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自然な白内障予防策10種

著者:エリック・マドリッド医学博士

この記事の内容:


白内障とは?

白内障とは、年齢と共に目の水晶体が白く濁る進行性疾患です。医学的に核白内障、皮質白内障、後嚢下(こうのうか)白内障の3種類に大別される白内障は、治療せずに放置すると重度の視力低下や場合によっては完全失明に至ることもあります。

白内障手術は、濁った水晶体を取り除いて新しい(人工)水晶体と交換する手術ですが、誰もが受けられるわけではありません。医療サービスが充実した国々では、60歳以上を対象に白内障手術が頻繁に行われています。ただし、白内障手術が現実的な選択肢ではない地域が世界中に数多く存在します。そのため、どこに住んでいようと、若い頃から白内障の発生を予防することが肝心です。

白内障のリスク

白内障の主な原因は水晶体の酸化と考えられています。白内障の危険因子には、過度の紫外線曝露をはじめ、喫煙、糖尿病、高血圧の他、経口コルチコステロイド(商品名プレドニン)のような特定の薬剤の長期使用などが挙げられます。また、過度のアルコール摂取でも白内障が発生しやすくなります。

食事と白内障

抗酸化物質は白内障の発症予防に役立つ可能性があります。抗酸化物質を多く含む果物や色とりどりの野菜が豊富な食事は効果大です。2010年に行われた研究では、ビタミンやミネラルを豊富に含む食事に、白内障発症を遅らせる効果が期待できると結論付けられました。さらに、2013年の研究では、果物や野菜などビタミンCを多く含む食事が白内障の発症予防に役立つ可能性が示されています。

食物やサプリメントに含まれる多くのハーブ、ビタミン、ミネラルには抗酸化作用があり、目の保護を図れると考えられます。

‌‌‌‌目の健康にルテインとゼアキサンチン

この2つの代表的なカロテノイドは、目を最適な状態に保つとされています。2017年、Molecules誌に発表された研究では、ルテインとゼアキサンチンには抗酸化作用の他にも、青色光をろ過する働きがあり、視力の改善に役立つ見込みがあることが明らかになりました。ここでわかったのは、抗酸化物質が水晶体の酸化ダメージを抑制して白内障を予防することです。同誌は、ルテインを1日6~10mg摂取した被験者は、白内障手術を受ける可能性が20~50%減少したと報告しています。

ただし、ほとんどの研究では、ルテインとゼアキサンチンの両方を組み合わせることで、最適な効果が得られることが示唆されています。ルテインとゼアキサンチンの供給源には緑色葉野菜や果物などがあります。食事で十分に摂取できない場合は、良質なサプリメントを摂取する必要があるでしょう。ご使用の目安:ラベル記載の通り。

‌‌‌‌パインバークエキスは強力な抗酸化物質

強力な抗酸化作用に優れたパインバーク(松樹皮)エキスは元来、北米やアジアの先住民が薬草として使用していました。カナダのフランス領有を主張したフランスの探検家ジャック・カルティエは、北米探検中の1535年にパインバークエキスを壊血病(かいけつびょう)の治療薬として使用したと伝えられています。壊血病はビタミンCの摂取不足を原因とする疾患です。

1987年に栄養補助食品として初めてアメリカに導入されたパインバークエキスですが、今日では統合医療専門医らもその健康・エイジングケア効果の数々に注目するようになりました。パインバークエキスは複数の処方で市販されており、カプセルとして摂取する他、エッセンシャルオイルとして使用したり、化粧水に混ぜて肌に塗布することもできます。

抗酸化剤は、有害なフリーラジカルから組織や器官を保護する物質です。Ophthalmic Research誌の研究では、パインバーク「ピクノジェノール」の抗酸化力が、ビタミンCビタミンE、α-リポ酸コエンザイムQ10よりも強力であることが実証されています。

J.キム博士による2017年の動物研究では、パインバークエキスに白内障の形成を防ぐ可能性があることが示されました。2013年の研究でもこれらの結果が裏付けられています。ご使用の目安:50~250mgを1日1~2回。

‌‌‌‌ケルセチンと抗炎症作用

ポリフェノールの一種であるケルセチンは強力な抗酸化物質で、抗炎症作用の他、目の健康に効果があることがわかっています。複数の研究で、ケルセチンは腸内マイクロバイオーム(腸内微生物叢)に効果があることが示されています。つまり、健康な腸内細菌(善玉菌)の増殖を助けるというわけです。

ケルセチンの食物源には、クランベリー、黒ブドウ、ラズベリー、緑色葉野菜、ブロッコリー、赤タマネギ(生)、紅茶緑茶などがあります。

2010年の研究では、ケルセチンが白内障発症予防に期待できるメカニズムについて考察されました。2019年の研究では、糖尿病患者の白内障予防におけるケルセチンの役割についても調査されています。ご使用の目安:ラベル記載の通り。

‌‌‌‌レスベラトロールの保護効果

レスベラトロールには数多くの働きがあることが示されています。植物栄養素であるレスベラトロールは、赤ワイン、ブドウ、ベリー類、 ナッツ類に含まれる天然の植物性化合物です。レスベラトロールの抗酸化作用は、細胞の自己制御能力を損なわせる酸化ダメージから細胞と細胞成分を保護します。また、酸化ダメージは白内障リスク上昇にもつながります。

2006年の研究では、レスベラトロールが豊富な食物を摂取することで、高齢者の白内障発症リスクを減らす可能性があるという結論に達しています。さらに、2016年の研究でも、レスベラトロールの保護効果が実証されました。ご使用の目安:ラベル記載の通り。

‌‌‌‌酸化的ダメージ対策として期待できるセレン

セレンは、人体内で重要な役割を果たす微量ミネラルとされています。24種類以上の生化学反応に欠かせないセレンは、細胞再生やDNA合成の他にも、酸化ダメージに対する保護に欠かせない存在です。セレンには、無機セレンと有機セレンがあります。

セレンの食物源には、ブラジルナッツ、内臓肉、魚介類などが挙げられます。また、鶏などの家禽肉(かきん)、卵、穀物、乳製品にも含まれています。

酸化ダメージ軽減を後押しする能力があるセレンは、白内障予防に役立つと思われます。ラットを用いた2012年の研究では、白内障予防におけるセレンの保護効果が示されました。さらに、2018年の研究では、「血清セレン濃度と加齢性白内障の関連性が確認されていることから、血清セレン濃度が低いと、加齢性白内障のリスクが高まる可能性がある」という結論が出されました。ご使用の目安:ラベル記載の通り。

‌‌‌‌スピルリナの抗炎症と抗酸化作用

スピルリナをスーパーフードと考える人は少なくありません。藍藻(らんそう)類に属するスピルリナは、錠剤や粉末で摂取でき、消化しやすい栄養補助食品です。スピルリナは、分類学的にはシアノバクテリア(藍色細菌)門、アルスロスピラ属、Arthrospira platensisと呼ばれます。

もともとスピルリナは、アフリカ、ハワイ、メキシコといった温暖地域のアルカリ湖に自生していました。コンキスタドール(征服者)によるスペイン語の記録によると、スピルリナはメキシコのテスココ湖に自生し、古くからアステカ人がtecuilatiと呼んで使用していました。また、ヨーロッパの探検家らは、アフリカのチャド湖周辺の住民がスピルリナを食用としていたと記録しています。現代では、スピルリナはNASAの科学者の間で、宇宙飛行士が宇宙空間で摂取する健康的な栄養補助食品として注目を集めています。

スピルリナは、タンパク質、ビタミン、ミネラル、植物栄養素を含む完全な供給源と言えます。しかも、スピルリナには抗炎症作用と抗酸化作用があることから、白内障予防に期待できそうです。

2013年から2014年にかけて行われた研究では、スピルリナを摂取すると、白内障の発症を阻止するのに役立つ可能性があることが示されました。ご使用の目安:ラベル記載の通り。

‌‌‌‌これまで研究されているビタミンCの抗酸化作用

ビタミンC、別名アスコルビン酸またはL-アスコルビン酸は、過去100年で最も研究対象となったビタミンの一つです。科学文献によると、1920年代以降6万5千件を超えるビタミンCの研究が実施されたことがわかっています。数多くの研究結果により、ビタミンCが強い免疫系をはじめ、心血管、脳、目の健康促進に役立つことがわかっています。

かつて、人体にはビタミンC生成能力があったものの、次第にその能力を失ったというのが多くの科学者の見解です。基本的に、大半の哺乳類を含むすべての動物種がビタミンCを生成できる中、例外はヒト、サル、モルモットです。脳と副腎にはビタミンCが最も集中しており、血液中の濃度よりも15~50倍高くなっています。抗酸化作用を持つビタミンCは、8種類以上の重要な生化学反応の酵素補因子でもあります。

The American Journal of Clinical Nutrition誌に掲載された2009年の研究によると、6歳以上の7%以上が、血液検査でビタミンCが不足していることがわかりました。そこでわかったのは、研究対象者の半数以上にビタミンCを多く含む食物の摂取量が少なかったことです。ビタミンCが多い食物には、柑橘類、イチゴ、マンゴー、ピーマンなどが含まれます。

2011年にインドで行われた研究では、血中ビタミンC濃度が低い人は、高い人に比べて白内障を発症する可能性が39%高いことがわかりました。

さらに、Ophthalmology誌に発表された2014年の研究でも、ビタミンCの血中濃度が高い人は白内障を発症する可能性が低いことが示されています。他の研究でも同様の結果が示されています。ご使用の目安:1日500~2000mg。

‌‌‌‌健康全般にマルチビタミン

まずなんと言っても、マルチビタミンは、バランスの取れた健康的な食事の代わりになるというものではありません。世界保健機関(WHO)の推計によると、全世界で20億人がビタミンとミネラルを十分に摂取していないとされています。研究によると、多くのアメリカ人も複数の必須ビタミンやミネラルを十分に摂取できていないことがわかっています。最近の「アメリカ人のための食生活指針」2015〜2020年版では、 脂溶性ビタミンであるADEと水溶性のビタミンCおよびコリンの摂取が不足していることが明らかになっています。

Nutrients誌に掲載された2014年の研究では、マルチビタミンを摂取している人は、白内障を発症する可能性が34%低いことが示されています。良質のマルチビタミンなら、さらに健康づくりを後押ししてくれそうです。

Ophthalmology誌に掲載された2014年の研究では、ランダム化二重盲検プラセボ対照試験の結果が発表されました。同研究は、50歳以上のアメリカ人男性医師14,641人を11年以上にわたって追跡調査したものです。そのうちの半数は毎日マルチビタミンを、残りの半数はプラセボを摂取しました。その結果、研究終了時には、マルチビタミン摂取群の白内障率がプラセボ群より9%少ないことがわかりました。なお、ほとんどのマルチビタミンには、ビタミンCの最小用量である約60mgしか含まれていないことに注意が必要です。マルチビタミンを摂取する人の多くは、必要に応じて単体ビタミンを追加補足しています。マルチビタミンのご使用の目安:ラベル記載の通り。

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