新しい年を迎えた今も、健康維持がほとんどの方の関心事ではないでしょうか。こうして2021年も免疫強化に注目が集まる中、免疫力だけでなく、長期的な健康目標にも目を向けることが肝心です。それには、健康的な生活習慣や食事の他、心の持ちようも重視し、さらにはマルチビタミン・ミネラル製品に加えてビタミンCD3を補充し、良質なフィッシュオイルなどを含む基本的なサプリメントプログラムを組んで実行することから始まります。ただし、さらなる健康を目指すにあたり、基本だけでは不十分なこともあります。

そこで、サポートとして大きく期待できるのが、グルタチオンケルセチンメラトニンクルクミンベルベリンコエンザイムQ10(CoQ10)といった天然成分のサプリメントです。この記事では、新たな研究や見解に基づいて、2021年の健康習慣に取り入れたいサプリメントをまとめてみました。

‌‌‌‌NAC(N-アセチルシステイン)でグルタチオン濃度を向上

実は、グルタチオンが人間の健康に果たす役割は計り知れないほど重要なものなのです。このグルタチオンという小さなタンパク質は体内で作られますが、サプリメントでさらに濃度を高めると良いでしょう。また、N-アセチルシステイン(NAC)(以下、NAC)というアミノ酸もグルタチオン濃度を高めるのに役立つサプリメントです。免疫系や呼吸器の健康をサポートし、過剰な炎症反応を抑えるには、グルタチオンを十分維持することが不可欠です。1この効果は2020年においても、やはり必須といえる存在でしたが、今年も引き続き欠かせません。さらに、グルタチオン濃度が低いと、老化プロセスの加速につながり、記憶障害やインスリン抵抗性の他、ほぼすべての慢性変性疾患など加齢に伴う障害のリスクを高めることが長年知られています。2,3

グルタチオンのサプリメントとNACのサプリメントはいずれも臨床的な効果が示されているため、交互に使用して自然なグルタチオン濃度アップを図るのも良いでしょう。摂取量の目安は、グルタチオンが1日250~1000mg、NACは1日500〜1200mgです。

グルタチオンが免疫機能に重要である理由など、詳細はこちらの記事をご覧ください

‌‌新型ケルセチンでさらに免疫の健康を増進

ケルセチンは、免疫機能と呼吸器系の健康をサポートする効果により、2020年に最も売り上げの高かった天然サプリメントの一つです。また、ケルセチンが細胞内のイオン性亜鉛濃度を増加させることも注目されました。4細胞内の亜鉛がこの段階で、ウイルスがヒト細胞内で複製するために利用するレプリカーゼという酵素を阻害できるようになります。

ただし、細胞を保護する上でケルセチンが担う役割はそれだけではありません。ケルセチンは、細胞修復を促すために機能する細胞の「ONスイッチ」を文字通り活性化すると同時に、「OFFスイッチ」をONにして損傷や感染から細胞を守りやすくすることが示されています。5この効果は、抗酸化物質として機能する能力とも、生物学的ストレス(免疫活性化、炎症、アレルギー)の発生時に体をサポートする抗酸化酵素のシステムを強化する能力とも異なるものです。

ケルセチンは、上気道感染症(かぜ症候群)のリスク減少に役立つといった臨床結果が示されています 。6ただ、ケルセチンは吸収の悪さがこれまでの課題でした。そこで開発されたのが、LipoMicel Matrix™内にケルセチンを複合することで、ケルセチンの吸収率を10倍にまでに改善するという画期的な解決策です。ちなみに、Natural FactorsのケルセチンLipoMicel Matrix™の摂取量は1日250~500mgで、これは従来のケルセチン2500~5000mgに相当します。

免疫系にもたらすケルセチンの効果に関する詳細はこちらをご覧ください。

‌‌‌‌メラトニンとビタミンB12で睡眠を改善

健康に大きく影響する睡眠の重要性を軽視してはいけません。実のところ、質の良い睡眠を十分に得ている人が多いとは言えないのが現状です。睡眠不足になると、エネルギーが低下して一日中だるさを感じたり、知力が低下する他、気分が落ち込んだり、イライラしがちです。睡眠は体の回復、最適な免疫機能の維持、解毒(デトックス)はもちろん、言うまでもなくエネルギーレベルの充電にも欠かせないため、睡眠がおろそかになると健康へのリスクが高まります。

メラトニンは、最も知名度が高く、広く研究されている天然成分の睡眠補助剤です。メラトニンは、スムーズな入眠に導き、朝までぐっすり眠れるよう、リラックスをサポートします7,8。実は、そんなメラトニンの働きをさらに高める秘密がありますそれは、夜のメラトニンの使用時に活性型ビタミンB12であるメチルコバラミンを併用することです。また、起床時にメチルコバラミンを3〜5mg摂ることで、体内時計がリセットされ、メラトニンが夜間の安眠に機能しやすくなる可能性があります。これは特に、40歳以上の方や夜勤などの交代勤務をする方に有効と考えられます。

メチルコバラミン( ビタミンB12)は睡眠覚醒障害対策に役立ちます。この障害は、朝起きられないほどの眠気や、夜中に何度も目が覚めて十分に眠れないといった症状が特徴です。この睡眠覚醒障害は交代勤務者や高齢者に多く見られます。睡眠覚醒障害の患者がメチルコバラミンを摂取することで、通常、睡眠の質、日中の覚醒度と集中力、気分の向上につながります。9,10メチルコバラミンがメラトニンの働きを後押しするのは、メチルコバラミンが日中のメラトニン分泌を減らすことにより、就寝前に体のメラトニン分泌をリセットしやすくするためであると考えられます。そのため、夜メラトニンを摂取すると、このプロセスがサポートされます。(注:日本国内のお客様へ:メラトニンを含む製品につきまして、iHerbでは2ヶ月分まで購入が可能です)摂取量は、成人でも就寝時に3~5mgで十分です。ただし、6歳以上の子供は1~3mg以内に抑える必要があります。

‌‌これまでよく研究されているクルクミンのエイジングケアと炎症への効果

クルクミンは、ターメリック(和名ウコン、学名 Curcuma longa)の根に含まれる黄橙色の色素で、その数多くの効果が高く評価されており、過去30年以上にわたって8千件以上の科学調査が行われてきました。

クルクミンは体本来の抗酸化作用、抗炎症作用、エイジングケアのメカニズムをサポートします。11また、クルクミンの保護効果の中には、NF-κB(核因子カッパB=活性化B細胞の核因子カッパ軽鎖エンハンサー)と呼ばれる細胞タンパク質複合体に影響を与えることで発揮されるものがいくつかあります。細胞機能が障害を受けるたびに、その原因がストレスにあろうと、炎症や毒素にあろうと、NF-κBとそれに続く炎症の発生が増加します。クルクミンは、NF-κBの適切な調整をサポートし、炎症や細胞の損傷に対する体の反応を改善します。12

他にも、クルクミンの役割として、細胞の自食作用を意味するオートファジーにおけるプロセスのサポートがあります。細胞にエネルギーが不足したり、炎症による損傷を受けると、細胞が破壊されて無数の残骸となります。オートファジーとは、過剰に汚染されて正常に機能しなくなった細胞が自らを破壊するプロセスです。このオートファジーは、他の細胞が繁殖するために不要な細胞を取り除く、いわば剪定(せんてい)と言えるでしょう。

さらに、クルクミンには、老化から脳を保護するのに極めて効果的です。この効果は、最近カリフォルニア大学ロサンゼルス校で行われた研究で最も顕著に示されています。13同研究で用いられたのは、高バイオアベイラビリティ(生物学的利用能)型のクルクミンであるTheracurmin®です。この二重盲検試験では、精神機能と記憶力に障害のある成人40人に、Theracurmin(1日180mg)またはプラセボのいずれかが18ヶ月間にわたって投与されました。5ここでは、認知機能と記憶力の試験が研究開始時に始まり、その後6ヶ月ごとに繰り返し行われました。その結果、Theracurmin®摂取群の記憶力と集中力に有意な改善が見られました。さらに、Theracurmin摂取群の脳スキャンでも改善が認められました。

この他にも、別の高バイオアベイラビリティ型クルクミンが関節の健康を改善することが臨床研究で示されています。ある研究では、1000mgのMeriva(ホスファチジルコリンに結合されたクルクミン200mgを配合)を3ヶ月間摂取した被験者は、関節の違和感のスコアが58%低下し、トレッドミルテストでの歩行距離が研究開始時の平均76メートルから332メートルに増加したことがわかりました。14

一方、通常のクルクミンパウダーでも、関節の健康を改善する効果が示されています。ある別の研究では、クルクミンを1日1500mg、4週間にわたって投与したところ、膝のこわばり、違和感、機能が改善されました。16

クルクミン製剤の摂取量については、安全性と健康効果の臨床的エビデンスに基づいたものが理想的です。代表的なクルクミン製剤の推奨摂取量は以下の通りです。

炎症に対するクルクミンの効果に関する詳細はこちらをご覧ください

‌‌‌‌ベルベリン、減量、血糖管理

現在の医学研究で最も注目に値する天然製品の一つがベルベリンです。このベルベリンは、ゴールデンシール(ヒドラスチス)の根をはじめ、バーベリー(セイヨウメギ)の樹皮、オレゴングレープ(ヒイラギメギ)の根、オウレン(黄連)の根に含まれるアルカロイド(窒素を含む塩基性の植物成分)です。この研究で特に興味深いのは、血糖値の管理、減量、代謝など、多くの人が抱える問題の改善にベルベリンの高い効果が期待できる点です。

この他にも、AMP活性化プロテインキナーゼ(以下、AMPK)と呼ばれる重要な酵素を活性化する能力など、ベルベリンにはさまざまな効果をもたらす有益なメカニズムが数多く示されています。このAMPKは全細胞内に存在し、細胞内区画であるミトコンドリアを活性化してエネルギー代謝を高めるための、いわば「マスター調節スイッチ」として機能しています。

全体的に見て、この酵素活性は、インスリンの作用の他に、体脂肪組成、特に内臓脂肪(お腹の脂肪)の量を左右する上でも重要な役割を果たしています。臨床研究では、ベルベリン500mgを1日3回食前に摂取することで、代謝とインスリン感受性が改善され、12週間でプラセボ群よりも平均2kg強の減量につながることが示されています。15-17

ベルベリンは、ヒトの体内に常在する微生物の集合体である腸内マイクロバイオームにも有益です。実際に、ベルベリンの効果の多くは、有益細菌の増殖を改善することによるものです。このことから、ベルベリンが、消化機能を改善し、ガスや膨満感を抑え、お通じを良くするという点でプロバイオティクスよりも優れているのは当然のことと言えるでしょう。18

ベルベリンと血糖の管理についての詳細はこちらをご覧ください。

‌‌‌‌コエンザイムQ10(CoQ10) +ピロロキノリンキノン( PQQ)でエネルギー生成をサポート

前述の通り、ミトコンドリアは細胞内のエネルギー生成区画です。生命に不可欠である健康かつ豊富な細胞エネルギーを維持するには、優れたミトコンドリアのエネルギー生成が必要です。そんなミトコンドリアの機能を強化するための優れた方法があります。それは、コエンザイムQ10 (CoQ10)(以下、Q10)ピロロキノリンキノン (PQQ)(以下、PQQ)という2種類のサプリメントを併用することです。

CoQ10は既に広く知られていますが、PQQは最近話題になり始めたばかりです。CoQ10がエネルギー生成の点火プラグのような機能を持つ一方で、補完的な役割を担うPQQは、ミトコンドリアの損傷から特異的に保護する強力な抗酸化物質です。PQQは、ミトコンドリアの生合成というプロセスである老化細胞内での新しいミトコンドリアの自然発生をサポートします。PQQがエイジングケアとして大きな期待を集めているのはそのためです。

CoQ10とPQQはそれぞれ単体でも有効ですが、併用することでさらに効果が高まることが示されています。この相乗効果は、まず動物研究で見られ、その後ヒト二重盲検プラセボ対照臨床試験で実証されたものです。40〜70歳の中高年71人を対象とした研究では、PQQを1日20mg摂取することで、認知機能テストでプラセボ群よりも大きな改善が見られました。さらに、PQQを20mgとCoQ10を300mg摂取した群の結果は、それ以上に劇的なものでした。とはいえ、PQQとCoQ10はいずれもミトコンドリアのエネルギー生成に関与しているため、この結果はそれほど驚くべきものではありません。19,20

なお、摂取量については、PQQは20mg、CoQ10は300mgという臨床的に実証された用量をお勧めします。中には、PQQとCoQ10を組み合わせた製品を製造しているメーカーもあります。

心臓の健康にもたらすCoQ10の効果に関する詳細はこちらをご覧ください。

結論

  • 健康は質の良い食事と生活習慣から始まります。
  • 脳が最適に機能するには、ミトコンドリアの強力なエネルギー生成が不可欠です。
  • 加齢によるミトコンドリア機能の低下と、エネルギー、免疫機能、認知機能、記憶力の低下といった症状の関係性を示す研究が増えています。
  • グルタチオンケルセチンメラトニンクルクミンベルベリンCoQ10などのサプリメントはいずれも脳に有効で、ミトコンドリアの機能を保護する能力があります。
  • ミトコンドリアの健康を最適な状態に保つことが、健康全般の鍵となるかもしれません。

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