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クレアチンに関する16の俗説を医師が覆します

著者:ヴィーナス・ラモス、医学博士

この記事の内容:


クレアチンは、高強度トレーニングを行うアスリートやボディビルダーが、筋力アップをはじめ、疲労対策や回復力向上に使用することで知られるサプリメントです。スポーツ栄養の中でも特に広く研究されたサプリメントの一つでありながら、いまだにクレアチンにまつわる誤解が多数あります。そこで、今回はこの人気のサプリメントについてよくある俗説をいくつか取り上げ、一つ一つ覆していきたいと思います。

‌‌‌‌俗説:クレアチンは同化ステロイドのようなもの

実際には、クレアチンの化学構造はステロイド分子とはまったく別のものです。クレアチンはアミノ酸由来の化合物であり、人体や食物(肉や魚など)に存在します。ちなみに、人体に含まれるクレアチンの約95%は筋肉に貯蔵されています。残りの5%は脳、肝臓、腎臓にみられます。

クレアチンは、特に筋肉を中心とする体の細胞にエネルギーを供給するために機能します。一方、アデノシン三リン酸(ATP)は、主にエネルギーのために体が利用する分子です。このATPの体内の生産量増加に貢献するクレアチンは、増加したATPを供給することで運動パフォーマンスを向上させます。

‌‌‌‌俗説:クレアチンを使えば、運動せずに筋肉量を増加させることができる

確かに、筋ジストロフィーの患者がクレアチンを摂取したところ、運動をしていないにもかかわらず筋力の改善が見られたことが研究で示されています。ただし、健常者が効果を実感するには、必ず持久力トレーニングと併せてクレアチンを摂取することが大切です。

‌‌‌‌俗説:長距離走の前にクレアチンを摂取してスピードをアップ

長距離レース前のプレワークアウトサプリメントとしてクレアチンを摂取しても、パフォーマンスを向上させることはできません。高強度トレーニングへのクレアチンの効果が研究に強く裏付けられている一方で、中強度以下の持久力トレーニングにはほとんど効果がありません。ただし、トレーニング計画に高強度運動を組み入れているランナーであればクレアチンの効果が期待できるでしょう。ランナーが高強度トレーニングを取り入れると、体幹が強化され、持久力が改善されることでランニングのパフォーマンス向上につながります。

‌‌‌‌俗説:クレアチンは脂肪増加を引き起こす

クレアチンの摂取開始時に体重が増加するのは、体脂肪が増えるからではなく、筋肉組織に増えた水分量が原因と思われます。クレアチンの分子は、水分を強く引き寄せて筋肉に蓄える性質があります。

長期的には、クレアチンを使用すると継続的に体重が増加するかもしれませんが、これは通常、体脂肪ではなく筋肉量の増加によるものです。

‌‌‌‌俗説:クレアチンを摂ると体内に水分が溜まりやすくなる

クレアチンを使用するボディビルダーの多くは、クレアチンのサプリメントを摂ると体の水分量が増えすぎて、張りのない筋肉に見えてしまうと考えています。そのようなボディビルダーが大会に出場する際は、その数週間前にクレアチン摂取を中止します。

ただし、前述の通り、クレアチンの大部分は筋肉に貯蔵されています。そのため、クレアチンによってどのように皮下に水分が溜まるかを説明するのは少々困難です。皮下に溜まった水分によって筋肉に張りがなくなるのは、クレアチンそのものが原因なのではなく、低品質のクレアチン製品に含まれる過剰なナトリウムが原因である可能性が高いでしょう。

‌‌俗説:クレアチンは筋けいれんと脱水症を引き起こす‌‌

クレアチンは水分を引き寄せて筋肉に蓄えられるため、クレアチンを摂取すると体の水分需要が大幅に増え、脱水症と筋けいれんが生じやすくなると思われがちです。ところが、クレアチンが筋けいれんや脱水症を引き起こすという研究結果は一切ありません。むしろ、クレアチンがこのような症状のリスクを減らすのに役立つ可能性があるというエビデンスがあるほどです。

British Journal of Sports Medicine誌の研究では、クレアチンを摂取すると心拍数と発汗量が低下することで体温が維持され、温暖な気候下での運動効率の向上につながることが明らかになりました。他にも、大学の運動選手を対象とした研究では、クレアチン使用者の筋けいれん、脱水症、筋肉損傷といったインシデントが、非クレアチン使用者と比べて少なかったことがわかりました。

もちろん、安全で効果的なトレーニングを行うには十分な水分補給が不可欠ですが、過剰なまでの水は必要ありません。

‌‌‌‌俗説:クレアチンの摂取を中止すると、せっかく鍛えた筋肉が減ってしまう

クレアチンの摂取をやめると筋肉量が減少する可能性があるのは事実です。ただし、十分な栄養や持久力トレーニングなど、他の要素をすべて継続する限り、筋力と引き締まった筋肉を維持することができます。

‌‌俗説:クレアチンは食物に含まれているため、サプリメントとして摂取する必要はない

クレアチンは特定の食物に自然に含まれていますが、クレアチンサプリメントの平均用量と同じ効果を得るには、これらの食物を大量に消費しなければならないでしょう。

‌‌俗説;クレアチンを摂取するなら、モノハイドレート(一水和物)よりも新型が優れている

クレアチンの安全性と有効性に関する研究の大部分(95%以上)は、クレアチン・モノハイドレートを評価したものです。独自のメリットがあると思われる他の形態のクレアチンも販売されていますが、それらの多くは研究で評価されていません。

‌‌俗説:クレアチン・モノハイドレートの効果的な吸収には、糖と共に摂取するのが一番である

筋肉組織は、それ自体が十分かつ効果的にクレアチンを吸収できます。クレアチンの筋肉への取り込みを高めるのがインスリンです。ただし、インスリンがこの働きをするのは、非常に高い濃度で存在する場合に限ります。

真の吸収作用を発揮するには、かなりの量(100g以上)の砂糖または単純炭水化物を摂る必要があり、これでは健康や運動目標にとって不相応なものとなりそうです。

‌‌‌‌俗説:クレアチンは男性アスリート限定のもの

クレアチンは男性アスリートやボディビルダー専用のサプリメントであるという誤解がまかり通っていますが、実際には他の集団にも効果が期待できます。クレアチンが女性や高齢者向きでないというエビデンスはありません。

‌‌‌‌俗説:クレアチンの使用開始時には、高用量のローディング(短期間の多量摂取)期が必須

最も一般的なローディング例は、1日に体重1kgあたりクレアチン0.3gを5~7日間摂取することです。その後は、1日5gを超えないようにします。ただし、4週間にわたってクレアチンを1日3g摂取するだけで、ローディングと同じ結果が得られることを示す研究もあります。

‌‌‌‌俗説:クレアチンは周期的に摂取すべき

当初、専門家らはクレアチンを2~3カ月間摂取した後に中止するように推奨していました。こちらの数ヶ月周期が推奨されていたのは、クレアチンの安全性に懸念があったからです。現在では多数の研究が行われており、これはもはや懸念事項ではなくなりました。

また、クレアチンを長期間摂取すると、吸収性や効果が低下する可能性があるとも言われていました。とはいえ、これもヒト研究で裏付けられたものではありません。

クレアチンは、体の飽和点に達すると効果が現れることから、一貫したクレアチン摂取が望ましいと言えるでしょう。

‌‌‌‌俗説: クレアチンは横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)のリスクを高める

筋肉が分解する疾患である横紋筋融解症の診断に使われる検査の一つに、血中クレアチンキナーゼ(CK)濃度の測定があります。このCKは、損傷した筋肉から放出される酵素です。クレアチンを摂取するとCK濃度がわずかに高まるのは確かですが、横紋筋融解症で見られる著しいCK濃度の上昇からは程遠いほど些細なものです。

‌‌‌‌俗説:クレアチンを摂ると胃が荒れる

どのようなサプリメントでも過剰に摂取すると消化器系の問題が生じやすくなります。クレアチンも同様で、推奨摂取量の範囲内であれば胃もたれなどを引き起こすことはほとんどありません。ある研究で推奨摂取量の5gを使用したところ、消化器系の問題は一切見られませんでした。一方、10gに増量した場合は下痢のリスクが37%上昇しました。

このことから、推奨摂取量は1日3~5gが目安です。ちなみに、1日20gのローディング期にある方も、1日の間に5gずつ4回に分けて摂取することをお勧めします。

‌‌俗説:クレアチンは腎臓に悪い

クレアチンを摂取すると血中クレアチニン濃度がわずかに上昇します。クレアチニンとは筋肉から出た老廃物です。健康な腎臓はクレアチニンをろ過し、血液から取り込んだクレアチニンを尿として排泄させます。

クレアチニン濃度は、腎臓の機能を把握するために測定されるものです。ただ、クレアチニン濃度が高くても、潜在的な健康問題があるという指標にはなるものの、必ずしもそれ自体が問題というわけではありません。

つまり、クレアチンを摂取するとクレアチニン濃度が上がることはあっても、腎臓に有害であることにはなりません。健康な腎臓であれば余分なクレアチニンを処理できます。

クレアチンのサプリメント摂取に関しては、短期、中期、長期いずれも、腎臓機能への悪影響はないという研究結果が出ています。特に腎臓の既往症がない限り、クレアチンが腎臓に損傷を与える心配はほぼありません。

注:あらゆる食事またはサプリメント療法の変更時と同様に、クレアチン摂取を開始する前にかかりつけ医等に相談することが大切です。血糖値や肝・腎機能に影響を及ぼす薬剤を服用中の方は特に注意が必要です。さらに、妊娠中または授乳中の女性や何らかの疾患がある方も、クレアチンを摂取する際は事前にかかりつけ医等に相談することが重要です。

参考文献:

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