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2021年版:免疫に関する最新情報 — ある単一のビタミンが死亡率の低下に果たして役立つのでしょうか?

著者:マイケル・マレー博士、自然療法医

この記事の内容:


目下、ウイルス性疾患に対抗する上で、免疫機能に大きな注目が集まっています。それは、個人の生活レベルだけでなく、医学研究の世界でも同様です。そんな中、ビタミンD3に関心が高まっており、特に適正量を摂取することで、ウイルスを撃退する免疫力に重要な役割を果たすと言った、こちらのビタミンに関する研究結果が次々と報告されています。

‌‌ビタミンD3とは

ビタミンD3は「太陽のビタミン」と呼ばれていますが、これは皮膚が日光に当たると、皮膚の露出部分に存在する化合物(7-デヒドロコレステロール)がビタミンD3に変化するからです。この形のビタミンDはサプリメントとして販売されていますが、昼頃に20〜30分間日光を浴びると、露出した皮膚の大部分で約10,000〜20,000 IUのビタミンD3を生成することができます。

こうして皮膚で生成されるか、サプリメントとして摂取されたビタミンD3は、肝臓に運ばれ、酵素によって25-ヒドロキシビタミンD3(25-OH-D3)に変換されます。これは、ビタミンD3の血液検査を受けると測定される形で、次にこの25-OH-D3が腎臓で1,25-OH2-D3に変換されます。これは最も強力な活性型であり、ビタミンD3の約10倍もの効力を発揮します。

ところが、2型糖尿病や肥満(非アルコール性脂肪肝)の患者に多い肝疾患などの問題があると、たとえビタミンD3の摂取量が十分であっても25-OH-D3の血中濃度が下がりやすくなります。これは、肝臓によるビタミンD3の変換障害が原因です。また、腎臓に問題があると、1,25-OH2-D3の濃度が低下し、カルシウム代謝や骨の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

‌‌‌‌ビタミンD3の主な効能

ビタミンD3は体内で複数の重要な機能を担っています。ビタミンD3が骨や歯の正常な成長と発育はもちろん、免疫系にとっても欠かせないことはよく知られていますが、ビタミンD3の効果はこれらの基本的な作用にとどまりません。白血球の機能に影響を与える遺伝子をはじめ、ビタミンD3の代謝物質において結合と調整に不可欠な遺伝子がこれまで2,700個近く特定されています。

ビタミンD3が不足すると、骨の異常や免疫機能の低下につながるだけでなく、心疾患、自己免疫疾患、気分の低下やストレス感、血糖値のコントロール不良、老化の加速など、多数の問題を引き起こすとされています。

‌‌ビタミンD3が不足している人は多いのでしょうか。

ビタミンD欠乏は世界的な問題であることが多くの研究で明らかになっています。人々の健康を改善して疾患を減らすことで、より健康なエイジングにつながるよう、最も重要かつ費用対効果の高い公衆衛生計画とは、ビタミンDの補給を普及させることではないかと医療専門家の多くは 考えています。というのも、ビタミンDが著しく欠乏している人は、大幅に寿命が(7年以上も)短く、多くの慢性疾患のリスクが2倍に跳ね上がるからです。ヒトゲノムには活性ビタミンD3の結合部位が2,700個以上ありますが、これらの結合部位は、実質的にはこれまで判明している主要な疾患に関与するすべての遺伝子の近くに存在します。

25-OH-D3の血中濃度が25ng/ml未満の場合、ビタミンD3欠乏とみなされます。正常値は30~50ng/mlとされていますが、大半の医療専門家は血中濃度の目標値を50~80ng/mlとしています。

アメリカにおけるビタミンD3欠乏

  • 人口の70%がビタミンD不足(血中濃度30ng/ml未満)
  • 人口の50%がビタミンD欠乏(血中濃度25ng/ml未満)
  • 全入院患者の60%がビタミンD欠乏
  • 妊娠中の女性の76%が重度のビタミンD欠乏
  • 高齢者介護施設患者の80%がビタミンD欠乏

‌‌‌‌ビタミンD3欠乏の危険因子

  • 日光への露出が不十分 – 人体は日光を浴びるように作られているにもかかわらず、現在では日中のほとんどを室内で過ごすか、外出時は衣類や日焼け止めで日光を避ける人が増えています。
  • 高緯度地域の居住者 – 日光を浴びる機会が少ない傾向にあります。
  • 加齢 – 年齢と共に皮膚は紫外線に反応しにくくなります。
  • 肌の色が濃い – 皮膚の色素であるメラニンが紫外線の皮膚への影響を軽減すると、それによってビタミンDの生成が減少します。つまり、肌の色が濃いほど、ビタミンD欠乏のリスクが高くなります。
  • 肥満、肝障害、2型糖尿病 – これらの疾患は、肝臓によるビタミンD3から25-OH-D3への変換を減少させてしまいます。

ほとんどの状況では、食物源だけでビタミンD3の必要量を満たすことはできません。日光への曝露は、ビタミンD3の適切な血中濃度を維持する上でばらつきが大きいため、サプリメントの摂取が必要となるケースがほとんどです。摂取量については、1日600 IU(1日20分の日光曝露に相当)だけで最適濃度を達成できる人もいますが、1日10,000 IUという高用量が必要な人もいるかもしれません。大半の医療専門家が推奨するビタミンD3の摂取量は、1日2,000〜5,000 IUです。自分に合った摂取量を見極める唯一の方法は検査を受けることです。今日では、多くの医師が日常的に患者のビタミンD濃度を確認しています。

‌‌‌‌ウイルス性呼吸器感染症に対するビタミンD3の効果

複数のメタアナリシス(過去に行われた複数の研究データを統合して解析した統計手法)では、ビタミンD3の血中濃度が高い人とビタミンD3のサプリメントを摂取している人は、いずれもウイルス性呼吸器感染症の発症率が低いことが示されています。1-3これらの研究の中で最も高く評価されているのは、British Medical Journal誌に掲載されたレビューです。2ここでは、乳幼児から95歳の高齢者まで、11,321人の参加者を含む計25件のランダム化比較試験が評価されました。その結果、ビタミンD欠乏のある人が1日1回または週1回ビタミンDを摂取すると、呼吸器感染症の発症率が70%減少することが明らかになりました。一方、ビタミンD欠乏がない人の場合は、摂取後に呼吸器感染症の発症率が25%減少したことがわかりました。ちなみに、この研究では、成人に60,000 IU以上など単回で高用量のボーラス投与(一度に多量の薬物等が投与される方法)も行われましたが、この方法では効果が見られませんでした。この研究結果により、毎日のサプリメント摂取が望ましいことがわかります。

とは言うものの、Journal of the American Geriatric Society誌に掲載された2017年の研究では、4年間にわたる研究で、介護施設に住む高齢者を対象に、ビタミンDの月1回の単回投与が低用量と高用量で比較されました。3高用量群は毎月100,000 IU(1日約3300 IUに相当)のビタミンD3が投与され、低用量群は1日平均400~1,000 IUのビタミンD3と月1回用量のプラセボが投与されました。もちろん、これらの結果は重要でありますが、他の研究で見られた結果を踏まえると、月1回の100,000 IUの単回投与よりも、毎日ビタミンD3を投与(1日3,000 IUなど)した方が優れた結果をもたらしたかもしれません。

目下、ウイルス性疾患に対抗する上で、免疫機能に大きな注目が集まっています。それは、個人の生活レベルだけでなく、医学研究の世界でも同様です。そんな中、興味深い研究結果が次々と報告されています。

‌‌ウイルス性呼吸器感染症による死亡率の低下を後押しするビタミンD3の効果

最近行われた2件の研究では、ウイルス性呼吸器感染症による死亡率がビタミンD3濃度と関連していることが明らかになっています。そのうちの最初の研究では、ビタミンD濃度が19ng/ml未満の場合、ウイルス性呼吸器感染症による死亡率がほぼ100%でした。4次に、25ng/mlの濃度では死亡率が85%と依然として高かったものの、濃度の上昇と共に死亡率が急速に低下し始め、34ng/mlの濃度では死亡率が0%となりました。この研究では、呼吸器系ウイルスに対処する際、生存率を高めるための目標値は25-OH-D3の血中濃度が34ng/ml以上であることが示されました。

2つ目の研究はベルギーの入院患者を対象に行われたもので、入院時の25-OH-D3の血中濃度が20ng/ml未満の場合、ウイルス性呼吸器感染症で死亡する確率が3.7倍に増加するとしています。また、ウイルス性上気道感染症(風邪やインフルエンザなど)で入院した患者全体の59%は、入院時にビタミンDが不足しており、男女別のビタミンD3欠乏率は、女性の47%、男性の67%でした。

ClinicalTrials.govを検索すると、呼吸器感染症に対するビタミンD3の効果を調査した臨床試験が、目下世界中で40件近く実施されていることがわかります。

‌‌‌‌公衆衛生対策としてのビタミンD補給

現在、英国を含む数か国の政府は、ウイルス性呼吸器感染症のリスクが最も高い人に、公衆衛生対策としてビタミンDのサプリメントを配布することを検討中です。スペインのアンダルシア地方の高齢者介護施設で実施されているプログラムの予備報告によると、呼吸器感染症による死亡率が82%減少しました。

まとめ

幸い、ビタミンD3は手頃な価格で手に入ることから、政府の無料配布を待つまでもないかもしれません。重要なのは、ビタミンDの濃度を安全範囲の34ng/ml以上に引き上げることです。通常、その目標値は1日2,000〜5,000 IUのビタミンD3を摂取することで達成できます。

参考文献:

  1. Pham H, Rahman A, Majidi A, Waterhouse M, Neale RE. Acute Respiratory Tract Infection and 25-Hydroxyvitamin D Concentration: A Systematic Review and Meta-Analysis. Int J Environ Res Public Health. 2019;16(17):3020. Published 2019 Aug 21. doi:10.3390/ijerph16173020
  2. Martineau Adrian R, Jolliffe David A, Hooper Richard L, Greenberg Lauren, Aloia John F, Bergman Peter et al. Vitamin D supplementation to prevent acute respiratory tract infections: systematic review and meta-analysis of individual participant data BMJ 2017; 356 :i6583
  3. Ginde AA, Blatchford P, Breese K, et al. High-Dose Monthly Vitamin D for Prevention of Acute Respiratory Infection in Older Long-Term Care Residents: A Randomized Clinical Trial. J Am Geriatr Soc. 2017;65(3):496–503. doi:10.1111/jgs.14679
  4. https://emerginnova.com/patterns-of-covid19-mortality-and-vitamin-d-an-indonesian-study/
  5. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33236114/ 
  6. https://doctormurray.com/how-90-of-covid-deaths-could-have-been-prevented/
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