛行機での移動時にも便利です。ドライフルーツには、ナッツ入りのスナックバータイプの他にも、ドライフルーツとナッツを組み合わせたクラスターなど、多種多様な製品が販売されています。

6. ドライフルーツを前菜(オードブル)に添える

ドライフルーツがあれば、いつもの前菜に彩りがプラスされるだけでなく、意外な味の取り合わせも楽しめます。前菜の栄養価を高めるのはもちろん、ホームパーティーを開いた時などもドライフルーツを加えるだけなら手間がかかりません。

そこで、ドライフルーツを使った前菜のアイデアをいくつかご紹介しましょう。

  • ドライフルーツを添えたシャルキュトリーボード(ハムなど食肉加工品の盛り合わせ)。
  • イチジクやアプリコットなどの大きめのドライフルーツに山羊のチーズ、マスカルポーネチーズ、クリームチーズなどを詰めたもの。
  • ハムやベーコンでドライフルーツを包み、軽く焼くか冷やして盛り付けたもの。
  • チーズ、全粒粉パン、肉などを角切りにして、ドライフルーツと合わせて串に刺したもの。
  • 全粒粉クラッカーにクリームチーズとドライフルーツをのせたカナッペ。
  • ブリーチーズを焼いてジャムを少量塗り、色とりどりのドライフルーツをたっぷりのせ、全粒粉クラッカーまたはトーストを添えたもの。
  • 家族や友人を招く機会が増えるパーティーシーズンにも、ドライフルーツをご馳走の付け合せにしたり、盛り付けの際に彩りを添えるのにも重宝します。ドライフルーツがあれば、意外な味の融合が楽しめるだけでなく、カラフルなアクセントとなって料理が一段と映えるでしょう。

ドライフルーツを購入する際のポイント

  1. 加糖のドライフルーツは避けましょう。原材料一覧をよく読み、加糖かどうか確かめてみてください。特に、自然な酸味のバランスを整えるために砂糖が添加されている可能性が高いのはドライクランベリーです。
  2. なお、亜硫酸アレルギーのある方は、亜硫酸塩が添加されていないドライフルーツを購入することをお勧めします。亜硫酸塩は酸化防止剤としてドライフルーツに添加される成分で、一般的には安全と考えられていますが、もともとドライフルーツには天然の亜硫酸塩が含まれています。つまり、亜硫酸塩が添加されていない製品にも亜硫酸塩が存在するため、特に亜硫酸塩に敏感な方は一切のドライフルーツを避ける必要があるかもしれません。
  3. 小さめの容器や個包装のドライフルーツを選ぶと、食べる量をコントロールしやすくなるでしょう。
  4. オーガニックにこだわる方に最適なドライフルーツも販売されています。ただし、一般の食料品店で取り扱う種類は限られているため、オンラインで購入する必要があるかもしれません。

このように、ドライフルーツにこだわりがある方は、オンラインショップで具体的なニーズに合った製品を見つけるのも良いかもしれません。研究によると、ドライフルーツは推奨摂取量の範囲内であれば食事の質を向上させます。結論として、食事に彩りと栄養をプラスするドライフルーツは、上手に取り入れることで、ヘルシーで携帯に便利なおやつとして大いに活躍するでしょう。

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