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レシチンが100年以上前から人気の天然物である5つの理由

著者:マイケル・マレー博士

この記事の内容 :


レシチンとは? 

レシチン は、多くの植物源・動物源に含まれる天然の脂肪物質です。いわゆる「機能性食品」としてのレシチンは、1907年に初めて使用された大豆レシチンで世に広まりました。近年では、遺伝子組み換え型レシチン生産の氾濫とそのアレルゲン性にまつわる大豆への不安から、ヒマワリ由来のレシチンが、人気のタイプとして浮上してきました。レシチンは顆粒の他、ソフトジェルカプセルでも販売されています。レシチンの主成分は、ホスファチド(リン脂質)と呼ばれる脂肪族化合物で、そのうち特に顕著なものが ホスファチジルコリンです。この化合物は、ヒト細胞膜の重要な構造因子でもあり、細胞の健康に不可欠です。

長年にわたって市場に出回る中、レシチンの人気はいわばジェットコースターのような浮き沈みを経て今日に至ります。栄養補助食品で自然食品を選ぶ消費者が急速に増えたことから、レシチンの人気が再燃しています。レシチンの5つの重要な効能は以下の通り。

レシチンはコリンの優れた供給源

 コリン は、体内でアミノ酸である メチオニン または セリンから生成されるものの、1998年に米国医学研究所が必須栄養素に指定しました。その理由としては、たとえ健康な人でも、人体で生成可能なコリンの量だけでは、体のニーズに十分応えられないことがわかったからです。 

コリンは、重要な神経伝達物質であるアセチルコリンの生成と細胞膜シグナル伝達化合物において機能します。また、コリンは、 葉酸 や ビタミンB12のような「メチル」ドナーとしても作用します。さらに、適切な脂肪輸送においても重要な機能を果たします。コリンが不足してしまうと、脂肪が肝細胞内に閉じ込められ、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と呼ばれる病態を招くおそれがあります。 食事性 ホスファチジルコリン はコリンの主要な食事供給源であり、 レシチン はホスファチジルコリンの最も豊富な供給源です。 

コリンの摂取量を増やすと脳機能が向上する可能性も

コリンの摂取量を増やすことで、精神機能と記憶力の向上が期待できることが複数の研究で示されています。この効果は、脳内化学物質アセチルコリン濃度を高めた場合に得られる成果で、記憶・脳機能に大きな役割を果たします。ホスファチジルコリンで栄養を補助すると、脳内のアセチルコリン濃度が増加することが実証されています。このことから、当初はホスファチジルコリンがアルツハイマー病の治療に役立つ可能性があると考えられていました。通常、アルツハイマー病患者の脳内のアセチルコリン濃度が低いため、そう期待するのも当然だったでしょう。ただし、アルツハイマー病の問題は、アセチルコリン濃度だけに限ったことではありません。実際の問題は、酵素アセチルコリントランスフェラーゼの活性障害であることがわかっているからです。この酵素は、(ホスファチジルコリンが供給する)コリンとアセチル分子を結合してアセチルコリンを形成します。コリンの供給が増えたからといって、この重要な酵素の活性が高まるわけではないため、ホスファチジルコリン補給の研究では、アルツハイマー病患者の大多数にほとんど効果が見られませんでした。最も効果が期待できるホスファチジルコリンの摂取量は、25〜30gというかなりの高用量です。ホスファチジルコリン補給がアルツハイマー病に有効であるなら、使用開始から2週間で結果が現れることは朗報と言えるでしょう。

 ホスファチジルコリン または レシチン がアルツハイマー病患者の全症例の脳機能を高めるわけではないものの、それ以外の大半の人に役立つと考えられます。ノルウェーで実施された研究では、70〜74歳の被験者2195人に脳力とコリン濃度の強い関連性が示されました。血中コリン濃度が低い被験者は、コリン濃度が高い被験者よりも脳力と認知力が低いことがわかりました。同研究は、レシチンかホスファチジルコリンのいずれかを摂取してコリンを補給することで血中コリン濃度が増加し、その結果、脳力が高まる可能性があることを示唆するものです。 

臨床試験で脳機能の改善に極めて良好な結果が示されたため、指摘された効果は摂取量と関連するものと思われます。ただし、一部の研究ではそれほど目覚ましい結果は得られませんでした。各個人の基本コリン濃度も要因とみられます。脳のコリン「カップ」が一杯になった場合のみ、プラス効果が得られると考えてみてください。コリンのカップがほぼ満杯の人は、比較的少ない摂取量でもよく反応するはずですが、空に近いカップの人にはかなりの高用量が必要かもしれません。これらの臨床研究結果に一貫性がない理由としては、血中と脳内では、コリンに対する閾値(しきい値)と言った、ある程度の反応を示すか否かを値とする境目があり、その値に達しなければ効果が見られないことを示しているからだと考えられます。  

このようにコリン濃度は定期的に測定されるものではなく、更にレシチンが安価であることからも、約4週間のコリン補給が、記憶・認知機能障害対策として役立つという可能性はあるとも言えるでしょう。効果が認められない場合は、2倍の用量でさらに4週間続けることをお勧めします。

レシチンと肝臓の健康

肝臓がダメージを受けると、肝臓内に脂肪が蓄積しやすくなります。この過程は、アルコールを原因とする肝障害に伴って生じることがありますが、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)という新たな流行型疾患が存在します。その重症度は、やや良性の肝機能障害から非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)と呼ばれる肝炎までさまざまです。NASHは、肝硬変をはじめ、最終的には肝不全に進行してしまうこともあります。最大の原因は肥満です。NAFLDは、理想体重を10%上回る患者の70%以上、また、肥満者のほぼ100%が発症します。

コリンの中でも特に ホスファチジルコリンは、肝臓からの脂肪輸送に欠かせない栄養素です。コリン濃度が低いと、脂肪が肝臓に蓄積し、NAFLDの原因となります。コリン濃度が下がると、NASHによる肝硬変という、重篤な肝障害への進行率が劇的に高まります。非アルコール性脂肪性肝炎臨床研究ネットワークによる被験者664人を対象とした横断研究では、NASHを発症し、コリンを1日推奨摂取量の50%未満しか摂取しなかった閉経後女性の線維症が、より重篤でした。

明らかに、これらの関連性は、 レシチン または ホスファチジルコリン の補給がNAFLDにもNASHにも何らかの効果がある可能性を示唆しています。パイロット研究の結果が投げかける疑問は、「潜在的効果がありながら、さらなる研究がないのはなぜか」というものです。この研究は、2001年にJournal of Parenteral and Enteral Nutrition誌に発表されました。ここでは、NAFLDの成人患者に経静脈栄養法が用いられました。同患者らに追加用量として1日2gのコリンを投与したところ、全患者のNAFLDが完全に解消されました。 

これは、決定的な研究がないにもかかわらず、米国国立衛生研究所においても「適切な肝機能とNAFLDの予防には、十分なコリン摂取が必要である」と認めるほどでもあります。

レシチンとコレステロール

これほど多くの人が レシチン を摂取する理由でおそらく最も多いのが、心疾患を予防する一環としてコレステロール値の低下に役立てることでしょう。この用途を裏付ける臨床的エビデンスがいくつかあります。 50年以上前に実施された小規模な研究の中には、かなり目覚ましい結果が示されたものもありましたが、それ以降はほとんど研究が行われていません。存在するエビデンスも極めて有効であることを示しています。レシチンを用いた1〜12カ月の治療期間内で行われた計15件の臨床研究では、血清総コレステロールが8.8〜28.2%低下、トリグリセリド値が25%低下、HDLコレステロール値が13.4〜20%上昇という結果が出ました。これらの研究の代表的な投与量は、1日1.5〜2.7gでした。

最新の研究は、2010年に医学誌 Cholesterol に発表されたものです。この研究では、高コレステロール値の患者30人に、高濃度のホスファチジルコリンを含む大豆レシチンを1日500mg、2カ月にわたって投与しました。この補給で、総コレステロール値が42%、LDLコレステロール値が56%低下しました。この見事な結果が、今後さらなる研究に繋がることが望まれます。これらの結果が有効なら、高コレステロール値への安全かつ効果的な自然治療法としてレシチンの人気復活につながるのではないでしょうか。

レシチンはホスファチジルコリンの他にも栄養を供給

ホスファチジルコリンが レシチンの主成分である他にも、 ホスファチジルセリンのように別のホスファチドを含む有益な化合物が含まれています。ホスファチジルセリンも、ストレス軽減、気分向上、記憶力改善といった効果が臨床研究で示されている重要な脳化合物です。レシチンのホスファチジルエタノールアミンも、炎症(特に肝炎)を軽減する効果において注目するに値します。以下、大豆レシチンとヒマワリレシチンの一般的なプロファイルをご紹介しますが、これらの成分は市販製品によってさまざまな濃度があることにご注意ください。

大豆レシチン :

  • ホスファチジルコリン 23%
  • ホスファチジルエタノールアミン 14%
  • ホスファチジルイノシトール 14%
  • その他のホスファチド 5〜10%
  • ステロール 2〜5%

ヒマワリレシチン :

  • ホスファチジルコリン 25%
  • ホスファチジルエタノールアミン 18%
  • ホスファチジルイノシトール 11%
  • その他のホスファチド 5〜10%
  • ステロール 2〜5%

レシチン :選ぶべきタイプと推奨摂取量 

 レシチン 摂取に適した形状・用量とは?まずは大豆とヒマワリを比較。ヒマワリレシチンは比較的新型のレシチンであるため実際の研究はないものの、上記の通り、実用的な観点から見て、この2種類のレシチンは非常によく似ています。従って、大豆レシチンには、ヒマワリレシチンにはない何らかの効果をもたらす可能性もあるわけです。ヒマワリレシチンが開発された理由は、大豆が一般的なアレルゲンであるという事実に加えて、遺伝子組み換え大豆という問題を回避するためでもあります。とは言え、大豆アレルギーがない人で、非遺伝子組み換え認定を受けた製品であれば、大豆でもまったく問題ありません。

レシチンは、顆粒およびソフトゼラチンカプセルで販売されています。ホスファチジルコリンまたは総ホスファチドの濃度は、製品によって大きく異なる場合があります。ホスファチジルコリンと総ホスファチドの濃度を高める目的で、油(リノール酸とリノレン酸)を除去した製品もあります。そのため、製品を比較する際はラベルをよく読み、記載されているホスファチドの含有量に注目しましょう。

高濃度のホスファチド(35〜68%)を含む製品でコレステロール低下や肝臓の健康サポートを目指すなら、通常の摂取量は1日500〜1500mgが目安です。この程度の摂取量には、カプセル使用が一般的です。脳の健康をはじめ、健康全般の増進に、通常レシチン顆粒を1日大さじ山盛り1摂取すると、総ホスファチドを1日およそ5000mg(油不使用タイプならそれ以上)も供給できるでしょう 。 

レシチンは一般に安全であるとされ、重大な副作用は認められていませんが、高用量(10g以上)のレシチン製剤を摂取すると、食欲減退、吐き気、腹部膨満感、胃腸痛、下痢が生じる場合があります。

レシチンは薬物相互作用が報告されておらず、妊娠中や授乳中の女性にも安心です。レシチンはお子様も使用できますが、摂取量は大人の半分です。

参考文献 :

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