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カルシウム:骨の健康に最適なサプリメントについて

著者:マイケル・マレー博士、自然療法医

この記事の内容:


‌‌カルシウムとは?

カルシウムは体内に最も多く存在するミネラルで、全体重の1.5~2%を占めます。体内のカルシウム量の大部分が骨と歯に集中していますが、他にもカルシウムは血液などの組織に見られ、神経細胞の適切な機能、筋収縮、心拍調節、血液凝固に大きく関与しています。

‌‌‌‌骨の健康へのカルシウムの働き

カルシウムは骨の健康にいくつも重要な機能を果たしています。カルシウムの第一の役割は、骨の構造強度に欠かせないミネラル化です。また、骨に含まれるカルシウムは、血中カルシウム濃度を常に適正に保つための貯蔵庫としても機能します。

体内の総カルシウム量に占める割合から見れば、血液中のカルシウム量が微量とはいえ、ごく限られた正常範囲内に血中カルシウム濃度を維持しようと、体は文字通り骨身を削って働いています。その血中カルシウム濃度を正常範囲内に維持するために、骨は絶えずリモデリング(破壊と再構築)を行っています。

食事やサプリメントで十分なカルシウムを摂取しないと、体はカルシウムを骨から取り出さざるを得なくなります。こうして、血中カルシウム濃度を維持しようと、骨が再構築以上に破壊を繰り返すと、徐々に骨密度が低下して骨粗鬆症を引き起こすおそれがあります。骨粗鬆症は、骨がスカスカになり、骨折しやすくなる病気です。

カルシウムのサプリメントを摂取するだけでも骨密度の維持に役立つことがわかっていますが、ビタミンD3のサプリメントと併用するとさらに効果的です。

‌‌‌‌カルシウム、骨密度、更年期

女性の場合は、閉経前からカルシウムビタミンD3のサプリメント摂取を始めると、閉経後の骨密度維持に役立ちます。つまり、早い時期に丈夫な骨を作っておき、十分な骨密度を維持することで、更年期以降の骨密度低下を予防しやすくなるというわけです。また、たとえ閉経直前まで待ってからカルシウムやビタミンD3を補給したとしても骨密度の改善が期待でき、カルシウムやビタミンD3を摂取しない場合と比べて、骨密度の低下率を半分近くまで抑えることができます。一方、更年期に入ってようやくカルシウムとビタミンD摂取を始めた女性でも、加齢に伴う骨密度低下の防止にいくらか役立つことがわかっています。1-5

‌‌‌‌市販のカルシウム形状

カルシウムのサプリメントは、錠剤、カプセル、グミ、チョコレートを含むチュアブルの他、液体も数種類あるなど、さまざまな形状で販売されています。中でも最も広く普及している炭酸カルシウムは、特に食品と共に使用する場合はほとんどの方が問題なく摂取できるカルシウム形態です。6ただし、胃酸が十分に分泌されない方や胃酸抑制薬を服用中の方には、クエン酸カルシウムやリンゴ酸カルシウム、アスパラギン酸カルシウム、乳酸カルシウムなど、イオン化されやすい形態をお勧めします。これらの形態は、カルシウムが担体(キャリアすなわち運搬体)分子から放出されやすいため、炭酸カルシウムよりも優れた利点がいくつかあります。一方、これらのカルシウム形態の問題点は、担体分子が炭酸塩よりも大きいため、どうしても嵩(かさ)が増えてしまうことです。そのため、炭酸カルシウム配合の製品と同濃度の元素カルシウムを供給するには、最大4倍もの量の錠剤やカプセルが必要となります。

多様なカルシウム形態のメリットとデメリットを比較

形態

デメリット

メリット

炭酸カルシウム

胃酸を中和するため、胃酸が十分に分泌されない人は吸収が悪くなりがち。できるだけ吸収を良くするには、食事と共に摂取すること。

安価。他の形態より体積が小さいため、摂取するカプセルや錠剤が少量で済む。

クエン酸カルシウム、他のクレブス回路(クエン酸回路)中間体に結合したカルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム

炭酸カルシウムよりも担体分子が大きいため、カプセルや錠剤の摂取量が多い。

空腹時の吸収率が最も高く、胃酸分泌が低下している人にも吸収されやすい。

リン酸カルシウム

他のミネラル(特に鉄分)の吸収を阻害する可能性がある。

リン酸塩を供給し、便秘になりにくい。

カキ殻カルシウム、ドロマイト、骨粉

鉛などの不純物が多く含まれがち。

なし。

微結晶性カルシウムヒドロキシアパタイト

比較的高価であり、他の形態ほど吸収が良くない。

骨の健康に何らかの効果が期待できるその他の配合成分がある。

‌‌‌‌カルシウムの推奨摂取量

骨の健康維持にカルシウムを摂取する際の推奨用量は、1日600~1200mgが目安です。なお、骨密度が著しく低下している場合は、1日1200mg以上の高用量が必要となるでしょう。ただし、この用量を超える量を摂取しても、付加的効果が得られるわけではありません。

カルシウムの推奨栄養所要量

乳児

生後0〜6ヶ月            400mg

6〜12ヶ月            600mg

幼児

1〜3歳            800mg

4〜6歳            800mg

7〜10歳            800mg

青少年および成人

男性 11〜24歳        1200mg

男性 25歳以上        800mg

女性 11〜24歳    1200mg

女性 25歳以上        800mg

妊娠中            1200mg

授乳中            1200mg

‌‌カルシウムに考えられる副作用

カルシウムのサプリメントは、推奨摂取量の範囲内であれば、副作用が生じることはまずありません。ただし、腎臓結石や骨外側の軟部組織石灰化のリスクが高まる可能性があるため、所定量を超える摂取はお勧めできません。

‌‌‌‌カルシウムに関する注意事項

副甲状腺機能亢進症、腎疾患、がんなどの疾患にはカルシウム代謝異常を伴うケースがあるため、これらの疾患患者はカルシウムサプリメントを服用する前に、必ず医師に相談することが大切です。

カルシウムの薬物相互作用

エチドロン酸(商品名ダイドロネル®)やテトラサイクリン系抗生物質など、カルシウム摂取により吸収が低下する可能性のある薬剤が多数あります。これらの薬剤を服用中の方は、服用後2時間以内にカルシウムを摂取しないでください。また、カルシウム摂取が、フェニトイン(ディランチン®)、ジゴキシン、硝酸ガリウム(ガナイト®)といった薬剤の作用を阻害する可能性も指摘されています。何らかの処方薬を服用中の方は、カルシウムサプリメントを服用する前に、必ずかかりつけ医に相談し、起こり得る問題の有無を確認してください。

参考文献:

  1. Tai V, Leung W, Grey A, Reid IR, Bolland MJ. Calcium intake and bone mineral density: systematic review and meta-analysis. BMJ 2015;351:h4183.
  2. Jackson R, LaCroix A, Gass M, et al. for the Women’s Health Initiative Investigators: calcium plus vitamin D supplementation and the risk of fractures. N Engl J Med 2006;354:669–683.
  3. Rizzoli R, Boonen S, Brandi ML, et al. The role of calcium and vitamin D in the management of osteoporosis. Bone 2008;42(2):246-9. 
  4. Boonen S, Vanderschueren D, Haentjens P, Lips P. Calcium and vitamin D in the prevention and treatment of osteoporosis - a clinical update. J Intern Med 2006;259(6):539-52.
  5. Quesada Gómez JM, Blanch Rubió J, Díaz Curiel M, Díez Pérez A. Calcium citrate and vitamin D in the treatment of osteoporosis. Clin Drug Investig. 2011;31(5):285-98
  6. Heaney RP, Dowell MS, Barger-Lux MJ. Absorption of calcium as the carbonate and citrate salts, with some observations on method. Osteoporos Int. 1999;9(1):19-23.
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