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一日中コンピュータで作業する人の目の健康を守る方法

著者:ガブリエル・エスピノーザ、医学博士

この記事の内容:


1日の平均使用時間が6〜9時間という数字が示すように、コンピュータおよびデジタル画面は、今や日常生活に欠かせないものとなりました。2018年現在、世界人口の84%が何らかのデジタル画面機器を使用していると推定されます。この数は、今後さらに増えるものと予想されます。

ソーシャルディスタンシング(社会的距離)政策により短期間で多くの人々に影響が及ぶ中、かつてない数の成人が在宅勤務を、また子供達は在宅学習を強いられ、電話会議や娯楽目的でデジタル画面機器を拠り所とする人が増えています。

そんな今こそ、目をいたわる必要があります。画面を見る時間が増えると、ドライアイ、眼精疲労、頭痛、視界不良につながるとされています。以下、目を健康に保つヒントと「コンピュータビジョン症候群」の予防方法に関する情報をまとめました。

コンピュータビジョン症候群とは?

コンピュータビジョン症候群(CVS)は、コンピュータ、タブレット、携帯電話など、デジタル画面の長時間使用を原因とする一連の視力問題です。CVSの症状には、眼精疲労、視界不良、ドライアイ、頭痛の他、場合によっては首や肩の痛みなどもあります。

これらの症状の原因と考えられるのは、薄暗い作業環境、高輝度画面、質の低い機器の使用や環境・体の姿勢、裸眼視力による問題、あるいはこうしたもの全てによる複合的問題です。

CVS症状の程度は、画面を見ている時間の他にも、遠視や乱視、不十分な目の焦点調整、加齢に伴う視力の変化など、裸眼視力問題の有無に左右されます。

コンピュータビジョン症候群の原因

デジタル画面より印刷物の方が鮮明なのは、画面上の画像が何千個もの小さなピクセルで構成されているからです。これは画像解像度とも呼ばれ、画面のちらつきやまぶしさなどを生じやすく、視野のばらつきが生じやすいものです。そのため、画面の読み取りは、印刷物より集中力が必要です。

その結果、目の水晶体(レンズ)がデジタル画面に絶えず焦点を合わせるように調整するために、眼筋の負担が高まります。これが、CVS関連の眼精疲労と視界不良の増加につながるわけです。さらに、CVSによる首の痛みと眼精疲労の程度の関連性が指摘されています。

Ophthalmic & Physiological Optics誌のレビューでは、印刷物を読む場合と比べて、コンピュータ使用による瞬目(まばたき)率の低下と瞬目不全の増加が起こりやすいことが報告されています。なお、デジタル画面を見る際、自発的に目を細めても瞬目率が低下する可能性があります。目の正常な潤滑機構であるまばたきが十分でないとドライアイになりやすいというわけです。

予防が肝心

CVS症状の多くは一過性と見られ、デジタル画面を見る時間を最小限に抑えることで改善する場合があります。ただし、遠見視力がぼやけたり、ドライアイなどの症状が続く人もいます。既に乱視、近視、遠視のいずれかと診断されている方は、眼科医に相談し、眼鏡などの矯正器具が必要かどうか確認してください。最も重要なのは、症状に気づいたらすぐに眼科を受診することです。放置すると、症状が持続したり、繰り返し再発するばかりか、悪化するおそれもあります。

コンピュータビジョン症候群の4つの予防方法

1. 人間工学に基づくデザインを活用して最適な仕事環境を確保

デスクトップかノートパソコンに関わりなく、コンピュータでの作業中や画面からテキスト等を読み取る際は、人間工学に基づいたデザインを取り入れることが大切です。たとえば首に負担がかかるような無理な姿勢を避ける工夫をしましょう。

専門家が推奨する目と画面の最適距離は50〜100cmで、画面の位置は目の高さより15〜20度(約12cm)下が目安です。つまり、コンピュータの画面を見ている際、足が床にぴったり付き、文字入力時に手首がキーボード上に乗らない高さに調整された、快適な理想の椅子を用意しましょう。

2. 適切な照明を使用

在宅勤務には、明るい部屋での作業を心がけ、画面の輝度・コントラストを調整します。一日中コンピュータを見る仕事をしている人は、アンチグレア画面フィルターを使用すると、コンピュータ画面のブルーライト、まぶしさ(グレア)、反射の量を減らすことができます。デジタル機器の画面のブルーライト量を減らして目の負担を和らげるアプリもあります。ただ、何より重要なのは適切な環境照明です。

3. こまめな休憩

最良の眼精疲労予防は、こまめに休憩して、長時間画面に集中する目を休ませることです。アメリカ検眼協会が開発し、国際的に推奨されている20-20-20ルールという基準があります。これは、20分おきに20秒の休憩を取り、20フィート(約6メートル)離れた場所にある物を見つめて、目の焦点を合わせ直すというものです。

4. まばたきしましょう

とにかく、なるべくまばたきしましょう。まばたきは、目の潤いを保つ方法です。ドライアイ対策として点眼剤を使用することもできますが、目の充血を抑えるナファゾリンやテトラヒドロゾリンなどの成分が含まれる目薬は避けましょう。このような成分は血管収縮剤で、目の栄養に必要な酸素を豊富に含んだ血液を運ぶ眼動脈を収縮させることで、目の充血を抑える働きがあります。これらの点眼剤を長期間使用すると、リバウンド効果として充血が生じることがあります。

目の健康と抗酸化物質の力

良好な視力がもたらす生活の質は計り知れないほど貴重なものです。強力な抗酸化物質がたっぷり詰まった体に良い栄養素で、目の健康改善が期待できるかもしれません。あるコクランレビューでは、ルテイン、ゼアキサンチン、ビタミンCE亜鉛といった栄養素が、特定の眼疾患リスクを減らすのに役立つ可能性があることが示されています。

ルテインとゼアキサンチンは、目の網膜の中心に見られ、強力な抗酸化作用を有するカロテノイドです。この2つの化合物はいずれも、緑色葉野菜、コショウ、パプリカ、卵に含まれ、ブルーライトを除去する可能性があることから、目の網膜受容体への損傷を軽減すると考えられています。現時点で、正式な一日の推奨摂取量はないものの、ルテインとゼアキサンチンのサプリメント摂取は安全なものでは、1日30〜40mgを安全範囲と示すデータがあります。

ビタミンCとEは、野菜をはじめ多くの食物に含まれる抗酸化作用に優れたビタミンです。ビタミンCは、人の体内で合成できないため必須栄養素です。また、血管壁、腱、靭帯、骨に欠かせない構造タンパク質であるコラーゲンの合成には、食事によるビタミンC・E摂取が不可欠です。

ビタミンEは、体の抗酸化物質源として機能する脂溶性ビタミンです。これが重要な理由としては、目の網膜に高濃度の脂肪酸が含まれ、ビタミンEの抗酸化作用がフリーラジカルによる損傷防止に役立つ可能性があるためです。米国食品医薬品局(FDA)が推奨する1日の摂取量は、ビタミンCが75〜90mg、ビタミンEが22 IU(国際単位)です。

亜鉛サプリメント摂取で、特定の眼疾患の進行緩和を図れる可能性が研究で示されています。亜鉛は網膜の健康に重要な役割を果たす栄養素です。目の代謝から発生し得る酸素ラジカルを除去する酵素が亜鉛を必要とするためです。亜鉛は、目の構造タンパク質や細胞膜にも関与しています。FDAの推奨摂取量は1日11mgで、サプリメントの安全濃度は1日40〜80mgと研究で示されています。

目を見れば体全体の健康状態がわかります

人は視覚を通してさまざまな物事を体験します。目下、一日中頼りきっているデジタル画面からこまめに休憩を取り、目を健やかに保つことが大切です。

予防こそが肝心であることをお忘れなく。20-20-20ルールを実践して、20分おきに20秒の休憩を取り、20フィート(6m)離れた場所にある物を見つめて目の焦点を調整します。体の他の部位に現れる前に多くの疾患が目に現れる可能性があることを踏まえて、1〜2年に一度は眼科検診を受けることをお勧めします。

最後に、抗酸化物質が豊富な、バランスの取れた食事を摂るよう心がけましょう。抗酸化物質は、目を保護するだけでなく、健康全般も保護することにもなります。

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