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腸の健康を保つ5つのヒント:生活リズムが変化しても、体内は規則正しく

著者:ニコール・クレイヴン、医学博士

この記事の内容:


毎日順調なお通じがあると気持ちが良いものですが、日常習慣が少しでも変わると、途端に腸のリズムが乱れてしまうことにお気づきでしょうか。

昨今の世界的な変化に伴い、生活や仕事にしわ寄せが行く中で、食事、睡眠、運動、移動のパターンが以前のままという方は少ないはずです。体調が崩れると、便秘、下痢、膨満感、腹痛、消化不良などの症状を訴えることで、全身で真っ先に「抗議の声」をあげる部位となりやすいのが腸です。

体の老廃物の排泄が最適な形で行われるには、毎日決まった時間帯のお通じが理想的です。便秘に悩む人は、週3回以下の便通がやっと、などという状態にあります。

そのため、便秘を原因とする腹痛や疲労感が悪化する前に、最初の兆候を認識することが大切です。幸い、決まった時間にトイレタイムをリセットするのに役立つ簡単な生活習慣や重要なサプリメントがいくつかあります。

‌‌‌‌健康の鍵を握るのは健やかなマイクロバイオーム

誰もが独自のマイクロバイオーム(消化管内に生息する微生物の集合体)を持っています。これらの微生物や酵母は、摂取した食物の分解から、ビタミンやミネラルの吸収・運搬、免疫機能の強化、食物や化学物質によるアレルギー抑制に至るまで、体内のさまざまな消化吸収機能に関与しています。

私達一人一人の体内には、食物を分解して燃料に変換するプロセスの始動に不可欠な約100兆個もの微生物が常在しています。ただし、食事などの生活習慣に乱れが目立つようになると、いわゆる悪玉菌や有害酵母が増殖し、消化器障害につながりやすくなります。

研究が進む中、健康なマイクロバイオームの存在が、全身の健康維持を見越す上で重要な予測因子の一つとなることがわかってきました。1これらの微生物を、炎症を防ぐ門番だと考えてみてください。生活リズムを整え、免疫系を正常に保つには、善玉菌を繁殖させるポイントを押さえて腸内マイクロバイオームをサポートしましょう。

健康なマイクロバイオームをサポートする簡単な方法は以下の通りです。

1. 「クリーン」な食事を心がけて

食べ物や飲み物など、体に入るものは、体内微生物の成長に直接影響を与えます。食品に添加された防腐剤をはじめ、農薬などの化学物質、加工炭水化物、コーンシロップ、精製糖などを体に入れると、それを糧に悪玉菌が繁殖します。栄養価の低い加工食品やインスタント食品のようないわゆる「食品まがいの物質」を食べるのは、悪玉菌の集団が腸内で宴会を開くように仕向けているようなものとも言えます。

その結果として多い症状に、便秘、膨満感、消化不良があります。

でもご心配なく。クリーンな食事を心がけ、腸内に存在する何百兆個もの有益な微生物をサポートし、善玉菌の繁殖を後押しすれば、悪玉集団は死滅し始めます。

クリーンな食事は、病気に対抗する武器として最も強力な手段の一つですが、そもそもクリーンな食事とは何でしょう。

健康な腸に燃料を供給する食品 :

  1. 無農薬・自然栽培の野菜や果物
  2. ストレスの少ない環境下で有機飼育された家畜の乳製品や肉
  3. 天然水域で捕獲された野生魚
  4. 上記の食物の吸収を助ける健康的な脂質(フィッシュオイルオリーブオイルココナツオイルなど)

腸の健康を損なうおそれのある食品:

  1. 防腐剤、充填剤、色素、増粘剤が添加された食品
  2. 化学物質が散布された植物
  3. 精白小麦粉、砂糖、コーンシロップなどの加工食品
  4. (上記3項目が含まれる製品が大半である)インスタント食品

トイレ習慣に変化を感じたら、食事に緑黄色野菜・果物や魚を取り入れて、お腹の調子を整えましょう。

2. 水と電解質で水分補給

水分が足りなくなった細胞に必要な液体は水だけです。糖分の多い飲料が欲しくなるのは、空腹であるか、または依存性の高い糖の甘さによるものです。緑茶ココナッツウォーターのような一部の例外を除き、水以外の飲み物が健康に良くないとされるのはそのためです。

マイクロバイオームには、体内のあらゆる細胞と同様に水が必要です。腸内の健康な細菌の増殖促進に、アルカリ水が有望であるというエビデンスが増えています。

水の他にも、腸内細胞が必要とする物質に電解質カリウムなど)があります。電解質は蠕動(ぜんどう)運動を活発にします。水に液体または固体(粉末)の電解質を加えたものは、脱水症状、疲労感、便秘の予防策として汗ばむ暑い日にお勧めです。

3. プレバイオティクスおよびプロバイオティクスのサプリメント摂取

プロバイオティクスプレバイオティクスの両方を摂取することで、腸内マイクロバイオームが多数の機能を果たせるようバランスを保つのに役立ちます。ところで、プロバイオティクスとプレバイオティクスとは何なのでしょう。また、どのように取り入れれば良いのでしょう。

プロバイオティクスは、消化管に有益な生きた微生物のことで、通常はサプリメントやヨーグルトなどの食品として販売されています。プロバイオティクスは、健康な腸内微生物の繁殖を促すさまざまな善玉菌や有益な酵母で構成されています。マイクロバイオームを認識するようになった今、プロバイオティクスを摂取することは、既存する腸内微生物に、生きた健康な微生物を加えるということがおわかりかと思います。

オーガニックのココナッツヨーグルトや発酵食品なら、プロバイオティクスをたっぷり摂ることができるでしょう。

さらに治療用量を確保する方法として、プロバイオティクスサプリメントの摂取があります。腸に重篤な症状がある方には、500〜1000億CFUのような高用量をお勧めします。ただし、プロバイオティクス製品には百万単位のものが多く、治療用ではなく予防用と考えた方が良いかもしれません。2,3

プレバイオティクスは食物繊維が豊富な物質で、マイクロバイオーム内の有益な細菌や真菌の活動を誘導します。4,5代表的なプレバイオティクスには、イヌリン、チコリの根、キクイモ(菊芋)、タンポポの葉アカシア、生オート麦などがあります。これらの物質は、摂取される際に新たな微生物の発酵や増殖を誘導するためにマイクロバイオームが利用する、難消化性繊維です。

サプリメント型のプレバイオティクスは通常、粉末、グミ、チュアブルタイプで販売されています。食感にこだわらない方は、粉末のプレバイオティクスを青汁やスムージー、または水に加えると良いでしょう。

4. 食物繊維を十分摂ること

現代人のほとんどは、食物繊維の多い食品や繊維添加剤を利用して、食物繊維の摂取量を増やす必要があります。食物繊維摂取量の目安となる25~40gは、ベリー類、葉物野菜、リンゴ、ナシ、アボカド、豆類アーモンドチアシードフラックスシード(亜麻仁種子)などを食べることで達成できます。チアシードとフラックスシードは、体内に部分的に吸収されるように粉砕された製品が最適です。

水溶性食物繊維が豊富なサイリウム(オオバコ)のカプセルやアカシア粉末(食物繊維とプレバイオティクスのダブル効果)を毎晩摂取すると、優れた便秘緩和効果が期待できそうです。6食物繊維のサプリメントは、どの製品もコップ1杯以上の水と共に摂取することが大切です。食物繊維は、水を大腸に運び、いわば膨張剤を形成することで作用します。水が足りないと、便秘が悪化することがあります。

5. 食事にフィッシュオイルを加えて

オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)は、サケ、マグロ、サバ、ニシン、オヒョウなど脂肪の多い魚に含まれる有益な油脂です。アメリカ心臓協会(AHA)は、EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)の形でオメガ3脂肪酸を十分摂取するには、脂肪の多い魚(約230g)を週2回以上食べるよう推奨しています。

特にアメリカを中心に、圧倒的多数が食事で十分なフィッシュオイルを摂れておらず、サプリメント補給が必要です。フィッシュオイルの摂取は、マイクロバイオームのバランスを整え、大腸を潤滑化して排泄を促すことで、消化器系の健康に重要な役割を果たします。研究によると、フィッシュオイルが冠動脈内の炎症性粒子を減らすことで心臓の健康を促進することもわかっています。7

私の臨床経験では、油の味が気になったり、サプリメント摂取の約30分後に魚油の後味がする(魚臭いゲップなど、胸焼けがする)など、フィッシュオイルのサプリメントは摂取しにくいという人が多いのが実情です。そんな問題を2ステップで簡単に防ぐ方法があります。フィッシュオイルを冷凍保存し、食事の最中に摂取するだけです。食事や水と共に摂ることでフィッシュオイルが吸収されやすくなる上、冷気で生臭さが気になりません。

‌‌‌‌覚えておきたい腸の健康維持の秘訣

  1. 変化が多い中でも、なるべく規則正しい毎日を送るように心がけましょう。
  2. 「食品まがいの物質」とも言えるインスタント食品などを避けて、クリーンな食事を摂りましょう。
  3. 基本の水分補給源として、電解質の有無にかかわらず、水をたっぷり飲みましょう。
  4. 食物繊維が豊富な植物、脂肪の多い魚、発酵食品などを中心とする食事を習慣づけましょう。
  5. その上で必要であれば、プロバイオティクス、プレバイオティクス、食物繊維、フィッシュオイルのサプリメントを摂取すると良いでしょう。

参考文献:

  1. Silbergeld EK. The Microbiome. Toxicol Pathol. 2017;45(1):190-194.
  2. Islam SU. Clinical Uses of Probiotics. Medicine (Baltimore). 2016;95(5).
  3. Probiotics: In depth. National Center for Complementary and Alternative Medicine. Accessed May 7, 2018. https://www.nccih.nih.gov/health/probiotics-what-you-need-to-know
  4. Lamsal, Buddhi P (15 August 2012). "Production, health aspects and potential food uses of dairy prebiotic galactooligosaccharides". Journal of the Science of Food and Agriculture. 92(10):2020-2028.
  5. Zaman, Siti A., Sarbini, Shahrul R. (7 July 2015). "The potential of resistant starch as a prebiotic" (PDF). Critical Reviews in Biotechnology. 36(3):578-84.
  6. Quitadamo P, Coccorullo P, Giannetti E, et al. A randomized, prospective, comparison study of a mixture of acacia fiber, psyllium fiber, and fructose vs polyethylene glycol 3350 with electrolytes for the treatment of chronic functional constipation in childhood [published correction appears in J Pediatr. 2012 Dec;161(6):1180.]
  7. Jain AP, Aggarwal KK, Zhang PY. Omega-3 fatty acids and cardiovascular disease. Eur Rev Med Pharmacol Sci. 2015;19(3):441-445.
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