栄養士が承認する、肉を使わないグリル料理レシピ3点

著者:サバンナ・シューメーカー、理学修士、管理栄養士、認定栄養士
この記事の内容:
植物ベースの食生活を実践している方なら、グリル料理はそう頻繁には食卓にのぼらないかもしれません。ところが意外にも、肉を使わないグリル料理は、温暖な季節を通して食事計画に取り入れやすく、食事をバラエティ豊かに彩る素晴らしい方法なのです。
ここでは、次回裏庭でバーベキューをする際に見映し、おもてなしに喜ばれる、肉を使わない料理3種をご紹介する他、植物ベースの食事を最大限に活かし、心身共に最高の状態でいられるようお勧めしたいサプリメントについてもご案内しましょう。
豆腐と野菜のケバブ
このヴィーガンケバブには豆腐の完全タンパク質がたっぷり詰まっており、色とりどりの野菜の抗酸化物質、独特の食感、豊かな味わいが楽しめます。野菜を一晩オリーブオイルに漬けてマリネにすることで、ケバブの風味が一層引き立ちます。このケバブの付け合せには、タブレのような穀物ベースのサラダが合います。
材料 :
- かた豆腐(一番かための豆腐)350g
- 新鮮なマッシュルーム丸ごと 200g
- ピーマン 2個、2.5cm四方の角切り
- チェリートマト 200g
- 紫タマネギ 1個、2.5cm四方の角切り
- オリーブオイル 1/4カップ
- 塩・コショウ 少々
- ガーリックパウダー 少々
- 粗挽きレッドペッパー 少々
- バルサミコ酢 仕上げ用
なお、竹串も必要です。具を刺す前に、なるべく水に浸しておきましょう。こうすると、焼き網の上でも竹串に火がつきにくくなります。
作り方:
- まず、マリネを準備します。オリーブオイル、塩、コショウ、ガーリックパウダー、粗挽きレッドペッパーを混ぜ合わせます。後ですぐ使えるように、準備しておきます。
- 重しを乗せるなどして豆腐を水切りし、角切りにします。
- 竹串に、切った豆腐、マッシュルーム、ピーマン、チェリートマト、紫オニオンを交互に刺していきます。串刺しにしたケバブを大皿に置き、マリネの漬け汁をかけます。風味を引き出すため、数時間から一晩冷蔵庫で寝かせます。
- 熱したグリルで約15分ケバブを焼き、焦げないように注意しながら裏返します。
- バルサミコ酢少々をふりかけてからお召し上がりください。このレシピで2〜4人前のケバブが出来上がります。
グリルマッシュルームバーガー
バーガーはグリルに最適で、夏のごちそうの定番です。このヴィーガンバーガーは、風味豊かなアボカドオイルとココナッツアミノのマリネ汁に漬けたポートベロマッシュルームのかさが決め手です。ポートベロマッシュルームのかさは、ちょうどハンバーグの大きさで、肉のような食感があり、健康を増進する栄養素と抗酸化物質が豊富に含まれています。このバーガーにサツマイモのフライを添えて、塩味と甘味の絶妙のコンビをお楽しみください。
材料 :
- ポートベロマッシュルームのかさの部分 2個
- アボカドオイル 1/8カップ。お好みで、ハンバーガーバンズに少々塗っても。
- ココナッツアミノ 1/8カップ
- コショウ 少々
- ヴィーガンチーズ 薄切り2枚(ベジタリアンレシピなら通常のチーズを使用)
- マルチグレイン(多種穀物)バンズ 2個
- ヴィーガンマヨネーズ、マスタード、ピクルス、タマネギ、レタス、トマト、アボカドなどお好みの材料や調味料
作り方:
- アボカドオイル、ココナッツアミノ、コショウを混ぜ合わせて漬け汁を作り、マッシュルームのかさの両側に刷毛で塗ります。漬け汁を塗ったマッシュルームを少なくとも数時間冷蔵庫で寝かせます。できれば一晩置くと風味が増します。残った汁は、後でたれに使います。
- 熱した網にマッシュルームのかさを置き、裏表各5分を目安に、しっかり火が通ってマッシュルームが柔らかくなるまで焼きます。マッシュルームの水気がなくなったら、焦げないように、残った漬け汁を刷毛で塗ります。マッシュルームにチーズを加え、溶けたら火からおろします。
- お好みで、ハンバーガーバンズの内側の平らな面にアボカドオイルを塗り、さっと1〜2分焼くだけで香ばしくなります。
- お好きな具や調味料を添えてお召し上がりください。バーガー2個分のレシピになります。
メキシカンストリートコーンタコス
このベジタリアンのメキシカンストリートコーンタコスは、グリルした軸付きトウモロコシを手始めに、クリーミーなとろけるチーズとサワークリームを和えてから、香り豊かなコリアンダーとライムを乗せて仕上げます。付け合せに黒豆を添えると、タンパク質がたっぷり摂れます。
材料 :
- 穂軸・皮付きトウモロコシ丸ごと 2本
- サワークリーム 大さじ2
- コティハチーズ 60g
- コリアンダー 1/4カップ
- チリパウダー 小さじ1
- 塩・コショウ 少々
- トルティーヤまたはラップ 4枚
- ライム 1個、くし切り
作り方:
- トウモロコシを皮付きのまま約30分、焦げすぎないように回転させながら焼きます。トウモロコシを火からおろし、冷めたら皮を取り除き、穂軸から実をこそげ落として中型のボウルに入れます。
- そこにサワークリーム、コティハチーズ、コリアンダー、チリパウダー、塩、コショウを加え、よく混ぜます。
- 温めたトルティーヤに具を乗せてお召し上がりください。お好みで、さらにコリアンダーとライムの絞り汁を加えてるのも良いでしょう。タコス4個分のレシピになります。
ヴィーガンの栄養必要量を満たすには
植物ベースの食事は、たとえ美味しくても、健康を第一に考えて、サプリメントをいくつか取り入れることをお勧めします。特に、徹底したヴィーガン生活を実践している方なら尚更です。お勧めしたいサプリメントは以下の通りです。
ビタミンB12
ビタミンB12は動物性食品にのみ含まれているため、ヴィーガン食実践者はサプリメントでビタミンB12を補うことが大切です。ビタミンB12欠乏症は、疲労、貧血、脱力感を引き起こす場合があります。ヴィーガン向けの食物にはビタミンB12の天然供給源がないことから、ヴィーガンによく見られる欠乏症です。
幸い、この問題は毎日ビタミンB12サプリメントを摂取することで簡単に解決できます。別の選択肢として、食品に栄養酵母を加えても良いでしょう。栄養酵母はヴィーガン対応の調味料で、チーズのようなコクがあり、通常ビタミンB12で栄養が強化されています。1日あたり大さじ1杯分の栄養酵母を食事に加えるだけで、ビタミンB12がたっぷり摂ることができます。
ビタミンDとビタミンK2
ビタミンDとビタミンK2はいずれも、丈夫で健康な骨を保つために極めて重要な役割を果たします。残念ながら、ヴィーガン食でこれらの主要栄養素を十分に摂取するのは困難な場合があり、サプリメントは強い味方と言えるでしょう。ビタミンDはカルシウム値を調整し、骨の健康に重要な役割を担います。免疫サポートにも関与するビタミンDは、気分向上に役立つと考えられています。
ヴィーガン食の優れたビタミンD供給源には、キノコ、栄養強化シリアル、植物性栄養強化ミルクなどがあります。なお、日光を十分浴びると、体が自らビタミンDを合成することもできます。毎日、なるべく30分程度は屋外で過ごすよう心がけましょう。ただし、日焼け止めをどうぞお忘れなく。
ビタミンK2は、ビタミンDと連動して骨を丈夫にします。ヴィーガン食のビタミンK2供給源には、納豆、ザワークラウト、昆布茶といった発酵食品が含まれます。1回用量で手軽にビタミンDとビタミンK2を同時に供給するサプリメントも多数あります。
鉄分
鉄分も、ヴィーガン食実践者にお勧めしたいサプリメントです。ヴィーガン食の鉄供給源は多いと言えますが、植物性の鉄分吸収率は、肉や牛乳などの動物性の鉄分と比べて低くなります。赤血球の主成分である鉄が不足しないよう、鉄分を十分摂ることが大切です。鉄欠乏症は、疲労や脱力感といった症状を引き起こすことがあります。
ヴィーガンの鉄供給源には、ナッツ類、種子類、豆類、濃緑色葉野菜などがあります。このような食品の鉄吸収率を高めるには、トマト、ピーマン、柑橘類などのビタミンCが豊富な食品と組み合わせて摂取するのが効果的です。食品に鉄分を加える自然な方法として、鋳鉄製の鍋やフライパンで調理するのも良い方法です。鉄分を確実かつ十分に摂取したいなら、鉄分サプリメントを摂取すると良いでしょう。
亜鉛
亜鉛も重要な栄養素です。亜鉛は、体内の生化学過程を制御する300種以上の酵素に不可欠です。亜鉛も、植物性食品に含まれるものの、動物性食品の亜鉛吸収率の方が高いのは鉄分と同じです。ヴィーガン向けの亜鉛供給源には、ナッツ類、種子類、豆類の他、栄養強化パンやシリアルなどがあります。ただし、ヴィーガン食では十分な亜鉛摂取が難しいこともあるため、毎日の習慣に亜鉛サプリメントをプラスすることをお勧めします。
ヴィーガンにはサプリメントが必要でしょうか?
厳密に言えば、ヴィーガン食は、慎重に計画・実行されている限り健康面になんら問題はなく、サプリメントなしでも、あらゆるニーズを満たすことも可能です。食事でビタミンB12を十分摂取するには、必ず栄養酵母を取り入れることが肝心ですが、その他の栄養必要量は、栄養強化穀物、ナッツ・種子類、豆類、濃緑色葉野菜、発酵食品など、さまざまなヴィーガン食品を慎重に選んで取り入れれば達成できます。ただ、植物ベースの食事では事足りない場合がありますので、サプリメントを摂取することで、最適な健康状態を目指して必要な栄養素を摂っているという安心感は大きいことも確かでしょう。
参考文献:
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24667752
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30901909
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25516361
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- https://academic.oup.com/jn/article/130/5/1437S/4686409