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クルクミン — エイジングケアに最適なサプリメント

著者:マイケル・マレー博士、自然療法医

この記事の内容:


‌‌‌‌クルクミンとは?

クルクミンはターメリック(和名ウコン、学名 Curcuma longa)の根に含まれる黄橙色の色素で、カレーの主成分であることはよく知られています。クルクミンは、健康効果において最も研究されている天然化合物の一つです。過去30年以上にわたり、クルクミンを用いて綿密に計画されたヒト臨床試験を含む8千件以上の科学調査が行われてきました。これらの研究結果に基づき、世界で最も人気の高い栄養補助食品の一つとして浮上したクルクミンは、特にエイジングケア効果が評価されています。

クルクミンのエイジングケア効果

‌‌‌‌クルクミンは強力な抗酸化物質

クルクミンが持つ有益な効果の多くは、体内の抗酸化および抗炎症プロセスをサポートする能力によるものです。残念ながら、1酸化体やフリーラジカルとして機能する化合物は、細胞損傷と老化加速を促します。それに対し、抗酸化物質はこの損傷を防ぐ化合物を意味します。

例えば、リンゴを半分に切って日なたに置くと、鉄が錆びるように酸化ダメージを受けると、徐々に茶色く変色してしまいます。その場合、リンゴにレモン汁やビタミンC入りの溶液をかけて冷蔵庫に入れておけば、この酸化ダメージをかなり遅らせることができます。

そこで、細胞内の抗酸化物質濃度と食事の抗酸化物質濃度が、多岐にわたる哺乳類の寿命を左右するという興味深い事実についてご紹介しましょう。例を挙げると、人間がチンパンジー、犬、猫など多くの哺乳類よりも長生きするのは、他の哺乳類と比べて細胞内と食事に含まれる抗酸化物質の量が多いためです。

クルクミンの抗酸化活性が、ビタミンCEβカロテンなどの栄養性抗酸化物質よりも優れているのは、これらの抗酸化物質が非常に特殊な種類の酸化体(例:ビタミンCは水溶性プロオキシダント(酸化促進剤)、ビタミンEは脂溶性プロオキシダント、βカロテンはスーパーオキシド(超酸化物))に対してのみ、効果があるからです。

一方、クルクミンなら、水溶性・脂溶性いずれの酸化体にも、また、他の種類の有害分子からの保護にも有効です。クルクミンは、LDL(悪玉)コレステロールを酸化LDL(真の悪玉)コレステロールにする損傷を防ぐのに有効です。酸化LDLは、動脈の内膜に有害であり、動脈硬化を引き起こします。1

‌‌‌‌クルクミンとNF-κB制御

クルクミンは、抗酸化作用にとどまらず、エイジングケアにおける健康効果を発揮します。クルクミンの効果の多くは、NF-κB(核因子カッパB=活性化B細胞の核因子カッパ軽鎖エンハンサー)と呼ばれる細胞タンパク質複合体にクルクミンが与える影響によるものです。

NF-κBは、ストレス、フリーラジカル、重金属、放射線、酸化LDLなどの刺激に対する細胞応答に関与しています。これらの刺激はいずれも、NF-κBの活性化により炎症を引き起こす可能性があります。クルクミンは、適切なNF-κB制御を促進することで、ストレス刺激に対する体の反応の改善に役立つと考えられるため、最終的には炎症や細胞損傷の軽減が期待できます。1この効果は、加齢に伴って蓄積された細胞損傷を防ぐのに有効です。

‌‌‌‌クルクミンと炎症

ヒトの老化加速は、さまざまな理由から、慢性的な軽度の炎症を起こしている状態を特徴とします。この過程は、一般に「インフラメイジング(炎症性老化)」と呼ばれます。炎症の主な要因は、細胞のエネルギー生成区画であるミトコンドリアの機能低下です。

通常、年齢と共にミトコンドリアの数と機能が低下します。このプロセスの結果である細胞エネルギーの減少に伴い、ミトコンドリアからの炎症性化合物の漏出や、細胞内で老廃物生成が増加します。

こうして蓄積された細胞残屑に対処するために、個々の細胞内で用いられるオートファジーという過程があります。「自分を食べる」 という意味のオートファジーは、自食作用とも呼ばれます。オートファジーの低下も老化の特徴であり、ミトコンドリアの機能と密接に関係しています。その結果、形成された細胞残屑がオートファジーを介して除去されないことから、慢性炎症を引き起こすことになります。

数あるクルクミン特有のエイジングケア効果の一つに、ミトコンドリア機能を保護・改善し、オートファジーを維持し、免疫機能をサポートして細胞老廃物を適切に処理するというものがあります。2

クルクミンは、炎症を抑えるだけでなく、細胞の健康全般の改善を促進する方法で、炎症に対する体の反応をサポートするという点においても注目すべき効果が示されています。これらの有益な効果は臨床研究で観察されています。1,2例えば、クルクミン製剤は脳のエイジングケアとして非常に有望視されています。2-4ターメリックを大量に摂取するインドの農村部の住民は、加齢に伴う脳障害の発生率が世界一低いことが示されています。もちろん、ターメリック(カレーの主成分)は食事でたっぷり摂ることができますが、より良い結果を目指すなら、高用量のクルクミンを供給するサプリメントを摂取すると良いでしょう。

米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で行われた研究では、認知・記憶障害のある50〜90歳の40人が、Theracurmin®摂取群とプラセボ群のいずれかにランダムに割り当てられました。Theracurmin®は高バイオアベイラビリティ(生物学的利用能)型のクルクミンで、同研究では90mgを1日2回(1日あたり計180mg)、18ヶ月にわたって投与されました。5研究開始時に全被験者が認知機能評価を受け、その後は6ヶ月おきに、さらに18ヶ月の研究終了後にも再評価を受けました。その結果、Theracurmin®摂取群の記憶力と集中力に有意な改善が見られました。一方、プラセボを摂取した被験者にはこのような改善は見られませんでした。記憶力に関する試験では、この18ヶ月間の研究中、Theracurmin®で28%向上したことがわかりました。また、Theracurmin®は気分スコアにも改善をもたらし、Theracurmin®を摂取した被験者の脳のPET(陽電子放出断層撮影)スキャンでは、プラセボ群と比較して損傷が有意に少ないことが示されました。他の研究を含めて、これらの結果が示すのは、加齢による精神的退化や脳障害の予防を図る方には、Theracurmin®をはじめとするクルクミン製品が最適と考えられることと言えるでしょう。

‌‌‌‌クルクミンと関節の健康

他にも、老化の結果として、軟骨やその他の関節構造の破壊が挙げられ、それが関節の機能や可動性の低下につながります。クルクミンは、関節の健康改善において大きな効果があることがわかっています。6市販のクルクミン製品のうち最もよく研究されているTheracurmin®とMeriva®は、関節の健康改善に関する対照ヒト試験でかなりの成果が見られています。関節の健康にクルクミンが用いられた初の二重盲検臨床試験では、40歳以上の被験者50人にクルクミン(Theracurmin®を1日180mg)、またはそれに相当するプラセボが8週間にわたって投与されました。7その結果、Theracurmin®摂取群の中等度〜重度の被験者の膝の違和感スコアが、プラセボ群より大幅に低いことが示されました。

Meriva®も、関節の健康に関する詳細な研究に使用されています。8ある研究では、膝に違和感がある50人の患者に、3ヶ月にわたってMerivaを1000mg(クルクミン200mgを供給)投与しました。その結果、関節の違和感スコアが58%低下し、トレッドミルテストでの歩行距離が試験開始時の平均76mから332mに増加したことがわかりました。9別の臨床試験では、膝の違和感がある患者100人が8ヶ月にわたってMerivaを1000mg投与されました。10同様に、他の研究でも症状スコアと歩行距離において有意に改善されました。

膝関節に軽度〜中等度の違和感がある人を対象とした小規模プラセボ対照試験では、ピペリン(クルクミンのバイオアベイラビリティを高める能力があることが示されている黒コショウ由来の化合物)と併用することで、クルクミンの効果が見られることが示されました。標準化ピペリン製剤であるBioperine®15mgを含むクルクミノイド複合体(C3 Complex®)を1日1500mg、6週間にわたって投与したところ、違和感が大幅に軽減し、身体機能も改善されました。11

ピペリンを含まないクルクミン75~85%含有のターメリックエキスを用いた研究では、1日1500mgを4週間投与したところ、膝のこわばり、違和感、機能が改善されました。これは、イブプロフェン服用の対照群と比べてかなり良好な結果です。同研究では、大半の被験者(96~97%)が、関節の健康改善に満足しています。12

‌‌‌‌市販されているクルクミンの形状 :

スパイスとしてふんだんに摂取できるターメリックは、ショウガのようにすりおろして絞り汁にしたり、他の方法で食事に使用するなど、健康のために高濃度のクルクミンを取り入れた特定の調理法をお探しの方にお勧めします。ただし、通常のクルクミンパウダーは吸収されにくいのが難点で、一貫した結果が得られないという懸念があります。このように、クルクミンは吸収率が低いことから、安全性と有効性の臨床的裏付けを伴い、バイオアベイラビリティが改善された商品が開発されるようになりました。しかるべき臨床研究を経た製剤は特筆に値するものですが、中でも代表的なものがTheracurmin®、Meriva®、C3 Complex®です。とはいえ、前述の通り、通常のクルクミンパウダーの効果には、いくつかのエビデンスが存在します。

‌‌‌‌通常の摂取量 :

クルクミン製剤の摂取量については、安全性と健康効果の臨床的エビデンスに基づいたものが理想的です。代表的なクルクミン製剤の推奨摂取量

  • クルクミン – 1日1500mg。
  • Theracurmin® - クルクミン1日60~180mg。
  • Meriva® - 1000mgで1日200mgのクルクミンを供給。
  • C3 Complex® - 1日あたりクルクミン1500mgとBioperine®15mgを供給。

‌‌‌‌副作用と安全性 :

概して、クルクミンは極めて忍容性が高く、臨床試験で重大な副作用は報告されていません。

‌‌‌‌薬物相互作用 :

何らかの処方薬を服用中の方は、考えられるクルクミンとの薬物相互作用についてかかりつけ医にご相談ください。クルクミンには薬物相互作用の可能性がいくつかあるものの、確認されているのはそのうちの一部です。例として、クルクミンは、タリノロール(β遮断薬)の吸収を減少させたり、ノルフロキサシンの放出を増加させる可能性がある他、カンプトテシン、ドキソルビシン、メクロレタミンなど多数の化学療法薬を阻害すると考えられます。

参考文献:

  1. Kunnumakkara AB, Bordoloi D, Padmavathi G, et al. Curcumin, the golden nutraceutical: multitargeting for multiple chronic diseases. Br J Pharmacol. 2017;174(11):1325-1348. 
  2. de Oliveira MR, Jardim FR, Setzer WN, Nabavi SM, Nabavi SF. Curcumin, mitochondrial biogenesis, and mitophagy: Exploring recent data and indicating future needs. Biotechnol Adv. 2016;34(5):813-826. 
  3. Bhat A, Mahalakshmi AM, Ray B, et al. Benefits of curcumin in brain disorders. Biofactors. 2019;45(5):666-689.
  4. Ullah F, Liang A, Rangel A, Gyengesi E, Niedermayer G, Münch G. High bioavailability curcumin: an anti-inflammatory and neurosupportive bioactive nutrient for neurodegenerative diseases characterized by chronic neuroinflammation. Arch Toxicol. 2017;91(4):1623-1634. 
  5. Small GW, Siddarth P, Li Z, et al. Memory and Brain Amyloid and Tau Effects of a Bioavailable Form of Curcumin in Non-Demented Adults: A Double-Blind, Placebo-Controlled 18-Month Trial. Am J Geriatr Psychiatry. 2018;26(3):266-277. 
  6. Chin KY. The spice for joint inflammation: anti-inflammatory role of curcumin in treating osteoarthritis. Drug Des Devel Ther. 2016;10:3029-3042.
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