ウエイトリフティングの実績を積む際、できるだけ筋肉を増やすためには、「バルキング」フェーズすなわちバルクアップ(筋肉増量)の段階を踏むのが一般的です。増量期を使用したバルクアップは万人向けというわけではありませんが、筋肉を最大限に成長させ、体重増加と密接に関係している筋力などのパフォーマンス指標を目指している方には、是非お勧めしたい方法です。

筋肉増量期を実践する際の唯一の注意点は、明確な計画を立てて挑まないと、逆効果になってしまうということです。例えば、バルキング(増量)中であるのを良いことに、好きなものを食べたり、せっかくバルキングフェーズ前に確立した食事習慣を無視してしまうウエイトリフターもいますが、これはNGです。

たとえ筋肉増量中でも、しっかり計画を立て、経過を把握するように意識的に努力することが大切です。そうすることで、計画を効率的に進められる上に、なるべく避けたい脂肪増加を抑えやすくなります。これは要するに、測定基準を確認しながら進めば、目標をはじめ、途中で気づいた傾向に合わせて計画を変更しやすくなるでしょう。

‌‌‌‌バルキングとは

バルキング時の進捗について詳しく述べる前に、まずバルキングについてご説明しましょう。バルキング(Bulking)すなわち筋肉増量は、筋肉を最大限に成長させるために、1日の総エネルギー消費量(TDEE)を上回るようにカロリー摂取量を増やすプロセスです。バルキング時の食事には、カロリーの余剰分による筋成長の可能性を最大限に引き出すためのトレーニング計画が付きものです。

バルキングフェーズは、主に一定の期間または目指す体重増加の目標によって決まります。この2つの要素はいずれも重要です。というのも、余剰分がどの程度になるかを決定し、それがウエイトリフターの生活習慣に合致した現実的かつ実現可能な計画であるかどうかを判断するための戦略に関わるものだからです。ウエイトゲイナー(体重増加剤)は、食事だけで1日の摂取カロリーを満たすのが難しい場合に便利なサプリメントです。

筋肉増強を目指すために男性が考慮すべき3つのポイント:詳しくはこちら

‌‌‌‌バルキング期間中の可変要因(人や状況によって異なる要因)

バルキングフェーズの進み具合を把握する上で、行き当たりばったりに始めるのではなく、いくつか可変要因の設定が必要であることを覚えておきましょう。可変要因には以下のようなものがあります。

  • 現在のTDEE:現在のカロリー摂取量を知ることで、目標や出発点に合った1日の余剰分がわかります。
  • 体の出発点:TDEEに加えて、現在の体脂肪量と体組成を認識することで、戦略的な余剰分を選択したり、体組成の進捗状況をスムーズに把握しやすくなります。
  • 筋肉増量の目標:増量期間中に達成したいことは何でしょう。体重管理とパフォーマンス向上のどちらを目指しているのでしょうか。

これらの基本的なポイントが確立できれば、バルキングの進展の記録方法が選択できるようになります。なお、この記事は進展の把握に特化したものであり、各自の生活習慣、目標、ニーズに合わせてバルキングの骨組みを設定する必要があります。

‌‌‌‌バルキングの進展を記録する方法

進展状況を確認することはもちろん重要ですが、出発点の設定も不可欠です。まぜなら、これにより増量中にさまざまな面で成果が浮き彫りになるからです。増量期に入る際は、以下の項目を記録しておくと良いでしょう。

  1. 体重
  2. 体脂肪(平均値で十分)
  3. 1-RM(レップマックス=最大挙上重量)、活動に集中した時間などのパフォーマンス指標。

これらの数値を記録しておけば、増量時の進展状況を確認するための複数の方法を選びやすくなります。

私がお勧めしたいのは、体重の他に以下のような測定基準を使用することです。2種類の測定基準を用いることで、進展状況を客観的に把握できるようになり、目標や増量期の全体像を掴みやすくなるでしょう。

1. 体重記録

まず、最も簡単に記録できる測定基準といえば体重です。体重は日々変動するのが普通ですが、カロリー消費量が多ければなおさらです。そのため、週に最低3日は体重を記録し、平均値を出しておくことをお勧めします。傾向と平均値は、例外的な日々よりも常に優先されます。ここで重要なのは、敏感な反応による大きな変化ではなく、小さくとも有益な変化であり、その目安となるのが傾向です。

体重の測定は、朝起きてすぐ、食事や水分を摂る前に行いましょう。こうすることで、一貫した体重測定が可能になります。

バルキングのパラメーターの変更と体重については、週ごとの体重の推移を参考にして変えていくと良いでしょう。例えば、3週目から4週目にかけて、当初の目標を大きく上回るほど体重が増え、4週目も体重が増加したままであれば、カロリー摂取量を若干減らします。逆に、体重が思うように増えない場合は摂取量を増やします。

2. 経過写真

もう一つ便利な方法は、進展最中の写真を撮ることです。これは簡単にできる上に、増量期間中のモチベーションを高めるのにも最適です。できれば、朝の体重測定時に、飲食物を口にする前に経過写真を撮ると良いでしょう。

もちろん、日中や運動後に写真を撮っても良いのですが(むしろお勧めします)、進み具合を把握するには、筋肉や脂肪が増加している部位を正確に評価するために、一貫して朝一番に写真を撮ることが大切です。

特に朝の経過写真は、少なくとも週1~3回は撮るようにしましょう。繰り返しますが、あくまでも確認したいのは傾向であり、1枚の写真だけではうまく把握することができません。

3. 市販の一般用または医療用の機器による体脂肪測定

進展状況をより正確に把握したい場合は、市販の装置または医療機関などにある体脂肪測定器を使用することで高い精度が期待できます。増量期間中の筋肉増加量と体脂肪量の測定に使用できるものがいくつかありますので、

ここでは特によく使われている測定器をご紹介しましょう。以下、検査精度の高いものから順に挙げてみました。

  • DEXAスキャン(二重エネルギーX線吸収測定)
  • 高精度体脂肪測定装置(BOD POD)/水中体重測定
  • 皮下脂肪キャリパー
  • 生体インピーダンス分析

これらはいずれも、体重測定と併せて使用できる優れた測定ツールです。より正確で高価な測定器を使用する場合は、3~4週間に1回程度が良いでしょう。予算的に難しい場合は、増量期の前後に使用するだけでもかまいません(かなり高価なものもあります)。

代謝と体重減量に関する8つの俗説を医師が覆します:詳しくはこちら

‌‌‌‌バルキングの進捗のまとめ

優れたバルクアップは、綿密な計画に加えて、進捗を正確に把握するための複数の測定基準から成るものです。バルキング期間中の過剰な脂肪増加を抑えるには、上記のリストから2種類の方法を選んで進捗状況を確認することをお勧めします。

バルキング中はどうしても多少の脂肪増加がありますが、それ自体は大きな問題ではありません。重要なのは、出発点をはじめ、最高の達成感とパフォーマンスを引き出す上で、体脂肪量がどの程度増えているのかを忘れないことです。

また、カロリー余剰期には、以下の点におきましても心がけましょう。

  • プロテインの摂取:プロテインやカロリーを十分に摂ることが難しいという方は、ウエイトゲイナーのサプリメントを取り入れてみてはいかがでしょうか。
  • 運動前後の栄養:カロリー余剰期であることを踏まえ、最高のパフォーマンスと筋肉増量を図るために、プレワークアウトポストワークアウトのサプリメントで栄養を強化しましょう。
  • 重要なのは回復:回復時にこそ筋肉が作られます。そこで、睡眠改善が期待できるマグネシウムや、冬場の風邪・インフルエンザ予防に役立つビタミンDの他、免疫力のサポート強化に亜鉛などを取り入れると良いでしょう。

以上はバルキング期間中に考慮したいポイントのほんの一部です。カロリー余剰期にある場合は、余分なカロリーを筋成長に活かし、それを目標に頑張りましょう。ご健闘をお祈りします!

ヘビーなトレーニングセッションの前後に摂りたい食品について筋トレコーチが解説:詳しくはこちら