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胸焼けと胃酸逆流に対処するための自然療法8選

著者:マイケル・マレー博士、自然療法医

2021年5月更新                2018年3月初出掲載

この記事の内容:


‌‌‌‌胸焼けとは

胸焼け、胃酸逆流、消化不良は、潰瘍とは関係のない上部消化器(口腔、食道、胃、十二指腸)の問題を示す際によく耳にする用語です。胸焼けの他、胃酸逆流や消化不良の症状には、嚥下困難、食後の圧迫感や膨満感、胃痛・腹痛、胃けいれんなどがあります。

‌‌‌‌胸焼けの原因

胸焼けをはじめ、胃酸逆流を伴う症状に多いのは、胃液が食道に逆流することで胸が焼けるような不快感がこみ上げ、横になると悪化するというものです。

この逆流の原因は、食道と胃を隔てるリング状の筋肉である下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)の機能低下であることがほとんどです。この他にも、食道裂孔(しょくどうれっこう)ヘルニアや、妊娠、肥満といった素因がこの機能低下を引き起こしたり、食べすぎや消化不良が原因となることもあります。

下部食道括約筋が弛緩すると、胃の内容物が食道に逆流します。この逆流物は、酸や胆汁の他、ペプシンなどの酵素で構成されるもので、食道の損傷や炎症につながります。また、タバコ、チョコレート、揚げ物、炭酸飲料、アルコール、カフェインの摂取や、降圧剤、抗うつ剤、ホルモン剤、抗生物質、化学療法剤、ビスフォスフォネート系製剤などの服用でこのような逆流が起こる場合もあります。これらの要因に共通するのは、下部食道括約筋の緊張を低下させる性質です。その症状は、横になると特に悪化しやすいものです。

‌‌‌‌胸焼け、胃酸逆流、消化不良に効果的な天然成分のサプリメント8選

ここからは、胸やけ、胃酸逆流、消化不良を改善することが臨床的に実証されている天然成分のサプリメントをご紹介していきましょう。

1. カルシウム

カルシウム源:牛乳、ナッツ類、穀物

カルシウムの中でも、たまに起こる胸焼けの緩和に(胃酸を中和する)制酸剤として使用できるのが炭酸カルシウムとクエン酸カルシウムです。1回の摂取量は500~1,000mgが目安です。

カルシウムサプリメントの効能を最大限に活かす5つの方法:詳しくはこちら。

2. ベタイン塩酸塩(HCL)

ベタイン塩酸塩(HCL)は、胃の塩酸分泌の不足を原因とする胸焼けや消化不良の緩和に役立ちます。胃酸を分泌する能力は年齢とともに低下する傾向にあります。一例を挙げると、60歳以降の半数以上に胃の塩酸分泌量が少ないことがいくつかの研究で分かっています。1 塩酸が不足すると、胸焼けだけでなく、食後30分以内にガスや膨満感が生じやすくなります。そんな時、栄養補助食品としてHCL(塩酸塩)を摂取することで不足分を補うことができます。

成人のHCL補充療法の推奨摂取量は、500mgのカプセル1~2錠を食事と共に1日1〜3回が目安です。HCL製品には、ペプシンという酵素またはタンパク質を消化する真菌プロテアーゼが含まれているはずです。

安全性に関する注意事項:HCLは空腹時に使用せず、必ず少量でも食事をした後に摂取してください。活動性消化性潰瘍がある方や、妊娠中または授乳中の方は、使用する前に医師にご相談ください。お子様の手の届かないところに保管してください。

お腹の膨満感やガスにお悩みの方へ腸の不調についてお話ししましょう:詳しくはこちら。

3. アルギン酸

アルギン酸は褐藻類の細胞壁に含まれる食物繊維です。アルギン酸は、自重の200〜300倍以上もの重さの水分を保持するというユニークな性質を持つ天然のゲル化物質です。

アルギン酸を炭酸カルシウムなどの天然の緩衝剤(かんしょうざい。酸などを加えてもその影響を和らげ,pHをほぼ一定に保つ化合物)と併用すると、アルギン酸が効果的なラフト(いかだ、ゴムボート)を作り、それが胃内容物の上に浮かんで食道への逆流を阻止します。こうしてアルギン酸複合体が腸管を通過する際、アルギン酸は部分的に消化され、他の食物繊維と同じ働きをして、最終的には体外に排出されます。2,3

そのような機能が正常に行われるには、食後にチュアブル錠または液体製剤のアルギン酸を摂取することが重要です。食事中に摂取したり、カプセルタイプのアルギン酸を摂ると、胃内容物と混ざってしまい、ラフトが作られなくなります。摂取量は、毎食後と就寝30分前に1回400~1,000mgが目安です。就寝前の使用時は、摂取後30分は横にならないように注意しましょう。

なお、アルギン酸は、副作用、薬物相互作用ともに報告されていません。

スピルリナとクロレラ : 健康効果に優れた藻類:詳しくはこちら。

4. メラトニン

メラトニンは胃腸を保護する重要な物質であり、実は脳の400倍もの量のメラトニンが腸管で作られています。複数の研究によると、メラトニンは胸焼にかなりの効果が期待できます。具体的に、メラトニンは下部食道括約筋圧を高め(すなわち下部食道括約筋の働きが良くなり)、血清ガストリン(胃液の分泌を促し、食物の存在に反応して胃壁から血中に分泌されるホルモン)を増やし、胃酸の分泌を抑えます。なお、研究で使用されたメラトニンの投与量は夜3mgでした。4(注:日本国内のお客様へ:メラトニンを含む製品につきまして、iHerbでは2ヶ月分まで購入が可能です)

メラトニンの効果で改善が期待できる4つの健康問題:詳しくはこちら。

5. 脱グリチルリチン酸甘草(DGL)

DGL甘草根(かんぞうこん)

脱グリチルリチン酸甘草(DGL)。これは、血圧を上げやすいグリチルレチン酸という化合物を甘草から除去して作られた天然成分のサプリメントです。体の正常な防御機構を刺激するDGLは、胃や食道の内壁(粘膜)の保護・治癒の他、胸焼けや消化不良の緩和に役立ちます。5,6DGLは、腸管を覆う保護物質の量・質ともに改善し、腸細胞の寿命を延ばし、腸粘膜への血液供給を高めます。炎症を抑え込むには、8~16週間、食事の20分前にチュアブルタイプのDGLを1~2錠摂取すると良いでしょう。

アーユルヴェーダのハーブにおけるトップ10とその健康効果:詳しくはこちら

6. マスティックガム

マスティックガムはマスティックの木の樹脂から作られる天然のガムで、ピロリ菌に効果があります。あるランダム化プラセボ対照試験では、350mgのマスティックガムを1日3回、3週間にわたって投与したところ、ディスペプシア(上腹部の痛みや不快感を伴う疾患)に悩む人の77%の胸焼け、消化不良、胃痛、上腹部痛といった症状が改善されました。7

消化器系の問題をナチュラルに対処するための15種類の方法:詳しくはこちら。

7. 根ショウガとアーティチョークの葉

Artichoke and ginger on kitchen table

根ショウガ(学名 Zingiber officinalis)エキスとアーティチョーク葉(学名 Cynara scolymus)エキスを併せて摂取することで、消化不良をはじめ、胸焼けの原因となる胃腸の運動不良の改善に役立つことが示されています。この組み合わせは、非潰瘍性ディスペプシアやその他の機能性胃腸障害の治療に有効であると考えられます。機能性胃腸障害とは、内視鏡検査などを受けても炎症、潰瘍、胃がんといった異常が認められないにもかかわらず胃腸症状がある状態を言います。この効果が見られた研究では、ショウガエキス20mg(ショウガ特有の辛味成分ジンゲロールとショウガオール33%配合)およびアーティチョークエキス100mg(神経細胞保護作用があるとされるカフェオイルキナ酸20%配合)が1日2回投与されました。8

ショウガ:強力な根:詳しくはこちら。

8. ペパーミントオイル

ペパーミントオイルの中でも、消化不良や胃炎には、胃で分解されずに小腸や大腸に届くように処方設計された腸溶性カプセルタイプが効果的です。このようなサプリメントは、上部消化管炎症だけでなく、小腸や大腸の過敏症の症状にも効果があることが明らかになっています。摂取量:1日3回、食事の20分前に1~2カプセルが目安です。9

過敏性腸症候群やその他の症状向けのペパーミント精油:詳しくはこちら

‌‌‌‌胸焼け、胃酸逆流、消化不良対策として最適なサプリメント

適切なサプリメント選びのために、基本的な特性に基づいたお勧めの対処法は以下の通りです。

  • 素因。肥満者をはじめ、妊娠中の女性や食道裂孔ヘルニアの患者に最も効果的で自然な方法はアルギン酸ラフト療法です。なお、太りすぎの場合は、減量することで胃腸障害を抑えられるケースが多いようです。
  • たまに起こる胸焼け。カルシウム含有の制酸剤を時々使う程度なら問題ありませんが、長期使用はお勧めできません。必要に応じてアルギン酸ラフト療法を取り入れるのも良いでしょう。
  • 特定の食品を摂取することで起こる胃の荒れ。コーヒー、炭酸飲料、アルコール、チョコレート、脂肪分の多い食品、柑橘類、辛い食べ物などを摂ると逆流症状が出ることがあります。もちろん、これらの食品を控えることが推奨されますが、この他にも、必要に応じてカルシウム含有の制酸剤やアルギン酸ラフト療法を使用したり、DGLを摂取するのもお勧めです。
  • 塩酸または消化酵素の不足。胃酸が十分に分泌されないと、胸焼けや逆流の症状が出るだけでなく、食後30分以内にガスや膨満感が起こりやすくなります。推奨摂取量のHCLサプリメントを取り入れるだけでも、かなりの効果が期待できます。
  • 胸焼けと同時に過敏性腸症候群を発症。ショウガ-アーティチョークの組み合わせまたは腸溶性ペパーミントオイルのいずれか。
  • 夜間の胸焼け。マットレスの頭に当たる部分を15cmほど高くして、 上半身を傾斜させて眠ると楽になる人が多いようです。アルギン酸ラフト療法が有効で、メラトニンの摂取(就寝時に3mg)もお勧めです。
  • 胸焼けに伴う睡眠の質低下。メラトニン(就寝時に3mg)。

‌‌‌‌胸焼けと胃酸逆流に効果的な家庭療法

他にも、胃酸逆流対策に役立つ自然な方法が多数あります。

アロエベラ

アロエベラは炎症を抑える働きがあり、胃や食道の粘膜が炎症を起こしている状態の胸焼けに効果があると考えられます。10アロエは、カプセル入りのエキスやアロエジュースで摂取できます。

リンゴ酢

リンゴ酢(アップルサイダービネガー)は、前述の通り、マイルドに酸を補える製品です。食前に未加工・未ろ過のリンゴ酢を60ml飲むのが効果的ですが、それに相当する用量を摂取できるカプセルや錠剤も販売されています。

アルカリ水

コップ1杯のアルカリ水(pH8以上)を飲むか、240mlの水にレモン汁を絞り入れて飲むのもお勧めです。11 

無糖ガム

食後に無糖ガムを噛むことも、胸焼けや胃酸逆流を抑えるのに役立つことがわかっています。無糖ガムを噛むと、口の中にある唾液腺が刺激されて唾液が分泌されます。この余分な唾液が、食道に逆流する酸を薄めて排出します。研究によると、無糖ガムを噛むことで慢性的な胃酸逆流のある(逆流性食道炎などの)患者の症状が抑えられ、たまに胸焼けや逆流に悩まされる患者にも効果があると考えられます。12

‌‌‌‌胸焼けや胃酸逆流に影響を及ぼす生活要因

胸焼けや胃酸逆流は、夜横になると起こりがちです。これは、重力によって胃酸が食道に逆流しやすくなるためです。その場合は、マットレスの下にレンガや木材ブロック、あるいは枕を重ねて置くなどして上半身を傾斜させて眠ると、夜間の胸焼けの症状を抑えやすくなります。

また、食事に気を配ることも胸焼けの軽減に役立ちます。大きな塊を一口で食べるのではなく、少量ずつよく噛んで食べると消化しやすくなるのはもちろん、時間をかけてゆっくり食事をすることも大切です。

参考文献:

  1. Howden CW, Hunt RH. Spontaneous hypochlorhydria in man: possible causes and consequences. Digestive Diseases 1986;4(1):26–32.
  2. Leiman DA, Riff BP, Morgan S. Alginate therapy is effective treatment for GERD symptoms: a systematic review and meta-analysis. Dis Esophagus. 2017;30(5): 1–9.
  3. Mandel KG, Daggy BP, Brodie DA, Jacoby HI. Review article: alginate-raft formulations in the treatment of heartburn and acid reflux. Alimentary Pharmacology and Therapeutics 2000:14(6):669-90.
  4. Kandil TS, Mousa AA, El-Gendy AA, et al. The potential therapeutic effect of melatonin in gastro-esophageal reflux disease.  BMC Gastroenterol  2010;10:7–16.
  5. Morgan AG, McAdam WA, Pacsoo C, et al. Comparison between cimitidine and Caved-S in the treatment of gastric ulceration, and subsequent maintenance therapy. Gut 1982;23:545–551.
  6. Raveendra KR, Jayachandra, Srinivasa V, et al. An Extract of Glycyrrhiza glabra (GutGard) Alleviates Symptoms of Functional Dyspepsia: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study. Evid Based Complement Alternat Med. 2012;2012:216970.
  7. Dabos KJ, Sfika E, Vlatta LJ, Frantzi D, Amygdalos GI, and Giannikopoulos G. Is Chios mastic gum effective in the treatment of functional dyspepsia? A prospective randomised double-blind placebo-controlled trial. J Ethnopharmacol 2010;127(2):205-209. 
  8. Lazzini S, Polinelli W, Riva A, Morazzoni P, Bombardelli E. The effect of ginger (Zingiber officinalis) and artichoke (Cynara cardunculus) extract supplementation on gastric motility: a pilot randomized study in healthy volunteers. Eur Rev Med Pharmacol Sci. 2016;20(1):146-9. 
  9. Kligler B, Chaudhary S. Peppermint oil. Am Fam Physician. 2007 Apr 1;75(7):1027-30. 
  10. Panahi Y, Khedmat H, Valizadegan G, Mohtashami R, Sahebkar A. Efficacy and safety of Aloe vera syrup for the treatment of gastroesophageal reflux disease: a pilot randomized positive-controlled trial. J Tradit Chin Med. 2015 Dec;35(6):632-6.
  11. Zalvan CH, Hu S, Greenberg B, Geliebter J. A Comparison of Alkaline Water and Mediterranean Diet vs Proton Pump Inhibition for Treatment of Laryngopharyngeal Reflux. JAMA Otolaryngol Head Neck Surg. 2017 Oct 1;143(10):1023-1029.
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