美は内面から、という言葉に嘘はありません。どんなに高価なファンデーションを使っても、どれほど熱心に最新のスキンケア製品を塗っても、体が必要とする栄養素が不足していれば、傷んだ髪、肌、爪を隠しきれなくなります。

体に必要な栄養素は自然な食品を摂取することで満たせますが、常にバランスのとれた食事を続けるのは難しいため、栄養が不足してしまうことは珍しくありません。そんな時こそ、美容と健康のためのサプリメントの出番です。適切な食事や生活習慣を維持しつつ、目的に合った良質なサプリメントを摂取することで、美容と健康に欠かせない栄養素を確保しやすくなります。

美容サプリメントとは

美容サプリメントとは、その名の通り、美容に必要な栄養素の不足分を補うためのものです。肌、髪、爪を内側からサポートし、栄養を与え、丈夫で健やかに保つのに役立つこれらのサプリメントには、主に、ビタミンAビタミンCビタミンEマグネシウム亜鉛カルシウムなどの栄養素が豊富に含まれています。

特定のビタミンやミネラルが不足している方は、美容サプリメントで補給すると良いでしょう。例えば、ビタミンB欠乏があると、徐々に髪や爪などに影響が出てきます。このような場合は、ビオチンのサプリメントとバランスのとれた食事が有効です。

サプリメントは、液体、粉末、錠剤、グミ、カプセルタイプなどで販売されていますので、用量や個人の耐性に合わせて選びましょう。

美容サプリメントの有効性

美容サプリメントについては、白黒はっきりした正解はありません。研究では、確かに美容サプリメントは肌、髪、爪の健康に効果があることが示されていますが、サプリメントの有効性には個人差があります。それは、人の体がそれぞれ違うように、体質によってビタミンやミネラルの処理の仕方も異なるためです。そのため、身近な人の肌、髪、爪に目覚ましい効果が見られたとしても、自分にも同じような効果があるとは限りません。自分の体のことはもちろん、美容サプリメントの科学的根拠を知ることが重要なのはそのためです。それを踏まえた上で、自分の体が必要としている栄養素がわかれば、賢く選択できるようになるでしょう。

‌‌‌‌美容サプリメントの選び方

巷には数多くの美容サプリメントが出回っています。コラーゲン、ペプチド、ビオチン、抗酸化物質、レスベラトロール、ビタミンC、プロバイオティクスといった名前を列挙されると、選ぶのに迷ってしまうかもしれません。ご心配なく。それぞれの成分の科学的根拠を少しでも知ることで、サプリメント選びがぐっと楽になるはずです。例を挙げると、アミノ酸(L-イソロイシン、L-ロイシン、L-バリン)をはじめ、ビタミンB群、ミネラル(ケイ素、マグネシウム、硫黄)を配合した製品は、丈夫な髪や爪を促進するというデータがあります。そこで、目的や美容に関する悩みに応じて最適な製品を選べるように、多くの美容サプリメントに含まれている栄養素の種類について簡単にご説明したいと思います。

ビタミンA、C、E

ビタミンA、C、Eはエイジングケア効果があることで知られています。これらのビタミンは表情ジワや小ジワを目立たなくして、丈夫で健やかな肌をもたらすことが実証されています。ビタミンAは細胞のターンオーバーを促進し、ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、シミを薄くして肌のトーンを明るくし、ビタミンEは肌の保湿に役立ち、ふっくらとした若々しい肌を保つことで知られています。

コラーゲンとペプチド

コラーゲンは、アミノ酸を結合することで体内で自然に生成され、肌の強さと弾力の維持に携わるタンパク質です。ペプチドは、肌に必要なタンパク質を構成するアミノ酸です。コラーゲンペプチドの原料であるコラーゲンタンパクには、骨や関節の健康を促進する栄養特性および生理的特性があり、美肌づくりに効果的です。年齢とともに体内のコラーゲン生成量が減少すると、骨や爪がもろくなったり、皮膚がたるみやすくなります。

これまで行われてきた数多くの研究では、コラーゲンの他にもビオチンなどの成分を最大12週間にわたって毎日投与したところ、肌の水分量、ざらつき、弾力が大幅に改善されました。

ビオチン

ビオチンはビタミンB群の水溶性ビタミンです。ビオチンが不足すると、抜け毛が増えたり、爪がもろくなるといった症状が現れます。ビオチンを含む代表的な食品には、卵黄、レバー、腎臓、ナッツ類(アーモンド、ピーナッツ、ペカン、クルミ)、大豆などの豆類、全粒粉、シリアルなどがあります。摂取量は、思春期から成人期まで1日30〜100マイクログラム(mcg)が目安です。なお、ほとんどの方には問題のないビオチンのサプリメントですが、人によっては吐き気や消化器系の不調など軽い副作用が出ることがあります。

抜け毛が多い、爪が割れやすいなどの症状がある方は、ビオチンのサプリメント摂取を始める前にかかりつけ医に相談することをお勧めします。このように、実際にビオチンが欠乏していて、サプリメントが必要であることを確かめた上で摂取することが大切です。

レスベラトロール

レスベラトロールは抗酸化物質として作用する植物性化合物であり、主にブドウ、ベリー類、赤ワイン、ピーナッツなどから摂取できます。レスベラトロールは、加齢に伴う身体機能の低下を改善することで活力を高める働きがあり、心血管をサポートする効果も期待できます。

ただし、レスベラトロールは、多くの薬剤(特にジクロフェナクなどのNSAIDsすなわち非ステロイド性抗炎症薬)と相互作用する可能性があります。妊娠中・授乳中の女性をはじめ、服薬中の方や何らかの持病がある方は、レスベラトロールの使用前に医師にご相談ください。

抗酸化物質

抗酸化物質はフリーラジカルの害から細胞を守ります。フリーラジカルは正常な生体プロセスの結果として発生するものですが、喫煙や紫外線などの環境要因によっても生成されます。フリーラジカルは、細胞にダメージを与えることで老化を加速させ、心血管疾患やがんの発症につながる可能性もあります。

ビタミンEは最も重要な抗酸化物質の一つで、細胞膜を保護し、その細胞膜に関連する酵素の損傷を防ぎます。また、ビタミンEは、フリーラジカルを原因とする慢性疾患の予防や発症遅延にも役立ちます。

ビタミンCビタミンD亜鉛セレンも抗酸化サプリメントに含まれています。これらの栄養素は、免疫系を強化して病気への抵抗力を高める働きがあります。

プロバイオティクス

プロバイオティクスは消化器系の健康維持に役立ちます。生きた善玉菌および酵母であるプロバイオティクスは、消化を助け、腸内微生物のバランスを整えます。他にも、プロバイオティクスは口腔内の健康や肌状態の改善に有望であることが示されています。プロバイオティクスは発酵食品やヨーグルトなどに含まれています。プロバイオティクスの食品やサプリメントは、大半の方には安全ですが、免疫力が低下している方や重篤な疾患がある方は、摂取する前にかかりつけ医に相談することが大切です。

迷ったらかかりつけ医に相談

サプリメントに懐疑的な意見もありますが、サプリメントは老化を遅らせたり、健康や美容を増進させるのに役立つものです。それでも、用心するに越したことはありません。これからサプリメントを取り入れたい方は、事前に医師にご相談ください。栄養状態、処方薬、現在の健康状態、アレルギー歴などあらゆる生活要因を評価した上で、美容に関する悩みに適切な解決策を提案してくれるでしょう。

参考文献:

  1. Hill C, Guarner F, Reid G, Gibson GR, Merenstein DJ, Pot B, et al. The International Scientific Association for Probiotics and Prebiotics consensus statement on the scope and appropriate use of the term probiotic. Nat Rev Gastroenterol Hepatol 2014;11:506-14.
  2. Elíes-Gómez J. Efectos de los isómeros del resveratrol sobre la homeostasis del calcio y del óxido nítrico en células vasculares [Ph.D. thesis] Santiago de Compostela, Spain: Universidade de Santiago de Compostela; 2009.
  3. International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use . ICH Harmonised Guideline: Integrated addendum to ICH E6(R1): Guideline for Good Clinical Practice E6(R2) European Medicines Agency; London, UK: 2016.
  4. Combs GF, Jr. Biotin. In: Combs GF, Jr., ed. The vitamins: fundamental aspects in nutrition and health. Third ed. Burlington, MA: Elsevier Academic Press; 2008:331-44.
  5. Zempleni J, Wijeratne SSK, Hassan YI. Biotin. Biofactors 2009;35:36-46.
  6. Combs GF, Jr. Biotin. In: Combs GF, Jr., ed. The vitamins: fundamental aspects in nutrition and health. Third ed. Burlington, MA: Elsevier Academic Press; 2008:331-44.
  7. Institute of Medicine. Food and Nutrition Board. Dietary Reference Intakes: Thiamin, Riboflavin, Niacin, Vitamin B6, Folate, Vitamin B12, Pantothenic Acid, Biotin, and Choline. Washington, DC: National Academy Press; 1998.
  8. Li Y, Schellhorn HE. New developments and novel therapeutic perspectives for vitamin C. J Nutr 2007;137:2171-84.