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健康

概日リズムと不眠症

6月 3 2019

エリック・マドリード医学博士

この記事の内容:

概日リズムは、本質的に体温、食欲、睡眠などのさまざまな身体的プロセスにおいて毎日のリズムを維持している体内時計です。健康的な概日リズムは日中には目を覚ましている状態を促し、夜間には深く安眠することを可能にするものです。

概日リズムは長年にわたって無数の研究者や教授によって研究されてきました。その中で、カリフォルニア州サンディエゴにあるソルク・インスティチュートのサッチダナンダ・パンダ博士はこの分野の一人者です。この問題に関して最も革新的で洞察に満ちた研究をいくつか行ってきました。

視床下部の豆知識

パンダ博士の研究の主な焦点は、概日リズムの構成要素として働く遺伝子と細胞に関するものです。博士の研究は特に視床下部として知られている脳の一部に焦点を当てています。視床下部は概日リズムを制御し、体の様々な部分に影響を与えるためにいくつかのホルモンを利用します。

視床下部で概日リズムに関与する特定の部分は視交叉上核として知られており、明るい場所や暗い場所にいる時に体内時計を調節します。光が目から脳の奥深くまで伝わる神経を通って移動するとき、脳は周りの環境についての情報を受け取ります。情報が脳によって受け取られた後、科学者が松果体と呼ぶ脳の別の部分にメッセージが送られます。

松果体も「第三の目」と考えられており、アーユルヴェーダ医学では 第三の目のチャクラまたはアジナチャクラとして知られています。 松果体には睡眠に不可欠なホルモンであるメラトニンを放出する役割があります。

メラトニンと概日リズム

メラトニンは松果体から放出される天然の睡眠促進ホルモンで、概日リズムにおいて大きな役割を果たします。メラトニンは1日の異なる周期の間に体内に分泌され、ほとんどの人が習慣とする朝晩の睡眠覚醒周期を促進するのに役立ちます。松果体は周りが暗くなるとより多くのメラトニンを産生・分泌し、明るくなると産生が減ります。

人の体はみなメラトニンを産生しますが、年をとるにつれて分泌される量は少なくなります。メラトニンの分泌は生後数ヶ月以内に始まり、成人期の初期まで増え続けてから産生量が一定になります。その後、メラトニンの分泌は若い頃に比べるとほんの僅かになるまで減少していく場合がほとんどです。高齢者の中で寝つきが悪い方がいるのはこのためかもしれません。メラトニンのサプリメントが不眠症、時差ぼけ障害、交替勤務障害の治療によく使われる理由もこのためです。

推奨用量:就寝1〜2時間前に3〜5mg。

時差ぼけと概日リズム

体内時計は周りの環境とその中での行動によってかなり左右されます。時差ぼけは空の旅で異なる時間帯に短時間で到着するために起こります。これは、調整に十分な時間がないため概日リズムが乱されるためです。通常この症状は概日リズムがまだ調整されてない旅行の最初の日に最も重く、ゆっくりと調整されていきます。メラトニンのサプリメントを摂取して明るい場所で過ごす時間を調整すると、体内時計のリセットに必要な時間を短縮できます。

時差ぼけの症状

  • 昼間の眠気
  • 眠りたいときに眠れない
  • 覚醒度の低下
  • 認知能力の低下と記憶の問題

交代勤務障害と概日リズム

概日リズムは、日中には覚醒して夜には眠気が促されるようにするものです。そのため、夜間は長時間起きて日中は眠る必要があるというスケジュールで働くと体内時計が狂ってしまうのです。夜間勤務している人々は、概日リズムが睡眠を促進し始めるのでシフトの終了時間に近づくと「睡眠負債」という状態になることが多いのです。概日リズムが覚醒を促進して睡眠を妨げる日中には逆のことが起こります。最善の解決策は、毎日特定の時間に寝るというアンカー睡眠を確立することです。眠りたい時間の間は光にあまりあたらないようにすることはとても重要で、メラトニンも睡眠の促進に役立つことがあります。

交代勤務障害の症状

  • 睡眠の質の低下
  • 睡眠時間の減少
  • 睡眠負債の増加

非24時間睡眠覚醒障害と概日リズム

非24時間睡眠覚醒障害は一度に24時間以上眠らない時の概日リズムによるものです。これは露光から刺激や合図を受け取ることができない盲目の方に最も一般的ですが、視覚障害のない一部の方にも起こります。これに対する主な治療法は概日リズムを訓練することです。これはメラトニン補給によって実現することができます。

非24時間睡眠覚醒リズム障害の症状

  • 昼間の眠気
  • 断続的な不眠

メラトニン以外にも

また、不眠症の治療に使用できるメラトニン以外の天然サプリメントとしては、メラトニンとは異なる働きをし、体内のさまざまなプロセスに影響を与えることによって睡眠を促すバレリアンルートカモミールなどもあります。

バレリアンルートと睡眠

何百年もの間、バレリアンルートは不安を緩和して睡眠を促進するためにお茶や他の自然療法に使用されてきました。アルカロイドおよびフラボノイドなどバレリアンルートに含まれる様々な化合物の作用により鎮静剤として働きます。

また、神経間のメッセージを減速したり防いだりする脳の神経伝達物質であるGABAも入っています。バレリアンルートに含まれる化合物は脳内のGABA受容体を刺激するために使われことがあり、最終的に眠気と鎮静作用をもたらします。バレリアンルートは不眠症の治療薬に代わる優れた方法ですが副作用が少しあるので、使用前に医師に相談する必要があります。

バレリアンルートに関連付けられている副作用:

  • 眠気
  • めまい
  • 腹痛(大量に摂取した場合)

カモミールと睡眠

カモミールは昔からその抗炎症性、抗不安性、睡眠誘発性の効果のために使用されてきた天然のハーブです。この鎮静作用はカモミールに含まれるフラボノイドやアピゲニンなど、脳内のGABA 受容体に結合して睡眠促進に役立つ化合物によるものです。カモミールは概して安全でかなり一般的なハーブサプリメントですが、使用する前に禁忌や潜在的な薬物相互作用がないことを確認するために必ず医師に相談してください。

カモミールに関連する副作用

  • 他の薬の抗凝固作用を高める
  • 皮膚炎
  • アレルギー人のアナフィラキシー

他のハーブ系サプリメントやハーブティーには、レモンバームラベンダーパッションフラワーモクレンの樹皮があります。  

良い睡眠衛生の維持

睡眠衛生としても知られている良い睡眠習慣は不眠症の発症を防ぐのにとても役立ちます。米国の国立睡眠財団によると、良い睡眠衛生には以下が含まれます。

  • 就寝前にニコチンやカフェインなどの刺激物を避けること。
  • 就寝前には睡眠を妨げる可能性のある食べ物を避けること。これには、辛い食べ物、柑橘系の果物、脂肪質の食事、炭酸飲料が含まれます。これらはすべて胃のむかつきや睡眠障害を引き起こす可能性があるものです。
  • 良い入眠儀式を確立すること。これにはストレッチ、寝る前に本を読む、または就寝前にシャワーを浴びることが含まれます。良い入眠儀式は体と脳に睡眠の準備ができていることを伝え、ゆっくりと準備するのに役立つものです。
  • 日中の昼寝は30分以内にすること。昼寝は夜間の睡眠の代わりとなるものではないですが、必要に応じて昼寝をすると気分が良くなり注意力が高まります。夜間の眠気が妨げられないように昼寝は短くしましょう。
  • 良い睡眠環境を維持すること。携帯電話、パソコン、テレビの画面からの光は過度な周囲光となる可能性があるため避けてください。睡眠を妨げて不要に精神を刺激することがあります。ブルーライトを遮断するアイウェアを使うようにしてください。一部のデバイスでは夜間の設定でブルーライトが遮断されるため、携帯電話の表示設定を確認するとよいでしょう。
  • 心地良い環境を作ること。枕とベッドマットレスは適度な温度で快適なものを使い、質の良い睡眠を維持できるようにしてください。
  • 運動してよく眠れるようにすること。サイクリングをしたり、睡眠前に最長10分間の散歩したりするなどの有酸素運動をすると、夜間の睡眠の質に大きな影響を与えることがあります。ただし、就寝前に激しい運動をしすぎると、人によっては睡眠に悪影響が及ぶこともあります。

概日リズムは眠りの質と長さを制御する体内時計です。これは視床下部として知られている脳の一部(特に視交叉上核)からきます。この部分の脳は目から情報を受け取り、松果体に信号を送り、メラトニンホルモンの放出を制御します。そのため、日中にメラトニン濃度が低いと覚醒した状態を促すのに役立つ一方、夜間にメラトニン濃度が高いと睡眠を促すのに役立ちます。概日リズム障害や睡眠障害の多くは、外因性メラトニンバレリアンルートカモミールなどの自然な睡眠療法を追加することで治療することができます。

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