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5-HTPは脳内セロトニン濃度の上昇に最適かつ自然な解決策です

著者:マイケル・マレー博士

この記事の内容:


5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)は、トリプトファンから、重要な脳内化学物質セロトニンへの合成過程においての中間となる、アミノ酸です。栄養補助食品としての5-HTPは、アフリカ産の植物(学名 Griffonia simplicifolia)の種子である天然由来のものが大半です。

5-HTPは、主に脳内セロトニン濃度を高めるために使用されます。ストレスの多い生活を送っていると、トリプトファンから5-HTPへの変換が減少することから、セロトニン濃度の低下は現代人に多い現象と言えるでしょう。脳内セロトニン濃度が低い人は、不安を感じたり、感情的になりやすく、空腹感が増して炭水化物を食べたい衝動が高まり、睡眠の質が低下します。このような状態にある人は、ここ最近かなりの数にのぼると考えられています。幸い、セロトニン濃度の低下の原因と見られる症状に対し、5-HTPが優れた効果を発揮することが臨床研究で示されています。実際、5-HTPは最適かつ自然な方法であることがこれらの研究でわかっています。1,2

表1 - セロトニン濃度別に見られる影響

最適なセロトニン濃度

低セロトニン濃度

希望に満ちて楽観的

意気消沈

穏やか

不安

温厚

怒りっぽい

我慢強い

せっかち

思慮深い

衝動的

集中力がある

集中力がない

創造性豊かで集中型

閉塞的で注意散漫

熟考力が高い

キレやすい

反応が早い

鈍感

炭水化物を食べ過ぎない

甘い物や高炭水化物食を食べたい衝動が抑えられない

安眠で、見た夢をよく覚えている

不眠症で、夢を覚えていない

5-HTPとトリプトファンを比較

結論から言うと、5-HTPサプリメント摂取は、トリプトファン使用よりもはるかに優れた効果を発揮します。トリプトファンは、まず脳で5-HTPに変換した後、セロトニンに変換します。このトリプトファンから5-HTPへの変換は、セロトニン生成における律速段階として定義されています。つまり、トリプトファンが5-HTPに変換されなければ、いくらトリプトファンを摂取しても、脳内セロトニン濃度が上昇しないということになります。

トリプトファンから5-HTPへの変換が正常に行われない原因に多いのが、コルチゾールのような高濃度のストレス関連ホルモンをはじめ、インスリン抵抗性や血糖コントロール不良の他、ビタミンB6マグネシウムなどの主要栄養素不足です。さらに、トリプトファンは担体(キャリア)によってが脳に運ばれる必要があります。この担体は他のアミノ酸も脳に輸送するため、それほど効率的とは言えません。その点、5-HTPなら担体を必要とせず、無理なく脳に運ばれます。経口摂取されたL-トリプトファンのうちセロトニンに変換されるのはわずか3%ですが、5-HTPなら経口摂取量の70%以上がセロトニンに変換されます。3,4しかも、5-HTPには、エンドルフィンの名で知られる心地よいセロトニン濃度を高めるという効果もあります。

1970年代には、5-HTPの気分高揚および鎮静効果がL-トリプトファンと比較されました。5,6その結果、5-HTPがはるかに優れていることがわかっています。実際、ほとんどの研究において、L-トリプトファンはプラセボよりも若干良好な結果を示しただけでした。ある研究では、年齢や性別など臨床的特徴と気分スコアが一致した被験者74人に5-HTP(1日200mg)、L-トリプトファン(1日5g)、プラセボのいずれかが投与されました。7同被験者らは、研究開始時と30日間の研究終了時に、標準化された気分尺度アンケートを用いた、気分における細かい評価を受けました。大幅な気分高揚を報告したのは、5-HTP投与群26人のうち17人、一方、トリプトファン投与群では25人中10人、プラセボ群は23人中4人という結果が出ました。

追加研究では、他の気分高揚化合物やプラセボと比較して、5-HTPが気分スコアの改善に非常に好ましい効果を発揮することが示されています。75-HTPは、落ち着きと集中力の促進にも大きな効果を発揮します。

睡眠の質改善への5-HTPの働き

5-HTPは、睡眠の質の改善においてトリプトファンより良好な結果を示しています。セロトニンは、夜間の睡眠改善を促進する効果を示し、メラトニン生成における基礎的要素としても機能します。複数の二重盲検臨床試験では、睡眠の促進および維持に役立つ5-HTPの効果が、普段から不眠気味の被験者と、正常な被験者の両方において示されています。

5-HTPサプリメント摂取は、レム(REM、急速眼球運動)睡眠の促進に役立つことが示されています。夢はレム睡眠と関連し、健康的な睡眠サイクルの重要な部分を占めます。5-HTPはレム睡眠を約25%増加させると同時に、より深い睡眠(第3〜4段階)に導きます。5-HTPは、浅い睡眠段階を減らすことで、全睡眠時間を引き延ばすことなく、質の高い睡眠の測定値改善が可能です。10ある研究では、5-HTPを200mg摂取した参加者のレム睡眠時間が、5日間(5晩)の研究中に15分増加しました。つまり、夢を見る時間が一晩あたり約3分増加したことになります。

5-HTPは日中に摂取しても睡眠の質を改善するとはいえ、日中に5-HTPを摂取した二重盲検プラセボ対照試験で、昼間の眠気や疲労についての報告がプラセボ群と大差なかったことは特筆すべきでしょう。8,9

‌‌‌‌炭水化物を食べたい衝動を抑える5-HTPの効果

5-HTPは、炭水化物の過剰摂取を減らし、減量をサポートするのに高い効果が期待できます。50年以上前、遺伝的に肥満傾向があるラットを用いた実験では、5-HTP投与により食物摂取量が大幅に減少し、過度の体重増加を防ぐことが示されました。これらのラットは、トリプトファンを5-HTPに変換する酵素が遺伝的に低活性であるために臨床的に肥満で、それが結果として脳内セロトニン濃度の低下につながっています。結果として、同ラットは炭水化物を食べたがり、正常なラットよりはるかに大量の食物を摂取するまで、食べるのをやめるというメッセージを受け取ることはありませんでした。

トリプトファンからの5-HTP形成減少と同じメカニズムを含む遺伝的要因により、人間の多くにも肥満傾向が考えられるというエビデンスがあります。そこで、既成型5-HTPを供給することで、脳セロトニン濃度が高まる上に、炭水化物の摂取量減少と食欲制御改善につながる可能性があります。

4件のヒト臨床試験では、肥満女性の減量補助として5-HTPが効果を発揮したことが示されました。11-14イタリアで実施されたこれらの研究では、女性被験者らが意識的に減量やカロリー摂取量減少に取り組んでいないにもかかわらず、5-HTPでカロリー摂取量の減少と満腹感促進が実現したことが報告されました。これらの研究では、5-HTP群が摂取したパスタやパンのカロリーが、非5-HTP群のものより少なかったことがわかりました。その結果、これらの研究が行われた5〜6週間で、1週間あたり平均1〜1.5ポンド(450〜700g)体重が減少しました。これで、食事と運動プログラムを合わせて調整すれば、5-HTPにどれほどの効果が期待できるかがお分かりいただけるかと思います。

最適な5-HTP摂取方法

一方、5-HTPは胃炎や吐き気を引き起こす可能性があるため、腸溶性カプセルまたは錠剤の使用をお勧めします。これらの錠剤は、胃で溶解しないように調合されています。5-HTP含有のチュアブル錠も、吐き気防止に効果的です。5-HTPが夜間の睡眠補助剤以外に使用される場合の開始用量は1回50mg x 1日3回です。2週間たっても十分な反応がない場合は、1回100mgに増量して1日3回摂取しても良いでしょう。

5-HTPを夜間の安眠ケアに使用する際の用量は、就寝の約30分前に50〜150mgが目安です。なお、最低3日間は開始用量の50mgを続けたのち増量するのが賢明と言えます。5-HTPは食事と共に摂取できますが、減量用なら、食事の20分前に摂取してみましょう。

5-HTPの禁忌の有無

5-HTPは概ね忍容性が良好です。ただし、以下の健康状態にある方は使用しないでください。

  • 妊娠中または授乳中
  • パーキンソン病患者。ただし、Sinemet®(カルビドパとレボドパ)を服用中の方を除く。
  • 強皮症(トリプトファン代謝欠陥に関連)
  • メチセルギドおよびシプロヘプタジンを服用中の方
  • その他の処方薬を服用中の方は、5-HTPとの相互作用の有無についてかかりつけ医または薬剤師にご相談ください。

5-HTPの長期間使用時の安全性

5-HTPは、トリプトファンから5-HTPへの変換に遺伝的欠陥がある一部の方にとっては生涯補充が必要であり、よって無期限に使用できます。なお、5-HTPを長期間使用する場合には、定期的に毎年、好酸球数測定を受けるよう推奨する専門家もいます。この測定は、全血球計算(CBC)と呼ばれる標準的な臨床血液検査の一環であり、5-HTPに対する異常反応の確認に役立ちます。

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参考文献:

  1. Murray M.T., 5-HTP: The Natural Way to Overcome Depression, Obesity, and Insomnia. Bantam NY 1999.
  2. Turner E.H.; Loftis J.M.; Blackwell A.D..  Serotonin a la carte: supplementation with the serotonin precursor 5-hydroxytryptophan.  Pharmacol Ther  (2006) 109  325–338.
  3. In: (editors: Filippini G.A.; Costa C.V.L.; Bertazzo A.. )  Recent Advances In Tryptophan Research, Tryptophan and Serotonin Pathways.  Plenum Publ Corp: New York, NY.
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  5. Byerley W.F.; Judd L.L.; Reimherr F.W.; et al. 5-Hydroxytryptophan. A review of its antidepressant efficacy and adverse effects.  J Clin Psychopharmacol  (1987) 7  127–137.
  6. Van Praag H.M..  Studies on the mechanism of action of serotonin precursors in depression.  Psychopharmacol Bull  (1984) 20  599–602.
  7. Jangid P.; Malik P.; Singh P.; Sharma M.; Gulia AK.. Comparative study of efficacy of l-5-hydroxytryptophan and fluoxetine in patients presenting with first depressive episode. Asian J Psychiatr. (2013) 6(1) 29-34.
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